大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 4月2日 青い袖(4)

2016-04-02 20:04:32 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月2日 青い袖(4)



 それは実はいま、弟をイジメていたグループの七人全員が、事故や病気などで学校を休んでいるという話だった。
五人目が交通事故に遭った時点で、先生はふと気になっていたのだが、六人目が理科の実験中、顔に全治二週間の火傷を負ったと言うのだ。
 その話だけは私も知っていたので、内心いい気味だと思っていた。
弟の鼻を折った子だったからだ。
 だがその子は病院で、

「 ○○の呪いだ!」

と自分の母親に訴えたそうだ。
 まるで弟が悪いみたいに聞こえたので、私は頭にきて、

“ バカじゃない?やっぱりサイテーなヤツ!”

と心で罵った。
 そもそも最初から少し苛ついていたので、私はもう家に帰りたいと言ったが、先生の話は終わりではなかった。
同じ日の昼休みに、七人目の子が転んで怪我をしたというのだ。
 その子は弟をイジメた七人のリーダーで、先生は倒れた瞬間を見たと言った。
何もないところで突然倒れたらしく、はじめ貧血か何かだと思ったそうだ。
その子はすぐに保健室に運ばれたが、転んだ事は覚えてなくて、軽い脳しんとうという診断だった。
 私は少しゾッとしたが、やはり馬鹿馬鹿しいただの偶然だと思って、もう関係ないから、ホントに家に帰らせて欲しいと願い出た。
だが先生は、帰りは自分が車で送るので、もう少し話を聞いて欲しいと言った。
 いま思い起こせば、おそらく先生はその時相当怯えていたのだと思う。
先生は、これはイジメと無関係だが、どうしたらよいのかわからない、できれば誰にも話さないで、内緒にして欲しいと言ってから話し始めた。
 それは4日前、放課後先生と弟がインコ小屋の掃除をした時の事だった。
掃除が始まってすぐ事務に呼び出された先生は、一度事務へ行って戻ってきた時だった。
弟の隣に4~5歳の女の子が立っているのが見えたので、

“ 誰かな・・・?”

と思ったが、その女の子はパッと消えてしまったのだ。
 その時はとても驚いたが、先生は自分の見間違いだと思った。
でもその女の子は見間違いではなく、その後すぐにまた現れた。
小屋の掃除が遅くなったので、先生は弟を車で送ることにして、弟を正面玄関に待たせておいたが、戻ると弟は玄関にいなかった。
 トイレだろうと思って少し待っていると、水を流す音が聞こえた。
すると弟は戻ってきたが、弟の後ろにさっきの女の子がいたのだ。
その子はまたすぐに消えたが、同時にすぐ後ろから小さな声で、

「 許さない。」

という声がして、先生は悲鳴をあげた。











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