極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

梅ポックスウイルス禍

2014年04月08日 | 環境工学システム論

 




【瀕死の苗木産業、南高梅?】

全国有数の梅の名所・吉野梅郷(東京都青梅市)の代表的梅園である「青梅市梅の公園」の梅が、
今月で見納めとなる。梅郷の恒例イベント「梅まつり」も今回でひとまず終幕。梅の木を弱らせ
る「プラムポックスウイルス」(PPV)の感染拡大防止のため、市はシーズン終了後に園内の
千二百六十本余りをすべて伐採するため、梅の公園の梅樹の伐採作業のため、4月4日から5月
30日の期間は公園を臨時閉園となるという。梅の公園は1972年に吉野梅郷内に開園し、92
年に整備を完了した市内最大の梅園。約四ヘクタールの傾斜地に、最も多い時で、120種17
39本の梅が咲き誇っていた。2009年に梅の木では世界初とされるPPV感染が市内の梅園
で見
つかり、公園内でも10年に感染木を確認。市は公園で新たな感染が分かるたびに伐採を重ね、
現在は80種1266本まで減った。昨年6月の調査では39本の感染が判明し、国が定めた感
染拡
大防止の方針に従うと、感染木の周囲を含め約5百本を伐採しなければならなくなったもの。
染木を触るなどしても人体には影響ないが、大量伐採で景観が大きく変わるため、市や周辺の
梅園所有
者、観光関係者らが対応を協議。公園内は全て伐採して「一からの再生を目指す」こと
を決めた。植物防
疫法の規定で国が3年間、感染がないことを確認しなければ、新たな梅の木は
植樹できない。約40年前から続く梅まつりも今回を最後に、当面は開催できない。


 

プラム(梅)・ポックス・ウイルスPlum pox virus、PPVとは、サクラ属に感染する植物ウイ
ルスで
ある。ウメ輪紋ウイルスという別名もある。果樹が感染すると、葉や花弁や外果皮に斑紋
が現れるとともに早期落果により収穫量が減る。感染した果実を食用としても人体に害はないが、
商品価値はほぼゼロとなるため、果樹農家にとっては減収になるうえ、木を伐採せざるをえず、
経営上の大きな脅威となる。プラムポックスウイルスはサクラ属の種の重篤な疾患で知られてい
るこの病気は、最初1915年にブルガリアのプラムで発生が報告され、1935年には旧ユーゴスラビ
ア、ハンガリーの東欧を経由し、ゆっくりと北へその疾患伝染を広げ、1956年にドイツ、1970年
にポーランド、ロシア1961年にはフランス、そして、1965年に英国へ伝染し一旦は根絶されたも
の、1970年に再び英国で疾患発生以降、英国全体へと伝染する。1984年にはスペインでも見つか
る。その後、ヨーロッパ全土プラムポックスは核果(かくかと呼ばれる果実は、外側の果皮(外
果皮)および果肉(中果皮)が内果皮の硬化した硬い核(殻)を取り巻き、核の中に種子がある
ものをいう。核は種子を構成する要素でなく果実の一部である。種子は核に保護されるため、表
面を覆う種皮は通常薄く脆弱である。石果(せきか)ともいう。)の最も破壊的な疾患であり、
欧州の木々が感染していると推定されている。さらに、
1992年ごろには、プラムポックス症状が、
まずチリの西半球で検出され、1999年10月に、PPV(D-菌株が米国は、ペンシルバニア州で成長し
ている桃、北米でも確認。そして、2000年には、同じく、カナダはオンタリオ州のナイアガラ地
域に生育する桃でも検出。2007年の夏には、ミシガン州とオンタリオ湖に近い西部のニューヨー
クでも検出されてい
る。

  
  Myzus persicae  / モモアカアブラムシ

感染経路は、アブラムシが媒介するほか、感染した苗木などから広がる。果実からは感染しない。
また、日本では、感染が最初に見つかった青梅市周辺で被害が大きい。他地域のウイルスにも、
DNAの一致がみられ、全て青梅市が感染源と考えられている。発生国は、ヨーロッパ(ブルガリ
ア、オランダ、ベルギー、フランス、イタリア、英国)、アジア(中華人民共和国、イラン、イ
ンド、トルコ、日本)、アフリカ(エジプト)、北アメリカ(米国、カナダ)、南アメリカ(ア
ルゼンチン、チリ)である。
ところで、治療法や予防薬は、現在見つかっておらず、感染拡大防
止策
しかない。アブラムシの駆除、感染樹や周辺の樹木の伐採、感染地域の苗木の移植規制など
が行われている。伐採後は潜伏期間を考慮し、一定期間再植樹しない。徹底した封じ込めにより、
既に根絶宣言した国もあるという。潜伏が長期間であるため、「媒介生物」「苗木移動」の徹底
した管理・制御への強化と、検出および免疫法などの技術開発促進の両面作戦がキーとなる

※ プラムポックスウイルスの緊急防除に関する省令
※ Plum Pox Virus of Stone Fruits
※ ウメ輪紋ウイルス( plum pox virus )の検定法
※ Plum pox
※ 果樹に被害のウイルスが上陸 都内のウメから、東大確認、2009.04.08
※ ウメ輪紋ウイルス病
※  ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)緊急防除対策について、東京都農業振興事務所
※  ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス) の見分け方と対策
※ Plum Pox Virus In Ornamentals
※ 植物防疫所 ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス)の緊急防除について



