<1月の鑑賞予定映画>
~日本の未来を変えた、歴史的大事件~
井伊直弼の育った出身の私にとっては、見逃せない1本でしょう。
2010年 日本映画 (10.10.16公開)
配給:東映 上映時間:137分
監督:佐藤純彌
原作:吉村昭 『桜田門外ノ変』(新潮文庫刊)
脚本:江良至、佐藤純彌
主題歌:alan 『悲しみは雪に眠る』
出演:大沢たかお・・・・・・・・関鉄之介
長谷川京子・・・・・・・・関ふさ
柄本明・・・・・・・・・・・・金子孫次郎
生瀬勝久・・・・・・・・・・高橋多一郎
加藤清史郎・・・・・・・・関誠一郎
渡辺裕之・・・・・・・・・・岡部三十郎
北大路欣也・・・・・・・・徳川斉昭
伊武雅刀・・・・・・・・・・井伊直弼
<見どころ>
茨城県の地域振興と郷土愛の醸成を目的に、市民が主体となって企画し、
映画化が実現した時代劇。吉村昭の同名小説を基に、歴史の大きな転換点となった
大老・井伊直弼襲撃事件へと至る経過とその後の顛末を、襲撃者側である水戸藩士たちの
視点から丁寧に描き出していく。主演は「TV「JIN -仁-」の大沢たかお。
監督は「敦煌」「男たちの大和/YAMATO」の佐藤純彌。 (映画データベースより)
<あらすじ>
水戸藩士の下級武士の家に長男として生まれ、30歳のときに迎えた
12歳年下の妻・ふさ(長谷川京子)や長男の誠一郎(加藤清史郎)と共に穏やかな暮らしを
送っていた関鉄之介(大沢たかお)。しかし、藩主父子が井伊大老(伊武雅刀)の専断により
処罰されたという急報が、彼の日常に影響を及ぼし始める・・・・。(シネマトゥディより)
<感想>
学校の日本史でも勉強した「桜田門外ノ変」。大河ドラマ「龍馬伝」でもわかるように
このクーデターをきっかけに、歴史が一気に動いたのは言うまでもありません。
だけど、このあたりの日本史って、大事なのに意外にあっさり進みませんでしたか?
この作品は水戸藩士の視点から描いた作品。
私は、暗殺された井伊直弼の生まれ育った彦根出身。
しかも、小・中学生の頃は、歴史ボランティアサークルに所属し、この辺の勉強は
かなり叩き込まれているので、公開前から待ち望んでいた作品でした。
ちなみに、今年は、桜田門外ノ変からちょうど150年目にあたります。
本作は、水戸側からみたこの事件を淡々と描いています。
淡々と史実に基づいて描いている、しかもナレーション&テロップつきだから
なんだか、映画と言うよりドキュメントを見ている感じがしました。
クーデターを起こしたのは、水戸浪士、通称“桜田烈士”。
井伊直弼が暗殺されたことは、皆が知っていても、“桜田烈士”のことを
知っているのは、歴史をよ~くお勉強している人以外は、あまり知られていないような
気がします。そういう意味で、この事件を真正面に捉えて描いていることは評価できます。
でも、いかんせん歴史的にマイナーな人物たちのその後を長々と描かれていたのは
正直、ちときつかったかな? (ほとんど逃亡劇った感じだったので)
そもそも、映画の冒頭付近で、桜田門外襲撃シーンを見せたのがまずかったかもしれない。
クーデターの首謀者が、歴史に名高い人物だったら、その後の逃亡などの様子を
描いてもそれなりにおさまるかもしれないが、歴史にちんぷんかんぷんの人には
「へぇ~」でしかないかも?
おまけに、冒頭に桜田門事件⇒7年前⇒6年前⇒2年前とさかのぼられても、
歴史に無関心な人には、頭がごっちゃごちゃになると思うんだけど。
個人的には、ちゃんと時系列で、こういう経緯で、クーデターに及んだ。。という
撮り方のほうが、もう少し関鉄之介をはじめ、水戸浪士たちの気持ちにも
共感がもてたというもの。
で、肝心の事件シーン。「十三人の刺客」を見た後だと、どうも見劣りしちゃう。
ていうか、彦根藩邸(↑赤門があるところ)から桜田門の道沿いに
あからさまに、立って待っているっていうのおかしくありません?
