大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 12月12日 実家への帰郷(2)

2015-12-12 19:05:05 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 12月12日 実家への帰郷(2)



 M子さんが答えると、Kさんは言った。

「 そう。
じゃ、明後日の朝7時に学校の前で待ち合せしましょう。」

M子さんは携帯番号を教えてもらい、
Kさんと別れた。
 翌日、部屋の掃除と洗濯を済ませて明日の準備をしていると、携帯に電話が掛かって来た。
実家からだった。
久しぶりの帰省に喜ぶ母親に、明日は近くのキャンプ場で友達と泊まってから、翌日に家に向かう事を告げると、

「 キャンプ場なんて有ったかしら?」

と言う。
 ハイキングコースのゴミ拾いのボランティアの事を説明して、その近くだと言うと、

「 ハイキングコースなんて無いでしょう?
お前、忘れたの?
あそこはセメント工場のハゲ山だったでしょう。」

そう言われたM子さんは、子供の頃に電車から見えた、木のない削り取られた灰色の山々をハッキリと思いだした。
Kさんに電話して問い合わせるのもためらわれたM子さんは、サークル仲間に電話してKさんの事を聞いてみた。

「 ああ、あの合コンのきれいなお姉さん?」

サークル仲間によると、みんなKさんとはあの時が初対面で、都合が悪くなった女の子の代理で来たと言っていたという。

「 じゃ、その都合が悪くなった女の子は?」

と聞くと、友達の友達とかいう人で良くは知らないし、携帯とかの番号も聞いていない。
 翌日の待ち合せには、M子さんは行かなかった。

“ Kさんから電話が有ったらどうしようか・・・?”

と怖かったが、電話は掛かって来なかった。
 友達と一緒にKさんの携帯に電話してみると、何度掛けても呼び出し音が鳴り続けるだけで、二日後には通話不能となった。
 調べてみると、Kさんの言っていたハイキングコースなど無く、キャンプ場も存在していない事がわかった。
学校に問い合わせると、Kさんという生徒は在籍していなかった。
都合が悪くなったという女の子も、未だに見つかっていない。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------