彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。
【季語と短歌:10月26日】
年惜しむ ライフ・ベリー・ショートやで
待ちわびて肌を重ねつ雪降るを アセル踏みつ聴くポール・アンカ
高山 宇 (赤鬼)
北欧フィンランドは国を挙げてスタートアップ育成に注力し、それを可能
にするビジネスエコシステムが完備した国。国内外を問わず優れた頭脳を
集め、それを事業化し、さらに国際的に売り込む政府系組織が存在。その
中で、特に日本との関わりも深く国際的な注目を集める企業を紹介(12月
27日、Wedge より)しているので掲載する。
✨ 量子コンピュータ「IQM」
IQMは量子コンピュータを開発、販売する企業。量子コンピュータとは従
来の電気回路によるデジタルコンピュータが0か1のいずれかの状態だけを
持つ「ビット」により情報を扱うのに対し、「量子ビット(キュービット)
により、量子状態の重ね合わせにより情報を扱う。重ね合わせとは0か1、
両方の値を一定の確率で持ち、観測時にどちらかに確定する、というもの。
これにより従来のコンピュータで解くには複雑すぎる問題を、量子力学の
法則を利用して短時間で解くことができる可能性を持つ。
例えば、最近話題のGoogleによる量子プロセッサWillowを用いた量子コ
ンピュータは、スパコンが10の24乗年かけて解く複雑な問題を5分ほどで
解いた。量子コンピュータの弱点と言われてきたのが環境との相互作用に
よ
が起きる、という点だが、
の正確性を打
またNVIDIAとはNVIDIAのCUDA Quantum(CUDA-Q)を通じて、
のハイブリッド量子アプリケーションの発展を目指す提携も交
現在グーグル、IBM、インテル、マイクロソフトなどの米国企業に加え、
NEC、富士通、NTTなどの日本企業も積極的にこの分野に参戦している。
その市場規模は毎年22%以上上昇し、2026年にはグローバルで15億ドル
に到達する、と予測されている。
このブログでも掲載している「オールバイオマスシステム」に関わたのは
1980年代に参加した地域生協設立運動で「廃食油回収」し石鹸を鹼化して
時期があった、最近は飛行機燃料として「回数ー製造ー販売」事業が実動
されているが、研究段階では、酵素を加え酒づくりや食品容器などの事業
展開している。下記のSolar Foods社のように立ちあがりつつある・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✨ 空気と水素に電気で食べ物をつくる「Solar Foods」
CO2を原料としたプロテインを開発し、地球温暖化と食料危機という2つ
の問題を同時に解決する、という夢のような開発を行っているのがソーラ
ー・フーズ社だ。フィンランドはSDGsの観点からオーツ麦を原料とする植
物由来の肉が普及しているが、ソーラー・フーズの試みは植物すら必要と
しない。空気と水素に電気、そして発酵技術によるバイオプロセスのみで
プロテインを生み出す。プロテインはソレインと名付けられ、見た目は黄
色っぽい粉末だ。これをアレンジすることで、様々な食品を作り出すこと
ができる。同社ではこのプロセスを「セルラー・アグリカルチャー」と呼
び、完全なオートメーション技術により食品業界に新たな旋風を巻き起こ
す可能性を秘めているという(ここまでは、思いつ範囲内)が、全く新し
い食品製造過程であるため、販売には各国の認可を得る必要がある。世界
で最初にソレインを食品として認可した国のひとつがシンガポールで、こ
こでは味の素社と提携した食品販売が実際に行われている。ソーラー・フ
ーズ社と味の素は2023年に戦略的製品開発パートナーシップを結び、24年
に実際の食品販売が始まった。味の素はこの結果を見てソレインが認可さ
れた国での食品開発、販売に乗り出す予定。下写真は、味の素がシンガポ
ールでATLR.72TMブランドで販売する、ソレインを一部材料に使用した月
餅とアイスクリームサンド。提供:Solar Foods
日本ではまだ未認可ではあるが、日本企業が積極的に関わっていることで
近い将来日本でもソレインを原料とした様々な食品を目にする機会が訪れ
るかもしれない。
【関係特許】
・US20240122222A1 : 2024-04-18 微生物細胞から栄養補助食品を生
産する方法とシステムアプリケーション
【概要】: 微生物細胞から栄養補助食品を製造する方法。この方法は、バ
イオマスを得るために微生物細胞を培養することを含み、バイオマスを55
°Cから80°Cまでの温度で熱処理してインキュベーションし、10分から60分
までのインキュベーション時間でインキュベートし、固相から液相を分離
して除去することによりバイオマスを濃縮し、栄養補助食品の総重量の2%
から40%までの乾物含有量を得る。また、前述の方法を用いて微生物細胞
から栄養補助食品を製造するシステムも開示されている。このシステムに
はバイオリアクターが含まれている。前記方法のそれぞれのステップを実
施するための熱交換器およびセパレータと。 微生物の同定が参照されてお
り、寄託者SoF1によって与えられた同定参照は、2019年6月11日に受領さ
れた国際寄託機関(VTT E-193585)によって付与されたアクセッション番号