あんなの「討つぞ」ってわかるし、わかってて通るのも滑稽な話だと思うのですが・・。
そんな中、井伊直弼演じた伊武雅刀と徳川斉昭を演じた北大路欣也の演技は
光っていました。特に、↓の意見衝突のシーンは、見ごたえがありました。
余談ですが、襲撃の内容は、ほぼ映画のとおりです。映画の中では詳しく描いていませんが
襲撃時、雪が降っていて刀が濡れないように彦根藩士の刀には袋がかぶさっていて
それが災いし、刀を抜くのに手間取ったのが命取りとなりました。
で、咄嗟に手で刀を止めようとしたりする者もいて、映画では描いてないけど
指や耳がちょん切れたのが、無数にあったそうです。
ちなみに、↑の門が、なぜ赤いのかは、井伊家のトレードカラーが「赤」だから。
別名「井伊の赤鬼」とも呼ばれていましたからね。
井伊直弼のこと、もう少し話すとすれば、もともと14男として生まれてきた(しかも庶子)ので
ふつーに過ごしていたら、歴史に名を残すことなんてなかったんです。
だから32歳まで、「埋木舎」でひっそりと世捨て人のように暮らしていました。
そこで勉学や茶道に没頭し、ことに茶道には精通し、本まで出版するほど。
「一期一会」の理念を広めたのも直弼であります。
本来なら歴史の表舞台に出ない人物だったのが、兄たちが次々に病死や他藩に
養子に出されたため、棚から牡丹餅じゃないけど、家督が転がってきたわけです。
彦根藩主になった当時、彦根藩は財政難だったので、藩改革を行い成功。
この手腕が買われて老中へと相成ったわけです。
政治的手腕は、ここから見る限りかなり高かったように思いますね。
なお、井伊家の菩提寺は世田谷にある豪徳寺。ここに直弼の遺骨が入ったお墓があります。
あと、地元彦根の菩提寺・清涼寺にもお墓がありますが、この中には襲撃に遭った際、
直弼の血が染み込んだ土が入っているそうです。
映画をみると、直弼は暗殺されてよかったのかどうかはわかりません。
「我らは井伊直弼の首一つを奪うために、どれだけ多くの命を道連れにしたのでしょうか」
関鉄之介が言う、この言葉がむなしく聞こえてきます。
ですが、このセリフが本作のすべてを語っているように思えるんですよね。
少なくとも、この事件をきっかけに歴史が大きく動いたのは事実。
わずか7年後には、幕府が倒れ、江戸城の無血開城となるわけです。
史実を伝えるという意味ではよく出来ていますが、映画としてのエンターテイメント性では
かな~り低い。これなら、わざわざ映画にしなくてもTVで充分かもと思わざるをえません。
個人的には、舟橋聖一の「花の生涯」のほうがいいように思います。
もう一つ余談話。
今では彦根市と水戸市は友好都市として交流を深めています。
あと、井伊家は幕府の特別な計らいで、こんな大事件になってもなんとかお家断絶は
免れました。というわけで、今でも井伊家の子孫は残っています。
そういや、直系子孫のY子さんとは、中学・高校と同級生でした。
卒業してから会っていないけど、彼女が観たらどんな感想抱くのかな?
なんて、ふと思っちゃいました。
点数:6点 (10点満点)
~命を、燃やせ~
オリジナル世代の人がたくさん観に来ていました。
だから、ものすごい?加齢臭に悶絶しながらの鑑賞だったけど。
2010年 日本 PG12指定 (10.9.25公開)
配給:東宝 上映時間:141分
監督:三池崇史
原作:池上金男(池宮彰一郎)
音楽:遠藤浩二
オフィシャル・コンセプトソング:EAGLES/DESPERADO
(ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:役所弘司・・・・・・・・・・・・・島田新左衛門 (刺客達を率いるリーダー)
山田孝之・・・・・・・・・・・・・島田新太郎 (新左衛門の甥。侍を捨て切れない男)
伊勢谷友介・・・・・・・・・・・木賀小弥太 (侍嫌いの野人)
沢村一樹・・・・・・・・・・・・・三橋軍次郎 (組織の軍師)
古田新太・・・・・・・・・・・・・佐原平蔵 (槍の名手)
六角精児・・・・・・・・・・・・・大竹茂助 (驚異的な怪力の持ち主)
石垣佑磨・・・・・・・・・・・・・樋口源内 (爆薬の使い手)
高岡蒼甫・・・・・・・・・・・・・日置八十吉 (弓の名手)
浪岡一喜・・・・・・・・・・・・・石塚利平 (斬り込み隊長)
近藤公園・・・・・・・・・・・・・堀井弥八 (組織の金庫番)
窪田正孝・・・・・・・・・・・・・小倉正二郎 (初めて戦に臨む若い侍)
伊原剛志・・・・・・・・・・・・・平山九十郎 (剣豪浪人)
松方弘樹・・・・・・・・・・・・・倉永左平太 (組織の参謀)
稲垣吾郎・・・・・・・・・・・・・松平左兵衛督斉韶 (明石藩主)
市村正親・・・・・・・・・・・・・鬼頭半兵衛 (明石藩御用人千石)
<見どころ>
