日々の恐怖 7月22日 呼声
結婚を期に一人暮らしのワンルーム(3階建ての1階部屋)から同じ町内に引っ越しました。
2年くらい経ったある日、夫と散歩中に、
「 前に私が住んでた部屋どうなってるかな?
どんな人が住んでるのかな?」
と、ふと思い立って15分ほど二人で歩いて行ってみると、路地に面した窓にはカーテンも無く、一瞬“空家なのかぁ・・・”と思い帰ることにしかけたのですが・・・。
不審に思った夫が窓を覗き込み、
「 ホームレスが住み付いてるよ~、すごい散らかってる。
あそこ、じいさんが寝てる・・・・。」
と衝撃的な発言。
私は自分の思い出がいっぱいある部屋なので、そんな様子を見たくなくて覗かなかったんだけど、いくらなんでも不動産屋にちゃんと管理されてるだろうし、勝手に入って住める訳無いよ~、と言おうとしたら、
夫「 なんか、おかしいな、あれ・・・。
えっと・・・。」
夫が玄関にまわってとドアに手を掛ける。
“ カチャ・・・。”
カギは掛かってなかった。
私「 勝手に開けちゃだめだよ~、帰ろうよ~。」(小心者のため半泣)
夫「 すいませ~ん、だいじょうぶですかァ~?」
爺「 ・・・。」
その後、警察へ通報しました。
結局、老人の孤独死だったわけですが、亡くなった後そう日は経っていなかったようです。(夫談)
私は怖くて見なかったです。
引越後はじめてふと思い立って見に行った以前の部屋で、そんな現場に遭遇したのって偶然なんでしょうかね。
これを友人に話したら、
「 おじいさんが、“見つけてくれ~”って呼んだんだよ。」
って言われました。
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