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日々の恐怖 10月7日 牛丼(1)

2016-10-07 18:27:07 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月7日 牛丼(1)




 1年半くらい前に牛丼チェーンの店で深夜働いていた。
うちの店はかなり暇な店で、とにかく客が来ない。
それで、夜から朝まで1人でまわしていた。
 その日は大雨で、ただでさえ暇な店がより暇になっていた。
深夜1時に配送できた食材を冷蔵庫に移して、その後に厨房の掃除もやって時計を見ると3時だった。
 この間の2時間でお客さん0人だ。
まぁ、雨が降ってなくても、1時間誰も来ないことはよくある。
楽な日に入ってよかったなと思っていると、

“ テュルルルルルーン♪”

入店音が鳴った。(ファミリーマートと一緒)
 2時間ぶりに客がきたかと思って厨房からカウンターに行くと、カウンター席にずぶ濡れで貧乏臭い70歳くらいの婆さんが座っていた。
大雨なのに傘も持ってないし、よく見ると靴も履いてない。

俺:いらっしゃいませー。(婆さんの前に水を置く)
婆:・・・・・・。(何も言わず席を立ち、持帰コーナーへ歩いていく)

気味が悪いと思いつつ、俺も持帰コーナーのレジ前へ移動した。

俺:いらっしゃいませ。ご注文は何にしますか?
婆:あなた、こんな若いのに何で戦争行ってないの?
俺:え??
婆:今は戦争で大変なんだから・・・・。(ずーっと戦争の話をしてくる)

 その後も、俺が何を言っても注文も言わないし、戦争の話を止めないため、ボケてると判断して警察に通報した。
 警察が来る間も、俺が持帰コーナーにいないのに1人で戦争の話を続けている。
10分くらいして、自転車で来た警官Aとパトカーで来た警官BとCが同時に入ってきた。
案の定、警察が話しかけても住所を言わないし何言ってんのかわからないので、 警官Bが、

「 お婆ちゃん、ここは飲食店だから注文しないといちゃいけないんだよ。」

と説明して、少し強引にパトカーに乗せて帰っていった。
同時に警官Aも自転車で帰った。












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