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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 4月25日 髪を燃やす女

2016-04-25 19:37:23 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月25日 髪を燃やす女



 東京在住のSさんから話を聞く機会がありました。

『 今は京王線、禁煙になってるじゃないですか。
まだ禁煙になってなかった頃の話なんですけれど、府中駅の近くに当時働いていて、残業やらなんやらで終電に乗ることになったんですよ。
 喫煙場所でタバコを吸おうとライターを取り出したら、25歳ぐらいの女の人がスタスタ歩いてきて、俺のことをじっと見つめてくるんです。

“ なんだよ!”

って思ってたら、

「 ライターを貸していただけますか?」

って聞かれました。

“ ああ、なんだ・・・。”

って思ってライターを手渡したら、その女はニッコリ笑って、俺のことを見つめたまんま突然自分の髪の毛を燃やしはじめて、びっくりした俺は、

「 やめなさい!」

って、大声でライターを取り上げようとしました。
 そしたら、その女はライターを線路にぶんなげて、ケラケラ笑いながらライターの後を追って線路の中へ!
 何がなんだかわからず、あっけにとられ、そこで終電のアナウンス。
われに返った俺は、

「 おい!あがってこい!」

って大声で叫んで、線路をのぞきました。
そしたら、その女がホームの下のくぼみ(避難所?)からにょきっと頭だけ出して、仰向けみたいな感じでこっちを見て笑ってる。
すんげーびっくりして、俺はシリモチついた。
 電車が入ってくる。

“ やべぇ、あの女死んじゃうよ!”

って焦ってまわりをみたら、他の人はそしらぬ顔で携帯をいじってる。
 で、はっとした。
ホームの下のくぼみって、人が一人入って仰向けになって頭だけだせるぐらいのスペースは無い。
夢でも見たかと思ったんだけど、俺のポケットからはライターが無くなってたんだよなぁ・・・・。』










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