そこで日本の仏教はどういうものであるか。民衆の隅々まで行きわたっている佛教はもとより小乗でなく大乗仏教でなければなりません。・・むかしから佛教には救世の船という言葉がありまして、これが大きな乗り物の極致であるかもしれません。大無量寿経には「なおし大乗の如し、群萌を運載して生死を出すが故に(仏説無量寿経下に「猶如大乘。運載群萌出生死故」とあります)というお言葉がある。衆生を救うために聖徳太子は、政治、外交、殖産、工業、農業、医術、文学、芸術、美術、建築、宗教ありとあらゆる方面から理想の国家を成就しようとされました。こういう国土を大乗相応の地と言わねば言うべき国はないと申さなければなりません。
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