
タバコの自販機は美しいオブジェになった。
もう買うことは無くなってしまったのだ。
1月に脳梗塞で倒れるまではいわゆる愛煙家だったのだ。
自宅で倒れて救急車の担架が来るまで、最後の1本を吸わせてもらった。
それが最後になった。
中脳がやられると味覚もやられて、タバコや酒はどうでもよくなった。
味覚は徐々に元に戻って、ビールが美味しくなり、蕎麦も食せるようになり、
チョコケーキも美味しくなったが、タバコはどうでも良いままだ。
周りで吸われるのも気にならない。
ドトールなどでは、混んでいれば喫煙コーナーに座るのも平気だ。
嫌煙家でも無い。
吸いたい人に文句も無い。
禁煙した人で、嫌煙家に変身する人が多いが、そういう気持ちもまったく芽生えない。
要するに病気で自然体になっただけのような感じなのだ。
分煙室を作る近鉄電車は大いに評価したい。鉄道での全面禁煙はただのコストカットでしかない。
吸える場所を探す労力はかなりのものだった。
移動すれば、まずは喫煙所を探した。
訪問先に入る前に必ず一服したかった。
ホームで電車の撮影をしていてもタバコが吸いたくなったら一旦は駅を出なければならなかった。
そういう労力やコストが無くなったのが一番の変化だ。
禁煙すると、ものすごく楽だということが初めてわかったのだ。
SONY NEX-5/E18-55mm/F3.5-5.6 OSS
