これは一体何だ!
どこかの王家の結婚式場?
いえいえ、ここはヴェネツィア随一の五つ星ホテル「ダニエリ」のロビー。
元々は14世紀に建てられた大富豪ダンドロ家の宮殿だ。ダンドロ家は何度もヴェネツィア共和国のドージェ(総督)を輩出している名門で、格式の高い家柄。その建物が1822年からホテルとして生まれ変わった。
それだけに内部の装飾は華やかで、中に入るとちょうど正面に吹き抜けのロビーがあり、最奥のきらびやかな階段が目に飛び込んでくる。もちろん赤いじゅうたんが敷かれ、非日常の空間に招き入れられる舞台装置が整っている。
2011年公開の映画「ツーリスト」でもこのホテルが重要な場面に使われ、主演のジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリーが館内でアクションを展開した。
(ただ、私には手の出ない高級ホテルなので、ロビーで一杯1000円のコーヒーを飲んだ経験しかありません)
次にい紹介するのは、旧ドイツ人商館。ルネサンス期ドイツ人商人たちがヴェネツィアとの交易基地として使われた館。
リアルト橋のたもとという好立地にあり、近年まで郵便局として活用されていたが、2016年リニューアルされてショッピングモールに生まれ変わった。
ファッションや食品など高級なものを中心に品ぞろえされていて、階段もこの通り赤い色調で高級感たっぷり。
屋上には展望スペースが設けられており、カナルグランデがはるかに見渡せる。記念写真にもってこいの場所だ。
もう1つ。これはかつての宮殿「チーニ館」内にある螺旋階段。裕福な実業家ヴィットリオ・チーニが買い取って住まいとした建物で、今は彼の収集した宗教美術を中心とした美術館になっている。
8の字を描いたような大理石の螺旋階段が特徴。ヴェネツィアでは意外に螺旋階段を見かけることが少なく、貴重な1枚だ。
ただ、改修など色々な理由で休館が多く、私はヴェネツィアヴィエンナーレの会場となった時に1回入ることが出来ただけ。