新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

寺社巡り・東京⑦ 湯島聖堂の屋根では、怪獣がにらみを利かせている

2020-09-12 | 寺社巡り・東京

 聖橋を渡って湯島聖堂に到着した。

儒教の始祖・孔子を祀る廟。林羅山が上野に建てた孔子廟を、五代将軍綱吉が現在地に移転、後にここが幕府直轄の昌平坂学問所となった場所だ。

 学問所は明治になって廃止されたが、聖堂はそのまま残ることになった。杏壇門は漆塗りで仕上げられた美しい門だ。

 ここから大成殿に参拝する。元の建物は関東大震災で焼失したが、1935年に伊藤忠太の設計で再建された。

 中央には孔子像。両脇に2人ずつの聖賢が控えている。

 この建物では屋根に注目しよう。日本の城ではしゃちほこに相当する場所にある「鬼口頭」と呼ばれる神魚が、潮を噴き上げている。

 その近くでにらみを利かせているのは「鬼龍子」という想像上の霊獣だ。

 この辺は、妖怪好きで有名な設計者伊藤忠太の好みが存分に発揮されている。こんな企みは、同じく伊藤忠太設計の築地本願寺でも発揮されている。

 大成殿を後にして横道を行くと、巨大な孔子像がある。高さ4.5mと世界最大の孔子像だという。1975年台北ライオンズクラブから寄贈された。(この像は午後に行くと完全に逆光となったしまうため、いつも暗い顔になってしまう)。

 像の先が一般見学者用入口「仰高門」になる。とにかくここは私にとって、怪獣ウオッチングの場所になっている。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寺社巡り・東京⑥ ニコライ堂。都心に異彩を放つジョサイア・コンドルの名建築。

2020-09-08 | 寺社巡り・東京

 寺社巡りを再開しましょう。まずは東京復活大聖堂。正式名称は「日本ハリストス正教会」が前に付く。でも一般的には通称の「ニコライ堂」で通っている。

 日本で唯一の本格的ビザンチン様式の建築で、国の重要文化財に指定されている。日本近代建築の父・ジョサイア・コンドルの代表作だ。

 ニコライ堂という呼び名は、この聖堂を始め国内各地に聖堂を建ててハリストス正教会の教えを広めた功績者ニコライ・カサートキン大主教の名前からきている。

 設計者ジョサイア・コンドルは,今は無き鹿鳴館や旧岩崎邸、旧古河邸など明治期の日本に近代建築を普及させた功労者。1891年完成のこの建物は壁が厚く、小さな窓を持ち中央にドームが据えられた形。このドームはイスタンブールのアヤソフィアがモデルとされる。

 アーケードのある正門から敷地に入る。

 初めは気が付かなかったが、よく見ると十字架の形が変わっている。先端が4か所ではなく8か所ある「ロシアンクロス」。この形は「八端十字」といわれ、ロシア正教会特有のものとか。

 扉口にも、その形がよくわかる八端十字があった。中央にはキリストが描かれている。

 正教会も、元々はキリスト教。入口の壁にはマリア像が。

 祭壇中央には、イコンを備えた衝立イコノスタスが置かれる。

 この周辺は寺社の多い地区だが、その中でも全く違った様式でそびえるこの大聖堂は一際注目度が高く、しばしばスマホなどでその姿を納める人に出会った。

 ここから神田川に出ると、鉄筋のアーチ橋がある。これは聖橋。

 大聖堂を出てこの橋を渡ると、湯島聖堂に行きつく。二つの異文化の「聖」を結ぶため、公募で”聖なる橋”の名称が付けられた。新しく見えるが、この橋の完成は1927年と100年近くの歴史を持っている。

 聖橋を渡って湯島聖堂へ・・・。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブールジュ⑪ 壁面に展開される天使たちの音楽会を見て、青い階段を上ってホテルに戻った

2020-09-05 | フランス・ブールジュ

 最後に、市内何か所かで行われたプロジェクションマッピングの一部を見て回った。「ブールジュ光の宵」というイベントだ。

 ジャック・クール宮殿に向かう。途中の建物群もなかなか重厚感のある街並みだ。

 ジャック・クール宮殿に到着した。八角形の階段部分のとんがり屋根が特徴的だ。

 少し時間が経つと、ライティングが始まった。

 全体に光が当たると、闇に浮かび上がる感じ。

 ちゃんと撮影しなかったけど、地面部分にはカラーの模様が映し出されていた。

 次の場面では、建物の壁面にいくつかの情景が展開する。

 天使たちの集団が浮かび上がった。

  次には楽器を奏でる女性たち。

 演奏者たちが次々に増えていく。

 左側には、それを見物する観衆も続々増えだした。こんな具合に賑やかな場面が何回も繰り返された。

 ショーの後で、ガレットの夕食。

 青く光る階段を上ってホテルに戻った。

 ブールジュは小さな街だけど、さまざまな工夫を凝らして旅人を楽しませてくれた観光地だった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブールジュ⑩  一転ブルーライトに照らされた街は、神秘的な美しさに包まれた。

2020-09-01 | フランス・ブールジュ

 

夜も少し時間が経つと青いライティングがプラスされるというので、改めて通りを戻ってみた。

 少し近づいてみる。その迫力がさらに実感できる。

 画面全体が青に包まれ、中央部分で大聖堂がその存在を主張する。なかなか見られない光景に出会えた。

 次にゴルデーヌ広場へ向かう。

 途中の壁面も青一色に塗りつぶされている。

 一か所だけ黄色にライトアップされた通りがあった。

 そこを過ぎると、見えてきたゴルデーヌ広場。季節は秋なのにまるで冬の夜中を思わせるような、ひんやりした光景に見える。

 木組みの家々はドイツ風の趣を持っている。

 それにしても人がいないなあ。それだけに一層神秘的とさえいえる静かで吸い込まれそうなたたずまいに包み込まれた印象だ。

 そんなわけで、素晴らしい風景を一人独占した思いで夜の散歩を楽しんだ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする