大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 10月21日 怖いもん(1)

2016-10-21 21:29:20 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月21日 怖いもん(1)




 うちのコンビニに週3回毎朝5時過ぎにやってくる初老のおばさんがいる。
週3回全て俺が入ってる日、決まって俺が店内で一人で作業してる時に来る。
 雨の日でもズブ濡れになりながら来る。
毎回水鉄砲、水風船、関連性の無い漫画やレディコミ、お菓子をカゴ一杯に詰めてレジにやってきては、

「 子供がねイーッパイいるんよ、イーッパイ。」
「 ○○言います、私。」
「 機嫌のええ時はいいんやけどね、また、かんしゃく起こすさけね。」

などと、聞いてもいないのに訳の分からない事を一人で喋っている。

“ あぁ、若年層の認知症かなぁ・・・。
自分の子供が小さい時の事で、時間が止まってるんだろう。”

そんな事を考えて適当に接客していた。
 ○○円になります、と言うとピタっと話しを止めて、キチンと代金は支払うし店にとって害は皆無だった。
 なぜかそのおばさんが来店する前後には他の客が来店しない、おばさんが帰ると日が昇り始める。
不思議はあったが所詮偶然だろうと思っていた。
 その事を相方に話すと、

「 今度、その人が来たら呼び出しボタン押して下さいよ。」

と言うので、ある日そのおばさんが来た時にレジに付いている呼び出しボタンを押した。
 バックから相方が出て来て、俺のレジ補助につく形でおばさんのお買い上げ商品を袋詰めをし出した。

お:「 あんた初めて見るねぇ。」

突然おばさんが相方に話し掛けた。

相:「 あ、○○と言います。
 いつも一応店の中にはいるんですょ。」

 相方はかなり明るいヤツなので、いつもの調子で悪く言えば馴れ馴れしい口調で話し出した。

俺:「 ○○円になります。」

 そう俺が言うとおばさんは財布から1万円札を取り出してレジに置き、相方を見てこう言った。

お:「 あんた、怖いもん見た事ないやろぅ。」












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