個人事業主なら知っておきたい事

2019年02月25日 | 税務情報(個人関係)

個人事業主なら知っておきたい事

ご存知ですか? 「自家消費(家事消費)

そもそも「自家消費」とは、個人事業主が仕入れ・製造した商品を、事業とは関係のない日常生活(家事)で消費することを意味します。自分が仕入れた商品を自分に売ったとみなし、「売上」として計上します。そうしないと、売上がないのに仕入代だけが必要経費に算入されて、アンバランスになります。実際には収益があるわけではありませんが、きちんと把握しておかないと、税務調査においてかなりの確率で指摘されます。

該当例

〇 肉屋さんが、事業用で仕入れたお肉を家庭で食べた。

〇 飲食店がバイトに賄いを作った。

〇 電気屋さんが販売用で仕入れた商品を自宅で使用している。

〇 事業用のパソコンをタダで友人にあげた。

〇 販売用の商品を10%で友人にあげた。

〇 酒屋さんが販売用のビールを自分で飲んだ。

例を挙げればきりがありませんが、商品・製品・材料などの棚卸資産をプライベートで消費するのが典型的な「自家消費」です。その他にも、贈与したとき、低額で譲渡した時も同じ扱いをします。

該当しない例

〇 コンサルタントが知人に無料でコンサルを行った。

〇 美容師さんが家族や知人の髪を無料で切った。

〇 30万円で買った事業用パソコンを友人に売った

 

マッサージや髪を切るといったサービス業の場合は、やり取りされているモノが商品ではないため、自家消費としては扱われません。

また、パソコンの例で減価償却資産を売った場合は「自家消費」ではなく、譲渡所得になります。

 

事業消費

商品をプライベートで消費せずに、事業のための別の目的で使った場合は自家消費ではなく事業消費といいます。(簿記では他勘定振替) サンプルで使用した場合には、広告宣伝費や販売促進費とします。

 

 では自家消費で計上すべき売上高は?

 所得税と消費税では計算が異なります。

所得税計算における売上高

 自家消費の金額は、原則として通常の販売価額、つまり定価によることとされています。

ただ、特例があり、①通常販売価額の70%か②仕入れ価格 のどちらかの高い金額が自家消費で計上すべき売上高です。

 

消費税計算における売上高

 消費税の計算では、①通常の販売価額の50%か②仕入れ価格 のどちらかの高い金額が

自家消費で計上すべき課税売上高です。

 

飲食店の「まかない」など定価のないものはおおよその1食分の金額を計算して以下のような計算をします。

 @500円×2食×3人×30日×12ヶ月×70%=756,000円

単価や回数は実態に合わせてください。

 

また、小売店の場合は仕入金額または販売価格がわかれば、単価の計算は難しくありませんので面倒くさがらずにその都度売上台帳等に記録を残しましょう。

 

 

この自家消費を適正に計上しないと、税務調査があればかなりの確率で指摘されます。

自家消費として計上した金額の根拠を示せるようにキチンと帳簿を付けましょう。

 

                           以上 監査部 西島 健志

 HPはこちらから www.fukuda-j.com

 


医療費控除の間違いあるある

2019年02月12日 | 税務情報(個人関係)

いよいよ確定申告のシーズンですね。

2018年分 の所得税の申告期限は 3/15(金)となっております。

期限間際は税務署や申告会場が混雑します。

また、ギリギリに準備していたら必要な証書を紛失していた!なんてこともございますので

是非お早目のご準備を。

 

 

……なんて、わかってはいても、なかなか腰が重いものですよね。

 

 

検索サイトで「確定申告」と調べては、はああああああとついため息が出てしまう……

そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

「確定申告」で検索をすると、「いつまで」や「やり方」といったワードが一緒に候補にあがってきますが、その中に出てくる「医療費控除」というワードは、五文字全部漢字なのでなかなか目を引きます。

皆様、調べてらっしゃるのですね。

 

 

1月に、弊所のブログでも取り上げた医療費控除ですが

医療費控除について
https://blog.goo.ne.jp/fukufuku-tax-honbu/e/e3a87ba35e58ed2b26e7b0687e63c776

 

今回は、皆様のご期待にお応えし(?)、医療費控除第二弾

「医療費控除の間違いあるある」、について書いてみたいと思います。

 

 

 

◇  生計を一にしていない親の入院費を負担したとして医療費控除の対象とした。

 ➡ 「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合」に限られます(法73①)。

 

 

◇  6月に結婚し生計を一にしなくなった子にかかった4月の治療費の負担について、医療費控除の対象としなかった。

 ➡ 自己と生計を一にする親族に該当するか否かは、医療費を支出すべき事由が生じた時又は医療費を支払ったときの現況において生計を一にしているかどうかで判断されます。

4月は生計を一にしていると判断でき、医療費控除の対象となります(基通73-1)。

 

