日々の恐怖 4月19日 石を投げる(2)
俺が小学生のときの話なんだけど、友達の家の近くに池があった。
直径3mか5mくらいの、まあるくて小さな池だった。
その池の周りをぐるりとなんかしめ縄みたいな縄で囲んであったし、すぐそばにちっさい祠とかあったから、たぶん神様の池とかだったんだろう。
そのときは同い年の子3人と、いっこ上の子1人とで遊んでいた。
いっこ上の子の名前がH君、同い年のこの中の一人の名前がKくん。
何でそんなことしたのかよく覚えていないけど、なんか自然な話の流れで、H君がその池の中に子供の頭くらいの大きさの石を投げ込んだ。
どっぼーんと大きな音がした。
それとほとんど同時に、Kくんが勢いよく倒れた。
頭から大量の血を出していて、その近くに少し血のついた石が落ちていた。
たった今投げ込んだ石と同じような大きさと形をしていた。
その場にいた全員が何が起こったのか全く解らなかった。
俺は倒れてるKくんを暫くじっと見つめていた。
もう一人の同い年の子も崩れるように倒れこんだ。(後で解った事だが、大量の血を見て貧血で倒れたそうだ。)
俺はそれを見て我に返って、H君を見た。
H君はまだほうけている。
俺は走って友達の家に行き大人の人を呼んできた。
その後のことは実はあんまり記憶にない。
確か大人の人に、じっとしてなさいとか何とか言われて、じっとしてた気がする。
救急車が来てKくんが運ばれていったのを見届けてから、すぐに俺は高熱を出した。
2日くらい経って大分熱もさがったころ警察の人が来ていろいろ聞かれた、
Kくんは頭蓋骨がわれていて相当やばかったらしいが、たまたま運ばれた病院に凄い先生がいて助かったそうだ。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