日々の恐怖 12月6日 喫煙室のオッサン
何年か前に入院してた時の話です。
今はその病院の敷地内でタバコは吸えなくなりましたが、その当時は喫煙室という場所が病院内にありました。
その喫煙室で凄く顔色の悪いおじさんが、私の隣の席に座りタバコを吸い始めました。
そして私に、
「 俺はどの薬を試しても全然効かないんだ。
もうすぐ死ぬと言われた。
どうせ死ぬなら他の奴等を道連れにしようかな・・・・。」
と、ぽつりとつぶやきました。
その病院はそこそこ大きい総合病院で、外来患者も多く、そのおじさんはつぶやいた後に、
「 明日は外来も多いしな・・・。」
それを聞いた私は、
“ 危ねぇオッサン!”
と思いながらも、タバコを吸っていましたが、おじさんが喫煙室から出た後、喫煙室にいた他の入院患者さんに話しました。
その入院患者さんもそれを聞いて、
「 あいつマジで危ないで。」
と言うので、
“ もし本当に、そのおじさんがマジでやったらまずい!”
と思い、病棟に戻った時に看護師さんに伝えました。
その次の日、そのおじさんの姿を見かけましたが、その翌々日からそのおじさんの姿を見る事は無かったです。
私がその話をした看護師さんは、
「 一応全部の病棟に連絡しておきます。」
と言ってました。
あのおじさんはどうなったのか今はわかりませんが、その病院に来月入院します。
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