大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 10月23日 怖いもん(3)

2016-10-23 18:43:08 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月23日 怖いもん(3)




 横から覗きこむとミミズが這ったような線で地図らしきものが書いてあった。
それから数日経ったある日、その事を相方に聞いてみた。

俺:「 え!?行ったのお前!?」
相:「 ハイ暇だったんで、バイクで。」

おでんの具を仕込んでいる俺の斜め前で、相方はホット飲料を補充しながら普通にそう答えた。

俺:「 よくやるね。
 で、おばさんいたの?」
相:「 いませんでした。
 それで、帰ろうかと思って振り返ったらババア登場。」
俺:「 怖っ!!」
相:「 さすがにビビリましたよ。」
俺:「 で?どうなったの?」

コンニャクの水切りをしながら、俺は背中で話を聞いていた。

相:「 よう来たね。
 私はあんたが今日ここに来る事を分かっていた、なんちゃら、かんちゃら・・・・。」
俺:「 気味悪りぃな。
 で、トンネルがなんちゃらって・・・?」
相:「 あぁ、それなんすけどね。
 俺も初めて知ったんすけど、ホントにトンネルがあったんすわ。
 多分、昔に使われてたかなんかじゃないですかね?」
俺:「 で、どうしたのそれから?」

浮かんでくるコンニャクをつつきながら、興味津々に俺は聞いた。

相:「 おばはんが言うにはですね、そのトンネルは・・・・。」

 以下、相方がおばさんから説明された事を掻い摘んで説明すると、そのトンネルはその昔 、配送のトラックが主に使っていたトンネルで、ある時人身事故が起こった。
 それで、後はお決まりのパターンで、それ以来幽霊が出るとの噂が立った。
しかし、そのおばさんはそのトンネルを通らない事にはかなり迂回して通学せねばならず、どうしても使う必要があったため、その手のことに詳しい近所の拝み屋のおばあさんに親子で相談した。
 すると、

「 あそこは霊の溜まり場になっているから、

“ 今はあなた達の居場所だが元は皆のもの、私は通学に使うだけだから騒ぐ事は無いし悪さもしない。”

トンネルに一人で行って、入り口でそう頼みなさい。」

と言われたそうだ。
それで、おばさんは言われた通りにした。
 その後、その事を拝み屋さんに伝えると、拝み屋さんはおばさんに向けてこう告げた。

「 霊達は、

“ このトンネルを通る時は一切声を出さない事、通る時は必ず一人で通る事、この二つを条件として、その子がトンネルを使う事を許す。
もし声を出せばお前を呪い殺し、誰かと通れば傍にいるものを呪い殺す。
誰かと通り、声を出せば全てを呪い殺す。”

そう言っている。」










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