時代劇映画の名作との呼び声も高い1963年公開の工藤栄一監督の
『十三人の刺客』を、約半世紀の時を経て現代風に再構築した
時代劇エンターテインメント巨編。日本を代表するヒットメーカーの三池崇史監督が
メガホンを取り、江戸幕府史上最悪の暴君を暗殺するため、13人の刺客たちが
命を懸けた一世一代の戦いを挑む。主演の役所広司を筆頭に、稲垣吾郎、
松方弘樹、市村正親、松本幸四郎ら豪華キャストの共演も見逃せない。
<あらすじ>
幕府の権力をわが物にする為、罪なき民衆に不条理な殺りくを繰り返す
暴君・松平斉韶(稲垣吾郎)を暗殺するため、島田新左衛門(役所広司)の下に
13人の刺客が集結する。
斉韶のもとには新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛(市村正親)ら総勢300人
超の武士が鉄壁の布陣を敷いていたが、新左衛門には秘策があった。
<感想>
1963年に公開された同名作品のリメイク版。
オリジナル公開の時、生まれてなかったので、オリジナルとの比較は
出来ませんが、一言で言って、「これぞ、THE 時代劇」って感じの作品でした。
カメラワークや照明効果のせいでしょうね。全体的に色のトーンが抑え気味で
それが更に重厚感を増しました。特に夜のシーンの照明効果はgood。
登場人物の井出達も、女性のお歯黒姿や眉なし姿(既婚者は剃る)とかも
時代にあった姿なので、リアル度UP。時代考証をあまり知らない人が観たら
ギョギョ!っとするかもしれませんね。
刺客は12人の侍&浪人と1人の野人。この野人、ってどうなの?
この作品の見どころは、なんと言ってもSMAP:稲垣吾郎君の暴君ぶり。
いやぁ~ほんと凄かったです。アイドルがここまでやってええんかい?って
言うぐらいの残忍極まりない振る舞いです。
美濃国で宿泊した家の嫁を手篭めにした挙句、夫を嫁の目の前で惨殺。
村娘の手足を切り落とし、舌をひっこ抜き、散々弄んだらゴミのように捨てる。
その娘の家族は皆殺し。
とある一族を弓の的にして、全員殺してしまう。
自分が老中になったら、「戦国時代のような戦を復活させよう」なんていいのける。
これをあの稲垣君が見事に演じています。
役所さんを始め、他の出演者の演技も見事だったんですが、意外性を言えば
稲垣君がダントツ。彼の暴君ぶりを見るのが一つのポイント。
もう一つは、ラスト50分も繰り広げる殺陣シーン。
13人vs300人っていうのは、常識では無謀な勝負。(まぁそこは置いといて)
爆弾や弓矢などの戦闘もあり、見ごたえ充分。(血しぶきも^^;)
50分は、すっげえ疲れますが迫力満点です。
殺陣シーンで、一際際立っていたのが、松方弘樹の刀裁き。
さすが、時代劇に慣れているだけいらっしゃる。
流れるような動きには惚れ惚れします。
13人の人物像の描き方は、少々浅いですが、その分を殺陣シーンに
注いだって感じ。三池監督らしい演出もあり、それはそれで充分観る価値あり。
久しぶりに、「これぞ時代劇」と言うのを感じました。
ただ、血がドバドバとか首がポーン!というシーンもあるので、血の弱い方は
ちぃと心して観てください。私も血が弱いので、ヒェ!っとするシーン(冒頭の切腹
シーンなど)がありましたが、一応ちゃんと観ていました。
あと、絶倫シーンはいらなかったかな? 三池監督らしいっちゃらしいけど。
エンターテイメント性は充分ある作品です。
点数:8.5点 (10点満点)
~私は生きる。男たちは、どうする~
約1ヶ月ぶりの映画鑑賞~♪
2010年 日本 (10.8.28公開)
配給:ギャガ 上映時間:129分
監督:篠崎誠
原作:桐野夏生 『東京島』 新潮社
脚本:相沢友子
音楽:大友良英 特別協力:エルメス
主題歌:Superfly 『(You Make Me Feel Like) A Natural Woman』
出演:木村多江・・・・・・清子
窪塚洋介・・・・・ワタナベ
福士誠司・・・・・GM/ユタカ/森軍司
木村 了・・・・・・犬吉
テイ龍進・・・・・・ヤン
<見どころ>
直木賞作家・桐野夏生の同名ベストセラー小説を原作に、無人島に漂着した23人の
男と唯一の女性である40代の主婦が織り成すサバイバル生活を描いた人間ドラマ。
直感と行動力を頼りに困難に立ち向かっていくヒロインを、『ぐるりのこと。』の
木村多江が熱演。共演には窪塚洋介、福士誠治、柄本佑ら個性豊かな
若手実力派がそろう。
<あらすじ>
清子(木村多江)と夫(鶴見辰吾)が漂着した無人島に、23人の若い男たちが
次々に流れ着くが、女性は清子のみ。いつまで待っても助けの船は来ず、
いつしか島を“東京島”と呼ぶようになる中、彼女はただ一人の女性として
特別扱いを受けてしたたかに生き抜く。
