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日々の恐怖 12月8日 詳しくは言えないんです

2015-12-08 19:54:11 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 12月8日 詳しくは言えないんです



 詳しくは言えないんですけど、病棟って言うのは患者さんの症状によって部屋割りが決まっていたりするんです。
例えば目の離せない状態の患者さんはナースステーションの近くみたいな感じです。
 冬になると多いんですが、ある日スノボで骨折した若い男性の患者さんが入って来たんです。
だいたいは6人部屋や8人部屋なんかへ入ってもらうんですけど、たまたま空いてなくて個室へ入ってもらうことになったんです。
始めの内その若い患者さんは得をしたみたいな感じで喜んでいたんです、まだ陽のある内は。
 深夜勤務でナースステーションで雑用捌いていると、昼に入って来たその患者さんが訪ねてきたんです。

「 ハイ、どうされましたぁ?」
「 あの~、言いにくいんですけど・・・。」
「 ハイ?」
「 病室なんですけどぉ・・・。」
「 病室?どうかされましたぁ?」
「 変えてもらいないですか?」
「 何かありましたぁ?」
「 いやぁ、あのぉ~、つ~か出たんですけど・・・。」
「 はぃ?」
「 夜中に何か息苦しくて目が覚めたんですよ。
そしたら部屋の四隅に人が立ってるんですよぉ。」
「 えっ?」
「 気がついたら、その人達が自分のベッドの脇に立ってるんです。」
「 ・・・・・・。」
「 それで、言うんです、此処は未だお前の来る場所ではないって・・・。」

“ 嫌だなぁ・・・・。”

と思いながらも仕方が無いし、こういうことは初めてでもないので、

「 取り敢えずちょっと見て来ますから、ここ入って構わないので、そこに掛けててもらえますか・・・。」

 一応見には行くんですけど、何時もと変わらない病室です。
仕方が無いので、その日だけナースステーションのそばの処置部屋にベッド移動しました。
 その患者さんを始めに入れた部屋は、普段はそういう部屋として使っていたので、

“ そのようなことを言われたのかなぁ・・・。”

と思います。










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