日々の恐怖 10月30日 ヘルパー(4)
自分の靴しかなかったのを見て急に物凄く怖くなって、一刻も早く自分の車に戻ろうって、靴を履くアクション起こした。
まさにそのときだった。
「 ウ・・・・。」
って女の人のうめき声とも含み笑いともつかない声が聞こえてきて。
そして、2階から、今度は、
“ ガタンッ!”
って結構な音が聞こえてきた。
ピタッと固まって、もしかしたらおばあちゃんが2階で何かやってて、急変が起きたんじゃないか?と。
相変らず怖かったけど、そんな正義感って言うか、責任感って言うか。
ヘルパーとして入ってたから、職業意識があったんだと思う。
絶対に人だって、生きてるおばあちゃんに何かあったんだってくらいのリアルさだったし。
「 ○○さん!」
って、2階に駆け上がったんだ。
だけど、拍子抜けした。
シ~ンとしてる。
拍子抜けしたと同時に、びびった。
だけど、部屋の中で何かあったかもしれない。
声かけてみたんだ。
「 ○○さん、いるの?」
って。
何にも返ってこないの。
声も、音も。
2階は4部屋あって、廊下の両サイドに2部屋ずつ。
廊下の突き当たりに本棚とかカラーボックスが置けるくらいのスペースがあって、イスやら色々置いてあった。
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