地蔵菩薩三国霊験記 13/14巻の2/9
二、六地蔵の権興(起こり)
大相国禅門浄戒(平清盛)は位進み家榮へて一天を掌の中にし、四海泰平を吟じければ此の間の兵乱に罪障のほども怖ろしく思はれければ、御長六尺(182㎝)の地蔵を造立し奉り六十六箇國の亡魂を弔ひ、同じく相応の寺を立て軍類兵難の苦患を助ばやと思立玉ひけるが亦打ち反して思惟し玉ひけるは、其の寄附の地は王土なり。入道の私領にはあらず。世の . . . 本文を読む
お大師様は『三教指帰』で「支離懸鶉を見ては因果の哀しみ休せず。だれかよく風を繋がん(現世で不条理な運命に泣いている人々を見れば因果の哀れさに心が休まる時がない。出家の志は風を止めることができないように誰も止めることはできない)」と述べて出家され過酷なご修行の結果ついに真言密教を始められ、奥之院に「虚空尽き、衆生つき、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん]と入定されているのです。しかれば御大師のすべての . . . 本文を読む