新イタリアの誘惑

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階段紀行・日本 東京編⑧ 国際子ども図書館、奏楽堂、そしてサクラテラス。上野公園は階段好きの聖地!

2021-05-08 | 階段紀行・日本

 国際子ども図書館は1899年に帝国図書館という計画で建設が始まった。だが、日露戦争による資金不足などから工事は大幅に縮小され、紆余曲折の末結局2000年からは子ども図書館に生まれ変わった。

 その際、安藤忠雄によってガラスボックスのエントランスが増設されて、モダンな感じになっている。

 その内部にある大階段。

 吹き抜けの高さは20mにもなり、ぜいたくな空間構成になっている。

 手すりは19世紀当時の鋳鉄製がそのまま使われており、歴史を感じさせる。周りをガラス製の衝立が囲んでいる。アレンジと保護の役目を果たしているようだ。

 壁面の白と漆黒の階段とが、快いコントラストを描き出している。

 これも上野公園内にある奏楽堂は、東京芸大の前身・東京音楽学校の音楽ホールを備えた校舎として1890年に建設された。従ってここが我が国の西洋音楽教育の草分けとなって、幾多の偉大な音楽家が育まれて来た。

 その音楽ホールへの導入路として赤い階段が用意されている。濃い上品な朱色で彩られた階段は、シックな装い。

 特にめかし込んだものではないが、素朴な中にも趣がある。コンサートへ向かう序章と、終演後のエピローグを展開する短い時間をここで体験する場としても活用されているのだろう。

 JR上野駅の前に飲食店などが入る雑居ビル「サクラテラス」がある。ここのエスカレーターを昇って行くと、坂上にある上野公園への近道になっている。そのエスカレーター終点にチョコンとした感じで付いているのが、こんなに短い階段。

 しかし、立派な螺旋階段になっており、ビルの屋上部分にあるため駅側を眺めればなかなかの眺望も望める。知る人ぞ知る、駅前の憩いの空間的な存在ともいえそうだ。

 このように上野公園内には明治以来の各種施設建設と共に様々にユニークな階段が形成されてきている。階段好きにとってはパラダイスのような場所といえそうだ。

 

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