大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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しづめばこ 5月3日 P257

2013-05-03 21:19:42 | C,しづめばこ
しづめばこ 5月3日 P257 、大峰正楓の小説部屋で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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小説“しづめばこ”



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日々の恐怖 5月3日 登山

2013-05-03 19:08:28 | B,日々の恐怖








     日々の恐怖 5月3日 登山








 昔、Kさんが上海に留学中のとき、同じく留学中の韓国人の子から聞いた話です。
双方が、慣れない中国語で話したものを日本語に直して書くため、多少誤差はあると思います。

 その日、その韓国人の友人の女の子Aは、友達とみんなで一緒に登山をする計画をたてていた。
メンバーは女がAと残り4人、男が5人、という5:5の計10人で向かった。
その男5人の中にAの彼氏が一人いて、それ以外の関係はただの友達なのか、他のカップルがいたのかはわからない。
 登山を開始しようとした時、Aは体調不良のため参加を見送ることに決めた。
仕方がないので残りの9人は登山を開始したそうだ。
 Aは結構長い時間待っていたようだが、一向に戻らないメンバーと彼氏を次第に心配し始めた。
それで、体調もそのころ既に戻っていたAは一人で登山を開始した。
 その山は韓国の中でもそこまで高い山ではないようで、暫く一人で登ると丁度山の中腹あたりで下山するメンバーに出くわした。
しかし、そこにいたのは女だけで男5人の様子が見当たらない。
 Aは女友達を発見したことに安堵しつつも、彼氏のことが気になった。

A「 男たちはどこにいるの?」

と聞くと、どうやら山頂にまだいるらしく、景色などを楽しんでいるようだった。
Aはそれを聞いて安心したが、一応一人で山頂まで登ってみることに決め、そこで女友達と別れた。
 暫く一人で登り続け山頂についた。
女友達の言った通り、そこには男5人がいた。
しかし、様子が変だった。
全員青ざめていて景色を楽しんでいたり、下山しようという雰囲気がない。
 Aは何かあったのだと思い、彼氏に尋ねた。
すると驚いたことに、山頂手前で女メンバー4人とはぐれたというのだ。
この山ははぐれたり遭難すると死亡する人も多いようで、その女友達も死んだかもしれないと言う。
 何を言っているんだ、さっき途中で女の子たちとすれ違ったばかり、とAは男たちと彼氏にそれを伝えたが、男らの考えは変わらない。

「 ありえない、こっちに何の連絡もなしに勝手に下山するなんて。
助かってたとしても、山頂まで探しに来た俺達と何らか連絡をとるはずだ。
まして、お前と会ったなら何かしら伝言するはずだろ?」

Aは彼氏や男友達の話を聞いてく内に、確かに色々と不信な点も多いと感じた。

“ さっきすれ違った女友達は・・・。”

妙な胸さわぎを覚えAは危険を承知ながらも急いで一人で戻った。
麓につくまでに女友達と会うこともなく、やはり麓にもいない。
 泣きそうになりながらも、先に下山した女メンバー4人の情報を探し求めた。
そして、ようやくたどり着いた民家のテレビからニュースが流れていた。
それは丁度自分が今まさにいるこの山のニュースであった。
 そこで報道されていたのは、

“ 山で女性4名男性5名の遭難死体を同一箇所で発見した。”

というニュースであり、そこにはAの友達と彼氏を含めた9人の名前が表示されていた。


















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