新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・ヨーロッパ チェコ編② キュビズムの建物にある”涙の粒”のような螺旋階段、カフカの肖像のある階段

2021-05-15 | 階段紀行・ヨーロッパ 

 絵画ではキュビズムといえばピカソやブラックなどが有名だが、建築におけるキュビズムは第一次世界大戦前のチェコに生まれた特殊な形態だ。

 キュービック=立方体 から発想を得たもので、全体が多面体、カキカキとした形が特徴だ。その中で最も有名なのが、この「黒い聖母の家(ブラックマドンナ)」と呼ばれる建築。

 今キュビズム建築のミュージアムとして使われていて、カフェも併設されている。その2階へ上がる階段がこれ。

 涙の粒のような細長い下膨れの楕円形が、幾重にも重なって見える。 

 見上げると、ゆったりとしたカーブが、雫が垂れるように下ってくる。

螺旋階段の変形ともいえそうな形が印象深かった。

 ホテルオールドタウン。このホテルはかつて保険会社が入っていた。その保険会社に勤務しながら小説を執筆していたのがフランツ・カフカだ。

  「変身」「城」など不条理の世界を描いた特異な作品を生み出した作家の肖像が飾ってあるというので、訪問して許可をもらって撮ったのがこの写真。

 その日は、前回紹介したパジースカ通りの螺旋階段に出会う前日。全く階段には興味を持っていなかったため、階段そのものはただの背景としてしか撮影していなかった。 今となっては、もう少しちゃんと撮っておけばよかったとの思いが残っている。

ここで、もう少しプラハの風景を紹介しよう。

 ブルタヴァ川(モルダウ川)沿いに建つマサリク通りの建築群は、陽光を浴びてまるで金箔を貼ったかのようにキラキラと輝いていた。建築好きにはプラハは欠かせない。

 超モダンなビル。ダンスをしているように見えることから「ダンシングビル」と呼ばれている。日本でも結構特殊な形をした建築が増えてきているが、ここまでの突出した建築は見たことがない。

 

コメント (2)
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