日々の恐怖 4月20日 黒い髪の毛
神奈川在住のMさんの話です。
この前、母が独身時代の日記を読み返しているとき、
「 あ~、また思い出しちゃった・・・。」
と言って話してくれた話です。
東京に住んでいた頃、誰でも知っている大手のスーパーでの出来事です。
用を足したくなり、そのスーパーのトイレに入ったそうです。
そのトイレはよくあるドアの下に隙間があるタイプでなく、下にドアや壁がぴったりとついている個室だったそうです。
和式のトイレで壁に向かって用を足していると、ふと何故だか、
“ この隙間のないところから髪の毛が出てきたら怖いなあ・・・。”
と思ったようです。
そして少し上のほうに目をやって再び下に目を向けると、幅20センチほどの真っ黒い髪の毛が隙間のない壁の下から、ズルズルと伸びてきたのです。
恐ろしく長い髪でどんどんどんどん音もなくこっちに向かってきて、母はびっくりして慌てて個室を飛び出したそうです。
その時のことは、今思い出しても鳥肌が立つと言っていました。
どうして、突然、“この隙間のないところから髪の毛が出てきたら怖いなあ”と思ったのかは分かりません。
それで、思ってしまったから実際に出て来てしまったとか、これって察知したんでしょうかね?
それとも、わざわざ最も厭だなァとイメージした形をとったということなんでしょうかね?
どっちにしても怖い話だったです。
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