大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 4月27日 行方不明

2016-04-27 19:21:29 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月27日 行方不明



 私(40歳)が小学校の時に起こった話です。
ある遠足の時とその後の出来事です。
とある山で林間学校があったんですが、事前の注意にこういうものがありました。

“ 途中で神社の近くで休憩を取るが、そこの小石、落ち葉一枚持って帰ってはいけない。”

先生が言うには、

“ 大変霊験あらたかな神社なのですが、そこの神様は大変独占欲が強く、自分の敷地から何かを持ち出した人間には必ず祟る。”

というものでした。
 黙っていれば良いものを、そんなことを吹き込んだので、当日の宿舎での夜、我がクラスの各部屋では、その神社から持ってきた物の品評会でした。
 そんな中、石や葉っぱに混じって“石のこけし”みたいなものを持ってきたヤツがいました。
特に霊感など無い私ですが、それを見た瞬間何かゾクゾクするような悪寒を覚えました。
 “境内の小さい祠の脇に立てかけてあった”と言うその“石こけし”を持ってきたヤツは、みんなに、

「 アホ!やりすぎじゃボケ!」

とか罵られ、逆上したのか、

「 お前らも同罪じゃ!」

と言うなり先生の部屋へ駆け込み、みんなが神社から色々持ってきたことをぶちまけやがりました。
 信じてたのかどうなのかはわかりませんが、先生はみんなを集め、

「 アホかお前ら、祟られてもしらんぞ!
俺が返しといたるから全部出せ!」

と怒って、持っていたビニール袋に回収した小石や葉っぱを入れました。
もちろん“石こけし”も。
 とは言うものの、その神社は宿舎からバスで1時間以上離れており、翌日の日程は全然違う場所への移動です。
 私たちは、

“ あれ、いつ返すつもりやろ・・・?”

とか思いましたが、翌日の先生の荷物を何となく確認したところ、それらしい袋はありませんでした。(あるいはカバンの中か・・・?)
 そして何事もなく林間は終わりました。
先生があの神社に返しにいく時間はもちろんありませんでした。
 次の日曜日明けから、私たちの担任は行方不明になりました。
しばらくは警察がうろちょろしたり、それらしい雰囲気でしたが、結局、臨時でわがクラスの担任になってくれていた先生が、そのまま正担任になりました。
 嫉妬の神様か、石のこけしか、北の金さんか・・・。
とにかく、30年近くたった今も全く手がかり無しらしいです。










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日々の恐怖 4月26日 ノブ

2016-04-27 11:41:49 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月26日 ノブ



 小学6年の頃新築の家に引っ越して、初めて一人部屋を与えてもらったんだけれど、引っ越して一年経たない頃から、昼夜に関わらず棚上の物が勝手に落ちる、部屋の電気が突然点くなど、おかしなことが起こり始めた。
 極めつけは、夜中妙な物音で目を覚ますと、寝ているベッドの対面にある部屋のドアノブが、

“ ガチャガチャ・・・、ガチャガチャッ・・・。”

と鳴っていたことです。
 そのうちそのドアがゆっくりと開いていくのですよ、

“ ギィー・・・。”

って音がして。
 ガクブルになって布団かぶって無理やり寝てたんだけど、子供だから好奇心もかなりある。

“ 誰かいるのか・・・?”

物凄い心臓の音を自分で聞きながら、布団の隙間から覗いてみると、ドアは開いているものの誰もいない。
 次の日、親に部屋に来たかと聞いても来てないと言う。
そのドアノブガチャガチャ&ドア開放はそれから一週間近く続くようになり、寝不足にもなっていて、親は信じてくれないし、ノブガチャの見えない存在にかなり頭にきていた。
 ある日、やはり夜中2~3時ごろノブガチャが来たので、寝不足がピークに達した自分は、ドアが開くのと同時にドアの前まで行って思い切り叫んだ。

「 開 け た ら 閉 め ろ や ! ! 」

その後、起きてきた親にチョトしかられた。
 でも、怒鳴った次の日からドアガチャだけになり、そのうちそれも無くなりました。
少しは、ごめんねと思ってくれたのかな?


 高校まではその部屋を使っていたけど、就職のため家を出ることになり、2、3年家に帰らなかったんです。
 ある年、夏期休暇を利用して実家に帰ると、私の部屋はお札で封印されていました。
話によると、寺の坊さんに、

「 ここは人の住んでいい部屋じゃない!」

と言われたそうで、

“ うそーん!(´Д`;”

私がいない間にあの部屋で何があったのか、親からは話してもらえません。









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