福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

秘藏寶鑰3

2013-08-16 | お大師様のお言葉
我今詔を蒙って十住を撰す。頓に三妄を越て心眞に入らしめん。(粗、細、極細の三妄執をこえて第十住心に入らしめん。)
霧を褰(かか)げて光を見るに無盡の寶あり。自他受用日に彌よ新たならん。
軷祖(ばっそ・・道祖神を祭ること。初発心を指す。)札して伽梵を求む。幾郵(いくうまや)してか本床に至る(いくばくの次第を経てさとりにいたるのか)。如來明に此を説きたまへり。十種にして金場に入る(十種の次第を経て悟りにいたるのである)。
已に住心の數を聽きつ(すでに住心の數をきいた)請う、彼の名相を開け(その名字と行相を示せ)。 心の名は後に明に列ぬ。諷讀して迷方を悟れ。(住心の名は後で明らかに列ねてある。諷讀して迷を解かるべし。)

第一、異生羝羊心、凡夫狂醉して吾が非を悟らず、但だ婬食を念うこと彼の羝羊如し。

第二、愚童持齋心、 外因縁に由って忽に節食を思う。施心萌動して穀の縁に遇うが如し。

第三、嬰童無畏心、外道天に生じて暫く蘇息(無畏)を得、彼の嬰兒と犢子との母に隨うが如し。

第四、唯蘊無我心 、唯し法有を解して我人皆遮す(打ち消す)。羊車の三藏(声聞乗のこと) 悉く此句 に攝す。

第五、拔業因種心、 身を十二に修して、無明の種を拔く(十二因縁を達観して迷いの種を抜く)。業生已に除いて 無言に果を得る。

第六、他縁大乘心、 無縁に悲を起こして 大悲初めて發(おこ)る。幻影に心を觀じて 唯識境を遮す。

第七、覺心不生心、 八不に戲を絶ち(中論にいう不生不滅不断不常不一不異不来不去に戲を絶ち) 一念に空を觀ずれば 心原空寂にして 無相安樂なり。

第八、如實一道心、 一如本淨にして 境智倶に融ず 此の心性を知るを 號して遮那という 。

第九、極無自性心、 水は自性なし 風に遇て即ち波たつ 法界は極にあらず 警を蒙って忽に進む。

第十、祕密莊嚴心、 顯藥塵を拂い 眞言庫を開く 祕寶忽に陳して 萬徳即ち證す。
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