日々の恐怖 4月23日 図書館で勉強
東京在住の医師Dさんの話です。
俺ね、医学部目指して浪人してた頃、予備校帰りに近くの図書館で時々勉強してたの。
そうしたら、周りは司法の勉強してる人ばかりだった。
で、ある時気付いたんだけどさ、ああいう人達って座る席がほぼ決まってるんだよね。
俺がたまに常連さんの席に間違って座るとジロッて睨まれた。
そのうち自分の席(末席)が決まって落ち着いたけどね。
その中に一人の綺麗な女の人がいて、思えばその人を中心に、何らかの力学で野郎の席が決まっていた風だった。
翌年、運良く俺は地方の医学部受かって都落ちした。
そんな図書館でのことなどすっかり忘れて、6年の歳月が過ぎた。
で、久しぶりにその図書館を訪れて、末席に行って、
“ ああ、昔、ここで勉強したんだなァ・・・。”
って懐かしんで腰掛けて、周り見回して俺は驚愕したね。
何と、その女の人を中心に、ほぼ6年前と同じ面子がまだ司法の勉強してやがんの。
その女の人は、ちょっとだけ老けてた。
周りの野郎は、かなり逝ってた。
ハゲてるやつもいた。
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