消費税法改正

2011年07月25日 | Weblog

みなさま、夏真っ盛りですが、お元気にされていますか。

福岡は、ここ1週間、朝夕涼しく、エアコンを止めて窓を開けると涼しい風を感じることができました。節電にも少し貢献できた気がします。

 

 

さて、本日は、延び延びになっていた平成23年度税制改正のうち、622日に可決・成立した改正のうち、消費税についてお話したいと思います。

 

 

消費税法の改正には、次の2つの改正が含まれています。

 

1)事業者免税点制度における免税事業者の要件の見直し

2)消費税の仕入れ税額控除に関する95%ルールの見直し

 

以下では、これらを順にご説明いたします。

 

 

1)事業者免税点制度における免税事業者の要件の見直し

消費税は、原則、基準期間(2期前)の課税売上高が1,000万円以下であれば、自ら課税事業者を選択しない限り、免税事業者になっていました。

これが、今回の改正により、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間(前期の上半期)の課税売上高または給与等の支払総額が1,000万円を超えるときは事業者免税点制度の適用はないこととされました。つまり、これからは2期前の課税売上高だけでなく、前期の上半期の課税売上高にも注意が必要になりました。

この改正は、平成2511日以後開始する年または事業年度から適用となります。

 

2)消費税の仕入れ税額控除に関する95%ルールの見直し

これまで、課税売上割合が95%以上の場合には、課税仕入れに係る消費税額の全額が控除されていました。

これが、今回の改正により、当期の課税売上高が5億円を超える場合、仕入税額控除の計算上、個別対応方式か一括比例配分方式で仕入税額控除を計算しなければならないことになりました。つまり課税売上割合が100%でない限り全額控除は無くなります。

この改正は、平成2441日以後に開始する課税期間から適用されます。

 

以上、簡単ですが今回の消費税法の改正のうち2つをご紹介いたしました。

平成23年予算ではありますが、消費税による税収約10兆円は、国家の税収総額約40兆円のうち4分の1を占める主要税目になります。また、高齢化社会を迎え、福祉財源としても注目、増税論議もされており、これからも目が離せない税目だと思います。

 

まだまだ、暑い日が続きますので、水分補給に注意して熱中症等に気をつけてお過ごしくださいませ。

 

藤野慶一


個人住民税の寄付金に関する規定

2011年07月19日 | Weblog

皆様、おはようございます。

 

さて、本日は個人住民税における寄付金に関する規定についてお話させて頂きたいと思います。

寄付金に関しては、国税である所得税、法人税等でそれぞれ規定が設けられておりますが、地方税である住民税についても別途規定があります。

 

個人住民税の寄付金制度については、従来は所得控除の取扱いでしたが、より納税者に分かりやすく、貢献意欲も湧くという理由などから、現在は税額控除の取扱いとなっております。

 

 

まず、個人住民税の規定の対象となる寄付金について以下に簡単に挙げさせて頂きます。

 

1.都道府県、市町村、特別区に対する寄付金で一定のもの

 

2.共同募金会、日本赤十字社(納税者の住所所在の道府県内に事務所を有する日本赤十字社の支部で   収納されたもの)等に対する寄付金で一定のもの

 

3.道府県、市町村の条例で定める寄付金で一定のもの

 

ここでポイントとなるのが、「道府県、市町村等への寄付ある」ということです。

国等に対する寄付金については国税である所得税の対象となりますが、地方税である住民税については、対象となる寄付金も基本的に地方に対するものとなります。

 

次に、いくらの金額が控除の対象となるのかということですが、住民税額から控除される金額は以下の算式で求めた金額となります。税率、限度額等細かな点は異なりますが、所得税と同じような計算の仕方となりますね。

 

 控除額=(寄付金の合計額() - 5,000円)× 10(道府県4%、市町村6)

  ()寄付金の合計額は所得(課税標準の合計額)30%を限度とします。

 

さらに、個人住民税においては、都道府県、市町村等に対する寄付金のうち一定の要件を満たしたものが5,000円を超える場合には、上記の控除額に加えて一定額を加算する制度が設けられています。この点が所得税等と大きく異なるところで、少し前に話題になりました「ふるさと納税」を受けての規定であると言われています。

 

今日、寄付の重要性は高くなっています。また、寄付をした場合の税制面での優遇規定も各税目について設けられております。 

 

個人住民税に関する寄付金の規定を受ける場合には、一定の手続きが必要となりますので、行政機関又は税理士事務所へご確認されるのがよいかと思います。

 

 

木山 浩晃


路線価発表

2011年07月11日 | Weblog

ジメジメした梅雨も明け、暑ーい夏がやって参りました。

福岡では夏祭り、博多山笠の真っ只中、老若男女燃えております。

ところで、先日平成23年度の路線価が発表されました。

全国の平均路線価は相変わらず下落が続いております。

この路線価は、相続税や贈与税などの税金を計算するうえで

財産を評価するに当たり、国税税局が毎年定めた価格です。

土地の評価方法には次の2つがあります。

1.路線価方式

 路線価が定められている場合には、路線価を用いて土地の評価を行います。

 土地の評価=路線価×各種補正率×面積

2.倍率方式

 路線価が定められていない地域の土地を評価する場合には、評価倍率を用いて

 行います。

 土地の評価=固定資産税評価額×評価倍率

※この路線価は、1月1日時点での評価額です。今年は、東日本大震災の影響を加味する

 ための調整率が国税庁より発表される予定です。(10月頃の見込みです)

 調整率の適用地域は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県の全域

 並びに、新潟県十日町市、中魚沼郡津南町及び長野県下水内郡栄村です。

 

   平野 誠


平成23年度税制改正

2011年07月04日 | Weblog

 7月に入り、今年も折り返しを迎えました。暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

 さて、平成23年度税制改正案が、ようやく610日に国会に提出されました。

 そのうち、622日に以下のものが成立しました。

 

    中小法人に対する税率軽減の継続(本則22%18%)

    雇用促進税制等政策税制の拡充

    寄付金税制の拡充

    年金所得者の申告不要制度の創設

    上場株式等の配当・譲渡所得の軽減税率の延長

    消費税の免税事業者要件の見直し

    消費税の仕入税額控除に関する95%ルールの見直し

    住宅取得等資金の贈与に住宅取得に先行して取得する土地が追加

    罰則の強化

 

 今回の改正では、「給与所得控除の上限設定」、「法人税率の引下げ」、「減価償却制度の改正」、

「相続税の改正」は、見送られました。

 つまりは、必要最低限の改正にとどめ、議論が必要なものは先送りにしたと言えます。

 

 また、①から⑧の中で、②については、積極的に事業拡大を検討されている方については、

恩恵が大きいと思います。詳細は、「44日に幣所の平野が掲載したブログ」を御参照下さい。

 加えて、⑥につきましては、法人化を検討されている方については、注意が必要です。

詳細は、幣所の職員に御質問下さい。

 

 国家の財政状態や震災の復興のために、種々の税制改正が検討されることが予想されます。

 職員一同、その話題をタイムリーにお伝えし、皆様方にお役立ちしたいと考えております。

 今後とも「強存強栄」で宜しくお願い申し上げます。

 

 清水智文