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日々の恐怖 7月27日 野球部

2013-07-27 18:54:40 | B,日々の恐怖





     日々の恐怖 7月27日 野球部





 私の高校時代の話です。
当時は、まだ昭和でした。
 野球部の部室に遊びに行ったとき、なぜかマネキンの頭部が無造作にゴロンとありました。

「 何で野球部に、これがある訳・・?」

と部員(クラスメイト)に聞いたら、平然と、

「 帰って来るんだ。」

と言ってました。
不審に思って詳しく聞くと、どこに捨てても翌朝には部室にあるそうです。
 そして、

「 こいつ、話せるんだぜ!」

と、意味不明なことも付け加えました。

「 はぁ・・・??」

私はその言葉に固まりました。
 部員はマネキンのまだらになってる髪をつかみ上げ、

「 挨拶しろ!」

とマネキンに言っています。
 はじめは私を担いでるのかと思いましたが、彼はマジでした。
もちろん、マネキンは話す訳がありません。
 部員は、

「 恥かかせやがって!」

と床に叩き付けました。
 あまりの部員のマジぶりに、

「 いつもなら話すのか?」

と聞いたところ、

「 ああ、片言だが少し話すんだ。」

と、マネキンが話さなかったため、少々ご立腹の様子です。

「 本当なんだぜ!」

と訴えかけて来る彼に、私は否定出来ませんでした。

「 まぁ・・、部員外の俺がいたからかもな・・・。」

と適当に合わせました。
 私が、

「 このマネキン何で髪がまばらなんだ、どうせだったらお前と同じく丸坊主にしたら?」

と言ったら、部員が、

「 そいつ、バリカンで丸坊主にしたんだぜ。
まばらなのは伸びて来たんだ。
まったく、みっともねぇ・・・。」

マネキンを蹴りながら平然と言う始末でした。
 野球部に遊びに行ったのは、これが最初で最後でした。
永久欠番のマネキンに聞きたい。

「 なぜ君は野球部に帰って来るんだ?」

















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