そこで一言。南高梅の原産地の和歌山県の梅の生産3割、封じ込めの厳戒態勢でことしの南高梅
は格別にピリピリする、と。

 

 

【格安・利便性優先スマホの登場】

イオンが4日、全国の総合スーパー約170店で格安のスマートフォン(スマホ)を発売。端末と
通信サービスのセットで月2980円(税抜き)と、大手携帯電話会社の半額以下。1日から4千台

分の予約の受け付けを始め、3日までに3割の店舗で予約分が完売。イオンのスマホの端末は米
グーグルと韓国LG電子が開発した「ネクサス4」。既存の携帯電話会社から回線を借りる仮想
移動体通信事業者(MVNO)である日本通信の通信サービスを組み合わせる。ネット接続の通
信速度は最大毎秒200キロビットと低速で、動画の閲覧には向かず、主な用途としてメールやイン
ターネットサイトの閲覧、SNS(交流サイト)を想定。自宅などで無線LAN(構内情報通信
網)
「Wi―Fi(ワイファイ)」を利用すれば、高速通信で動画も閲覧でき、シニアや学生、
主婦らの需要を見込む。イオンリテールのデジタル事業開発部の橋本昌一部長は「今月中に完売

できるのでは」と話し、月内にも第1弾の全8千台が売り切れる見通しを示した。また大手携帯
電話会社のスマホは2年単位契約の割引プランが主流で、各社とも途中で契約を打ち切る場合に
1万円近い解約金が必要。イオンのスマホでは解約金がかからず端末の未払い分の返済だけで済
み、25カ月目からは通信費のみの月1560円で利用できる。スマホの通信料金は高止まりが指摘さ
ている。イオンは大手携帯電話のスマホも販売しており、「格安航空会社(LCC)の携帯電
話版で、消費
者のニーズに応じた選択肢を増やすのが目的」(同社)と説明する。格安スマホへ
の支持が拡大すれば
、従来の大手携帯電話会社の料金体系の一石を投じることになると報じてい
る。

 
そこで一言。スマフォで息を吹き返すかネオ・リベラリズムと高齢者パワー、と。



【液化水素発電システム実証がはじまる】

山口県と山口県産業技術センターは5月から、液化水素発電システムの実証実験を同センター
で始める。マツダの車載用ロータリーエンジン(RE)を使用してコージェネレーション(熱電
併給)システム
を構築、事業所や公共施設向けに電気と温熱を供給するモデルを構築する。20
18年度に事業化す
る。REを発電目的に利用するのは初めてという。

山口県産業技術センター内に冷熱回収用の気化器と水素ガス用のバッファータンク、マツダから
無償提供されたスポーツカー「RX―8」用のREをそれぞれ設置。液化水素を使ってREを駆
動し、発電した電気を供給する仕組み。まずは電気の安定供給確立を目指しており、冷熱と廃熱
利用は次のステージの課題とする。
14年度から2年間実証実験を行い、その後2年をかけて地
場企業と量産準備を進める。最終的には発電システムをパッケージ化して18年度にも量産する
計画。価格は未定。
防府市に生産工場があるマツダは水素RE車両として06年に「RX―8」
、09年に「プレマシー」をそれぞれ山口県にリース販売するなど、両者はREの利活用で協力
している。昨年6月、周南市に岩谷産業とトクヤマが合弁でつくった山口リキッドハイドロジェ
ンから液化窒素を調達し、これを気化させ発生した水素ガスを燃料にマツダが提供したロータリ
ーエンジン(RE)を回して発電する。それ以外の課題には(1)工程で発生するマイナス253℃の
冷熱や、REを回転させた際に発生する排熱の冷暖房システムなどへの利用法の検証(2)水素に
よる金属脆弱化対策(3)排気ガス中の窒素酸化物の除外などがある。

 

ところで、水素はガソリンに比べて点火エネルギーが小さく、非常に燃えやすい特性をもってお
り、水素を
燃料に用いた場合は吸気行程でスパークプラグ等の熱源で着火してしまう異常燃焼が
おこりやすく、いか
に良好な燃焼をさせるかが課題となる。ロータリーエンジンは、吸気室と燃
焼室が分離した構造であり、また吸気室には熱源もないため、異常燃焼がおこるリスクが低く、
水素燃焼に適し、水素ロータリーエンジンは直噴技術を採用し、良好な燃焼を実現させる魅力が
ある。水素ロータリーエンジンはマツダの固有技術であるロータリーエンジンの特性を活かし、
内燃機関開発の実績があり、水素使用時の、従来のガソリン使用時と同様の使いやすさと信頼性
を確保している。水素使用に伴う変更も少なく、低コストでの量産化が可能で、さらに、マツダ
の水素ロータリーエンジンは一つのエンジンで水素もガソリンも燃料として使用可能なデュアル
フューエルシステムが採用できる、これは凄い。

 

 

そこで一言。マツダのロータリーはなにも自動車だけじゃない、定置型ロータリーとしても使え
るのだ、と。
 でもね、窒素酸化物は除外しないと?!

 

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