大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 4月29日 恐怖の遠泳実習

2016-04-29 19:57:29 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月29日 恐怖の遠泳実習



 うちの高校は体育系で、高校二年生の夏には遠泳実習という行事がある。
もちろん生徒にとっては苦痛極まりない行事で、毎年、2年生に成る生徒は愚痴をこぼしていた。
なんせ沖まで行って4、5時間泳がなきゃいけない。
体力の限界が来て溺れる生徒は毎年数人はいる。
ヘタすりゃ死ぬかもしれない。
 そして、俺たちも2年生になり、遠泳実習を行う季節がやって来た。
実習の日が近づくにつれ、みんな溜め息が多くなってくる。
 しかし、そんな俺たちに朗報が舞い込んできた。
毎年遠泳実習を行う海岸に、巨大なサメが出没したとのことだ。
このニュースを聞き、生徒の誰もが“遠泳実習中止”という言葉を脳裏に過ぎった。
予想通り急遽、特別ホームルームが行われることになった。
 教室で先生を待つ俺たち。 
その間、

「 俺たちってツイテル!」

や、

「 サメ様ありがとう!」

などの言葉が教室で飛び交っていた。
 そして、先生がやって来た。
教室のドアを開け、静かにツカツカと歩き、教卓の前にヤツは立った。
みんながヤツの第一声であろう、

「 今年の遠泳実習は中止です!」

という言葉を待ち、ゴクリ、唾を飲んだ。 
 そして、ヤツは口を開いた。

「 え~、今からサメの退治方法を教えます。」

生徒の誰もが一斉に机ごとコケた。
その瞬間、教室は揺れていたに違いない。
 俺はこの先、一生忘れないだろう。
先生様のあの冷静な口調と、ドリフターズ並にみんなが一斉にズッコケた光景、そしてサメの退治方法を。



  サメの退治方法


 俺が授業で習ったのは、サメって獲物に喰らいつくとき、一回沈んで、物凄い勢いで水面に向かって泳ぎ、その勢いで獲物を下から押し上げるようにかぶりつく。
先生様は、サメが下から来るその瞬間に出っ張ってる所をカウンターで殴れと言った。
無茶苦茶なことを言う先生様だった。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------