自転車保険入ってますか?
「自転車保険」とは、自転車を利用している時に起きた事故で、他人を死傷させたり、他人の物を壊してしまった場合の損害を賠償するための保険のことです。今までは「自転車保険」の加入を努力義務とする自治体が多かったのですが、自転車保険の義務化地域が広がっています。新型コロナウイルスの問題等あまり報道はされてはいないようですが、2020年4月1日から東京都全域、奈良県、愛媛県の自転車の保険が義務化されました。さらに、10月1日から福岡県も義務化され、それ以外の地域でも義務化や努力義務などになっている地域は拡大しています。
一般的な「自転車保険」は2つの補償内容があります。
- 自転車を利用している時に起きた事故で、自分が死傷した場合の損害を補償
(例・自転車でころんでケガをしてしまった)
- 他人を死傷させたり、他人のものを壊してしまった場合の損害を補償
(例・お年寄りと衝突してケガをさせてしまった・車にぶつかり傷をつけてしまった)
「自転車保険」は自分と相手に対する補償となります。
「自転車保険」の加入が義務づけられているのは自転車利用者、保護者、従業員に自転車を利用させる事業者などとなっています。自転車に乗る人はもちろんのこと、自分は自転車には乗らないが子供が自転車にのっている保護者なども含まれるので、かなり広い範囲が対象となります。
義務化ではありますが、それに違反した場合は罰則があるかというと、現時点では「自転車保険」に加入しなくても罰則はありません。ただし、条例違反には間違いがありませんので、自治体によっては、自転車通勤や通学を認めない可能性も考えられます。
最近、自転車事故の件数が増え続け、事故の損害賠償額が約1億円という事例もあります。自動車は任意保険の加入率が約90%なので、高額の損害賠償額であっても保険で対応できる場合が多いのですが、「自転車保険」の加入率は約60%にとどまっています。
新型コロナウイルスの影響で、公共交通機関を使わないようにすると自転車の利用頻度が増えることがあります。左側通行や夜間のライト点灯など交通ルールを守り、ヘルメットをかぶっていても事故は起きてしまう可能性があります。義務化地域では保険に入らないといけないことは当然としても、義務化以外の地域でも、ご自分の身を守るためにも自転車保険に加入することを検討すべきではないでしょうか?
以上 監査部 西島