を持つ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ところで、昨夜掲載した「木材保護塗料『キシラデコール』を通じて日本
の森林を守る」のDaigasグループの中核企業である大阪ガスケミのカルの
ように、天然木質の改良処理に「食品衛生」を担保した表面処理し、陶磁
器様態の食器にし金属食器により⓵傷つかない、②騒音を抑え、⓷光沢な
どの意匠性を備えた半永久使用できる高付加価値商品に出来れば世界市場
を席捲できるのでは考え、品質管理は、QRコードのカラーインクジェット
あるいはレーザープリントし販売し「ゼロカーボン」を実現する。このア
イデアは故池田修治君に話を持ち掛けている。
【関連特許】JP 4852170 B1 木部塗装改修工法
【要約】下図1のごとく、木部塗装改修工法は、噴き出しノズル口がスリッ
ト状に開口するとともに基端から噴き出しノズル口に向けて拡大した平面
略台形状の平ノズルを備えたエアーブラスト装置を用いて、噴き出しノズ
ルからの噴き出しエアー圧を0.29〜0.39MPa及びエアー消費量
を4.8〜6.2m3/分に設定して、ブラストメディアとして平均粒径
が0.2〜0.3mm及びモース硬度が2.5〜3.5に調製された重曹
又はクルミ殻等の自然由来物を直線状にエアー噴射し、この直線状のエア
ー噴射を略垂直方向に相対移動させて木部塗装の旧塗膜を除去する旧塗膜
除去工程を行い、旧塗膜を除去した木部表面に植物油脂を塗膜形成成分と
した木材用塗料を塗装する塗装工程を行う。旧塗膜除去作業と塗装作業と
を組み合わせ、環境にも影響を及ぼすことなく耐久性に優れた塗装に改修
することができる木部塗装改修工法を提供する、
図1 エアーブラスト装置の構成を示す模式図
【符号の説明】
1 コンプレッサー 2 タンク 3 平ノズル 5 水ノズル 6 水
道蛇口 31 噴き出しノズル
✳️ ターコイズ水素製造装置概論⓵
ターコイズ水素(Turquoise hydrogen)とは、天然ガスの主成分であるメ
タンを用いて、熱分解して生成された水素のことです。製造工程でCO₂を
排出しません。また、グリーン水素やブルー水素と比べても、水素生産コ
ストが非常に安価な点が特長。しかし、天然ガスそのものが持続可能な資
源ではなく、副生物として生成される固定炭素が、廃棄物や燃料として活
用される可能性があります。そのため、メタンの熱分解による水素製造は、
ブルー水素とグリーン水素の中間の意味で「ターコイズ水素」と呼ばれて
いる。アメリカ・カリフォルニア州のスタートアップC-Zero社が商用化を
進めている。
出所:三菱重工
「Green(グリーン)」。この言葉は、もはや色を表すだけのものではなくな
りました。グリーンエネルギー、グリーン家電、グリーン投資...。「グリー
ン」という言葉は別の名詞と組み合わさることで、「地球環境に良い」こ
とを意味するようになった。「グリーン水素」も、そうして生まれた言葉
の一つ。温室効果ガスを排出することなく生成された、環境負荷の低い水
素を指しています。エナジートランジションを推進するためには欠かせな
いこのグリーン水素ですが、現状ではその生産量は限られている。
では、2030年までに世界で求められる需要に100%応えるためにはどうす
ればよいのか。グリーン水素が不足するなら、他の水素を生産すればいい。
世界では、今、ブルーやイエロー、ピンクやターコイズなど、様々な色を
した水素の製造が始まっている。
彩り豊かな水素とその製造方法
様々な色といっても、水素自体は無色透明で、気体がカラフルに彩られて
いるわけではばい。水素の製造方法を区別するために"色分け"されたもの。
ここからは、グリーン水素をはじめとした彩り豊かな水素の一つひとつを
少し詳しく見ていく。
ブラック水素/ブラウン水素
ブラック水素は石炭を、ブラウン水素は褐炭 (亜炭) を使用した伝統的な製
造方法で生成される水素です。これらの製造過程では、大量の二酸化炭素
と一酸化炭素が大気中に放出されてしまうため、利用は制限されることが
望ましいとされています。しかし、国際エネルギー機関 (IEA) によれば、
2020年の調査でも、いまだに全世界の水素生産量のうち約20%という膨大
な量をこれら石炭由来の水素が占めている。
グレー水
天然ガスを原料とする水素です。IEAによれば、現在最も一般的な製造方
法で作られる水素であり、その生産量は全世界の約60%にのぼる。このグ
レー水素の製造過程では、ブラック水素やブラウン水素に比べ、二酸化
炭素の排出量を大幅に抑えることができる。
ブルー水素
製造方法はグレー水素と全く同じです。ただし、ブルー水素は、生成時に
発生した二酸化炭素を大気中に排出することなく、回収します。回収され
た二酸化炭素は、安全な場所に貯蔵されるか、あるいは、産業目的で原料
として使用されるため、大気中に二酸化炭素を排出することはない。その
ため、グレー水素よりもさらに環境に配慮した水素といえる。さらにブル
ー水素は大量生産が可能というメリットもあり、世界の脱炭素化を支える
存在として今後の活躍が期待されている。
グリーン水素
製造には、水を電気分解することで水素を取り出す方法を用います。その
