日々の恐怖 10月12日 コピー
随分前だけど友人の結婚式に行ってきた。
結婚式の前に、式と二次会の受付の打合せでその新郎となる彼と会った。
背が高く、少し白人ぽい顔立ちで、少し訛ってるけど丁寧な話し方が好感が持てる人だった。
当日結婚式の受付に立って、驚いた。
新郎の親戚がすぐわかった。
血縁者がみな新郎と驚くほど同じ顔をしてた。
目鼻立ちの特徴がとかでなく、誰かの顔をコピーしてみんな顔に貼ったような感じだった。
新郎の祖父も新郎の父も新郎も、歳がバラバラでも同一人物にしか見えない。
新郎の父方伯母という女性も、その息子も同じ顔。
式の前にスライドで出た新郎の曽祖父とやらも同じ顔。
式の参加者たちも、
「 同じ・・・、同じ・・・。」
とザワザワしていた。
しばらくして、友人が妊娠した知らせが来て、出産した知らせも来た。
お互い忙しくて、メールのやり取りはあってもなかなか会いには行けなかった。
子供が一歳になった誕生日に子供のオモチャを贈ったら、お礼の電話が来て、その後、
“ 息子に会いに来てね。”
というメールに子供の写真が添付されて来た。
まあ新郎と同じ顔で、驚くというか怖くなった。
なんかの政府実験なんです、とか言われる方が納得いくような一族だった。
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