新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

奈良・寺社巡り 室生寺① 初めての室生寺詣で。鎧坂の急階段が待ち構えていた  

2022-04-12 | 奈良旅

 本当に久しぶりに奈良に行ってきました。一度は訪れてみたいと思いながら実現しなかった室生寺詣で。今回やっと果たすことが出来た。

 寺への出発点は、まず近鉄線室生口大野駅。

 下車すると、駅周辺は桜に取り囲まれるようにピンクに染まっていた。

 坂を下りた広場でバスを待つ。時刻表を見ると、寺行きのバスは1時間に1本だけ。もし1電車遅かったら数十分待たなくてはいけないことになっていた。危ない危ない。近くに咲いていたキスイセンを見ながらバスを待った。

 バスで約20分、歩いていくと道の先に太鼓橋が見えた。ここが室生寺の入口だ。

 表門には「女人高野 室生寺」の文字が。

 高野山が女人禁制の寺だったのに対して、同じ真言宗の室生寺は女性を受け入れる寺だった。五代将軍徳川綱吉の母桂昌院による寄進、力添えで、荒廃していた寺の復興がなされたことも含めて、昔から女性にとって頼りの寺となってきた。

 今でも訪れる人は女性の方が多いと言われる。

 右に進み。仁王門で料金を払って入場。両脇に仁王像が控える。意外にも元禄時代に焼失したこの門が再建されたのは1965年だという。仁王様も若い印象。

 門の先を見ると、そこには若い緑に囲まれた自然が広がっている。

 すぐに立ちはだかるものがある。自然石を並べたようなでこぼこ階段。

 編み上げた鎧のように見える事から「鎧坂」と名付けられている。

 段上にある金堂の屋根が少しだけ見える。あそこがこの階段の終点。

 ようやく上り詰めようとしたころ、金堂の屋根の上方に鮮やかに咲き誇る桜の花が、目に飛び込んできた。

 

 

 

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階段紀行・イタリア グッピオ 坂の町には至る所に階段が。でも市民は慣れっこみたい。

2022-04-09 | 階段紀行・イタリア

 グッピオは中部イタリア・ウンブリア州の斜面にある古い町。人口3万人の小さな町だが、美しい景観を持つ地域でもある。

 そのランドスケープ・コンソリ宮殿(執政官宮殿)は14世紀のゴシック様式。正面の階段は、上部が直線だが、下部は半円形の波のような広がりを持つ洒落た姿にまとめられている。

 横から眺めても、なかなかに美しい。

 この宮殿の前は広場になっており、そこから下の市街地を眺める見晴らし台にもなっている。薄茶色の建物が広がる光景もまた、いかにもイタリアらしい雰囲気だ。

 高低差の大きな町だけに、階段、坂道はあちこちに。こんな長い長い階段も当たり前のように見かけられた。

 従って、犬の散歩もまた、階段を避けることは出来ない。2匹も犬を連れたご婦人、坂道も何のその勢いで、階段を上り下りしていた。

 そんな町だけに、高台にある教会へはケーブルカーが設置されていた。といってもかごのようなものに一人一人立ったままで乗る仕掛けで、スリル満点。ちょっと足元がぶるぶる来る感覚を覚えてしまった。

 この街に来たのは「キリストの死の行進」を見るため。町外れの教会から「死せるキリスト」の像が町に出発するところを現場で目撃した。後ろのマリア像に見守られながら出発する光景は荘厳なものだった。

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階段紀行・イタリア アッシジ 聖フランチェスコの聖堂を見下ろす山登りと中世の祭りを堪能

2022-04-04 | 階段紀行・イタリア

 イタリア中部の町アッシジは、極貧の中で神の教えを極めた聖フランチェスコの生まれた町。今でも世界中の僧侶たちの厚い崇拝の地となっている。

 イタリアの多くの町を巡ったが、参拝に訪れる僧侶たちの姿が最も目立ったのは、バチカン以外ではアッシジが圧倒的だった。

 その中枢であるサンフランチェスコ聖堂や周囲の風景を正面から見たいと町の最高地点にあるロッカ・マッジョーレ大城塞に上った。

 上りの階段はs・ルフィー広場から始まり、急になったり緩やかになったりしながら頂上に向かう。

 途中はあまり展望がないところが多かったが、上り切るとさすがの眺めが広がった。

 ローマ時代のミネルバ神殿やサンタキアーラ教会などのある中部から南部にかけての街並みもすっかり見下ろすことが出来た。

 アッシジの中世の祭りである「カレンディ・マッジョ」を見るのが第一目的だったので、その模様を少しだけ。ミネルバ神殿前の広場で、上地区と下地区との対抗戦形式で祭りが盛り上がった。

 いくつかのパレードも行われたが、その中で見つけた天使のような女の子!

 

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イタリアの階段 チヴィタ・デイ・バーニョレッジョ 「死にゆく町」の幸せな階段

2022-04-02 | 階段紀行・イタリア

 イタリア中部の山岳地帯にポツンと忘れ去られたように孤立して1つの村がある。

La citta che muore(死にゆく町)と表現されるチヴィタ・デイ・バーニョレッジョは、周囲が何度もの地震や災害で崩壊し、今や完全な絶海の孤島の様相を呈している。

 住人は10数人。そこへたどり着くにはたった1か所しかない長い坂道をひたすら上るしかない。

 ようやく上り詰めて、1軒しかない民宿にチェックイン。しばし村内を散歩してみた。

 すると、あちこちに階段が見つかった。この家の階段は2階行きの専用階段。

 こちらの階段には鉢が並び、いろんな花が咲き始めていた。もう少しすれば花一杯の「花階段」に変化して行きそうだ。

 対して、この階段はすっかりネコちゃんの休憩所となっている。

 あれあれ、この村には人よりネコの方が沢山住んでいたりして・・・。事前の想像とはちょっと違った「幸せの階段風景」がそこにあった。

 さて、夕方から夜にかけてのこの”孤島”の風景はどんなものかと、対岸まで出かけて眺めてみた。昼には感じなかった孤独感に全身を包まれたような気分になる。周囲の物音も全く聞こえない。

 頂上に見える小さな明かりを、しばし呆然と見つめ続けるだけの時間だった。

 

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