日々の恐怖 7月20日 枕灯
昔、某市民病院で設備管理してたときの話です。
深夜、仮眠中に電話が鳴り、枕灯(ベッドの枕元にある蛍光灯)が切れたので交換して欲しいとの連絡があった。
消灯時間過ぎてるのに、こんな夜中に交換することもないだろうと思ったが、至急交換して欲しいとのことなので、眠い目を擦って部屋に向かった。
部屋に着くとなぜか明かりがついていたので不思議に思ったが、とりあえず部屋に入ると、医師やら看護婦が数人ベッドを囲んでいて、俺を見たとたん慌ててベッドに寝ていた患者に頭までシーツを被せた。
で、シーツを被せる瞬間、なんか血みたいのがベットリ患者に付いてるのが見えた。
まぁ、嫌な予感はしたけど、俺は無言で枕灯の交換にうつった。
しかし、なぜか枕灯の蛍光灯が外れない。
しかも、俺の目の数十センチ先には、シーツを被ってるとはいえ患者の顔。
“ ぜってぇ生きてねぇよ!この患者!”
と思いつつ汗ダラダラで作業するが、なぜか蛍光灯が外れない。
結局5分ぐらい頑張ったが外せなかったので、「交換は明日にしてくれ」と医者に頼んで俺が部屋を出ようとすると、患者の家族が走りこんできて、「お母さん!」ってベットの患者に泣きついた。
部屋の明かりあるんだから、枕灯なんか別に今交換することないだろ!とマジで思った。
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