 

◇  前年12月に治療を受け1月に支払った医療費について、前年分の医療費控除の対象とした。

 ➡ その年中に支払った医療費が控除の対象となります。未払いの医療費については、現実に支払われるまで控除できません(法73①、基通73-2)。

 

 

◇  支払った分娩費から出産育児一時金及び出産手当金を差し引いた金額を医療費控除の対象としている。

 ➡ 補填金にあたる場合は医療費から差し引きます。

出産育児一時金 … 出産を給付原因としており、医療費から差し引く補填金に当たる。

出産手当金 … 医療費の支出を事由とした給付ではなく、出産により労務に服することができなかった期間の休業補償であるため、補填金にあたらない。

(基通73-9(2)、健康保険法101、102ほか)

 

 

 <補填金の例>

 ・健康保険法に基づく療養費(家族)、高額療養費及び出産育児一時金

 ・損害保険、生命保険契約に基づく医療保険金、入院給付金

 ・治療費補填目的の損害賠償金

 ・任意の互助組織から受ける医療費補填目的の給付金等

 

 

◇  数年分の医療費を同じ年分の医療費控除としている。

 ➡ 医療費控除の対象となるのは、その年中に支払った医療費です。また、年分ごとに一定額を超え(10万又は総所得金額の100分の5の金額)、かつ、200万円の限度額以内の部分のみであることから、支払年分毎に区分しなければなりません(法73①)。

過年度の申告をする場合は、二重申告に注意しましょう。

 

 

◇  認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)の自己負担額を医療費控除の対象としている。

 ➡ 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)の自己負担額は医療費控除の対象とはなりません。

施設サービスの種類により対象範囲がかわりますが、多くの場合は領収書に医療費控除の対象額が記載されています。

 

 

いかがでしょうか。

皆様の申告の一助に、あるいは、申告に向けてのやる気スイッチになれば幸いです。

(逆にやる気を失った、という類の苦情は受け付けておりませんので、あしからず。)

 

HPはこちらから www.fukuda-j.com

 

 

参考文献:税理士会 研修資料

 

監査部2課 馬場


税込表示価格、税抜表示価格について

2019年02月04日 | Weblog

みなさん、こんにちわ

今回ブログを担当させていただく、監査部2課の塩塚です。

 消費税が8%になってもう5年が経過しました。今年の10月には、10%になろうとしていますね。みなさんも多くの方はそうでしょうが、私は消費者として国の財源確保のためとはいえ、増税分出費が増えるのかと考えるとあまり良い気はしません。

ところで、皆さんにお聞きしたいことがございます。税抜価格から税込価格にさっと暗算できますか?8%だと計算しにくいですよね。それに比べると5%は計算はしやすいです。税抜き金額を半分にして10で割れば良いからです。

 例えば¥5,980だったら、消費税は¥299です。税抜価格は約¥6,000だから¥300位とわかりました。

 これから10%になる予定ですが、計算だけはしやすいですよね。消費税額は、10で割るだけでわかります。ただ10,000の物を購入した場合1,000円の消費税です。消費者からすると、税抜価格というのを見落としてもう1000円支払わなければならいことになります。

 まだ消費税は8%ですが、そのような経験をみなさんしているでしょう。

このような勘違いをしなくていいように、税込価格で表示された商品ばかりがお店に並んでいた期間があったことを覚えていますか?おそらく期間で言えば、平成16年4月から平成25年10月までの約10年程です。なぜなら平成16年の4月に商品の価格表示において、消費税額を含めた「総額表示方式」が義務付けられたからです。

 しかし平成31年2月現在、お店に入って価格を見てみるとわかるのですが、価格表示は

税抜表示が目立っています。目立たないように税込価格が書かれているのがわかると思います。

 税込表示→税抜表示と税込表示の両建て表示の画像です。

 

 http://www.seijoishii.co.jp/whatsnew/notice/desc/15    

SUPERMARKET成城石井様のHPより抜粋

 

 税抜・税込価格両建て表示になった経緯としては、消費税8%になった平成26年4月に先立ち平成25年10月にこれまでの「総額表示方式」を条件付きで税抜表示ができるようになったことが背景にあります。

参考:財務省HP 

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2004/sougakuhyoji/index.htm

 

この両建て表示に関しては、平成31年9月30日までとなっています。

 消費税を含めた金額で価格を表示すると消費者の購買意欲を失わせてしまう店側の配慮や、10%に増税した際に価格表示を店舗は変更しなければならいないという店舗側への配慮もあるのでしょう。しかし私個人としては。どうせ支払わなければならない金額を一括で表示するのみにして欲しいというのが正直なところです。みなさんはどうおかんがえでしょうか?