日々の恐怖 12月15日 クロス屋
不動産会社に勤めるAさんの話です。
入居前修繕のために2階建てアパートの一階の部屋にチェックに行くと、天井は綺麗だが壁紙が黄ばんでいたのでクロス屋に見積り出してと依頼した。
次の日、
“ 天井はやらなくていいとのことでしたが、天井のクロスに張り付いているお面はうちのほうで処分しますか?”
といった内容のFAXが入った。
“ いやいや、そんなもんなかった筈だ・・・。”
それで、クロス屋に電話で確認した。
すると、
「 確かにありましたよ、アレ、気味悪いんで処分しますね?」
「 まぁ、本当にあったんなら、処分してくれると助かるよ。」
その数日後、クロス屋が集金に来て、
「 あれAさん(私)が取ってくれたんですね。」
もちろん私は取っていないし、鍵を持っているのも現場に入ったのも私とクロス屋だけだった。
その時に、クロス屋が言った言葉で鳥肌が立った。
「 あのお面、やたらリアルな造形と色だったけど・・・・。」
まじめに実話です。
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