中でも特に、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使って電気分解し
たものを区別して、グリーン水素と呼んでいます。製造過程で炭素が一切
生成されないため、最も理想的な水素といえるでしょう。ただ残念ながら
大量生産が難しく、高価で取引されているのが現状です。そのような状況
を打開すべく、世界で約350ものプロジェクトが進行している。
環境負荷の低い水素に移行するためには、大量生産を実現するための技術
的あるいは経済的な支援が欠かせない。
イエロー水素
グリーン水素のうち、太陽光発電によって得られた電気を利用して生成し
たものをイエロー水素と呼びます。なお、イエロー水素は、再生可能エネ
ルギーと化石燃料の両者を用いた電気分解で生成された水素を指すことも
ある。
ピンク水素
グリーン水素のうち、特に原子力発電によって得られた電気を利用して生
成したものをピンク水素と呼ぶ。ピンク水素が商業的に取引されるように
なったのは、ごく最近の2022年1月。スウェーデンの原子力発電所が、工
業ガス大手のリンデに世界で初めて供給しました。なお、ピンク水素は、
パープル水素やレッド水素と呼ばれることもあります。
ターコイズ水素
炭素化合物を一切排出しないグリーン水素と、製造過程で発生した二酸化
炭素を産業利用するブルー水素。ターコイズ水素は、その両方の特性を併
せ持っていることから、その名が付けられた。具体的にはメタン熱分解と
呼ばれる方法を用いており、天然ガスのメタンを水素と固体炭素(カーボ
ンブラック)に分解して生成されたものを指す。副産物であるカーボンブ
ラックは、これまでも自動車のタイヤやコーティング剤、バッテリーなど、
産業用途で幅広く重宝されてきた原料であり、メタン熱分解という方法自
体は目新しいものではない。実際、商業規模のプラントも、すでに世の中
に存在しています。この製造方法であれば、生成過程で生じたカーボンブ
ラックを産業利用でき、二酸化炭素は一切排出せずに水素を生成すること
ができる。
ホワイト水素
人工的に製造されたものではなく、地下の堆積物中で自然に生成された水
素。以前からその存在は知られていたが、近年、これまで推定されていた
以上の水素が地中に眠っていることが確認された。井戸を掘るように地中
を採掘することで比較的容易に入手することができ、西アフリカのマリ共
和国では2012年から、すでに地中に眠るこの水素を活用している。他にも、
ブラジルやオーストラリアなど、世界各国が地中水素の活用に乗り出して
いる。さらに、大学や企業の研究-政策機関のネットワークであるScience
Businessによれば、コストパフォーマンスも非常に高いといわれている。
ホワイト水素の製造コストは、水素のなかでも安価で取引されているグレ
ー水素を下回る、1 kgあたり1ドル以下になるものと考えられている。
地中に大量に貯蔵されており、かつ、より廉価で生産できるホワイト水素。
ただし、世の中での利用を広めるためには、採掘にあたって環境に及ぼす
影響について、もう少し詳しく調査する必要がある
ゴールド水素
枯渇した油井内の微生物を発酵させることによって生成される、天然に存
在する水素です。ゴールド水素が活用されれば、安価な水素供給の手段が
増えるだけではなく、本来であれば座礁資産として放置される可能性のあ
る油田の寿命を大きく延ばすことができるのです。ただ、ゴールド水素の
製造および抽出プロセスは二酸化炭素回収法に依存することになる。
彩り豊かな水素が描く未来
脱炭素化を進めたくても、産業規模や経済的な理由から化石燃料を簡単に
は手放せない国や工業分野も多い。そうした人々にとって水素や水素由来
の燃料は、希望の光となってくれるでしょう」。IEAはこのように述べてい
ます。残念ながら現時点では、水素の供給量の大部分は化石燃料由来が占
めている。しかし、大事なのは今後の10年間。2030年までの間に、より炭
素排出量が少ない色の水素にどれだけ移行できるか。ネットゼロの達成と
いう高い目標を全世界で実現するためには、政府や生産者、テクノロジー
企業、そして消費者の協力が欠かせない。彼らが手を取り合うことで好循
環を生むことができるはず。
この項つづく
今日の楽曲 『The Beatles - We Can Work It Out』
『Paul Anka - You Are My Destiny』
● 今日の言葉:信頼喪失⑥
春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
春だというのに自然は沈黙している。
レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
(因果報応の季節風)より
訃報:自動車メーカー、スズキの社長や会長として40年以上にわたって経
営を担い、世界的なメーカーに成長させた鈴木修氏が25日、亡くなつた。
享年94。初めてお会いしたのが二十余年前だと記憶している。静岡大学で
酸化チタンベースの薄膜太陽電池技術開発報告集会であったと記憶してい
る。参加者富貴ワインをご馳走いただいた。それから四半世紀。奇しくも
ペロブスカイト太陽電池増産のキックオフがなされたばかり。有難う御座
いました。ご冥福を謹んでお祈りいたします。
合掌