月日は流れ、島に安住しようとする男たちにいら立つ清子は、脱出のための
行動を開始する。
<感想>
原作を既読して鑑賞。
この作品は、実際に1945年~50年にかけてマリアナ諸島にある
アナタハン島で起きた、“アナタハン島事件”がモデル。
いやぁ~実際、こんなことあったんですね~~~~~驚き。
舞台は、現代に置き換えていますが、普通の主婦が、生きるために
女を武器にしていく様は、なかなか見ごたえがありましたね。
女だからというだけで、崇められたり蔑まれたりされる主人公・清子が
生き延びていくために、「女」を武器に男の間をさまよって生きていくんだけど
なんだかなぁ~「男」の方がいまいち元気がない。
たとえ中年のおばちゃんでも、たった一人の「女」。
こんな極限状態になったら、「どんなのでもいいから」って飛びつくんだけどなぁ。
無人島に来ても、その辺は理性を保った草食男が多いのよね。
こんな風に、開放的な格好になったサービス?もあったけど。
生命力の乏しい日本男子に比べて、後から漂流してきた中国人たちの
したたかなこと。生存本能を発揮しながら虎視眈々と脱出計画を練る様は
なかなかのもの。ヤン役を演じたテイ龍進、良かったぁ~。
原作を読んだ一人としては、「え~なんだかなぁ」という印象。
そもそも清子のイメージが、まったく違う。
40代の小太りという設定だけど、木村さん違うしね~ビジュアル考えると
この配役になるんだろうけど、個人的にはこの清子役は杉田かおるさんが
ピッタリだと思う。
おまけに、無人島なのにサバイバル感が薄すぎ。どこかリゾート気分を感じる。
出演者も妙に小奇麗だし・・・・・・もうちょっとサバイバル感が欲しかったかな。
あと、冒頭はしょりすぎ。 だから、全体的に間延びして仕方がない。
サバイバル感を出したと思ったら、「これはウケ狙ってるんかいな?」という
中途半端な描写もある。これがダラダラ続いて、後半の30分で怒涛の展開。
それぞれの演技は、それなりに良かったんだけどね。
映画を観てから原作読んだほうがいいかも?
逆だったら、たぶん私と同じ感想を持たれるかもしれません。
めっちゃ良かったのは、EDで流れたSuperflyの曲。
志帆ちゃん、うまいぞっ!!
点数:6点 (10点満点)
~さよならなんて、言えないよ・・・・~
目が疲れているので、3Dで観るのは諦めましたがそれでも満足行く画像だった~。
2010年 アメリカ (10・7・10公開)
配給:ディズニー
監督:リー・アンクリッチ
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:マイケル・アーント
音楽:ランディ・ニューマン 上映時間:103分
声の出演:ウッディ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・唐沢寿明
バズ・ライトイヤー・・・・・・・・・・・所ジョージ
ジェシー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日下由美
ミスター・ポテトヘッド・・・・・・・・・辻萬長
ミス・ポテトヘッド・・・・・・・・・・・・松金よね子
スリンキー・・・・・・・・・・・・・・・・・永井一郎
レックス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三ツ矢雄二
アンディ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小野賢章
ロッツォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・勝部演之
<見どころ>
世界中で大ヒットした『トイ・ストーリー』シリーズの第3弾作品。
持ち主のアンディの元を去っていくおもちゃたちの友情を、感動的かつ
ダイナミックに描き出す。前2作の監督だったジョン・ラセターが製作に携わり、
メガホンを取るのは『ファインディング・ニモ』『モンスターズ・インク』の共同監督、
リー・アンクリッチ。おもちゃたちが繰り広げるアクション満載の冒険に胸が躍る。
<あらすじ>
おもちゃの持ち主・アンディは大学に入学する年齢になり、カウボーイ人形の
ウッディたちおもちゃは、手違いで託児施設に寄付されることになった。
しかし、そこに待っていたのは乱暴な子どもたち。
ウッディは脱出に成功するものの、アンディの元へ行くか、仲間たちを助けに
戻るかの究極の選択を迫られる。(シネマトゥディより)
<感想>
「トイ・ストーリー」3部作の完結編。
「1」の頃から観ていましたが、個人的にピクサー作品の中で最高傑作だと
思っています。「1」は、娘がすごい好きでビデオテープが磨り減るぐらい観たな~。
「1」でもCGアニメの出来に驚きましたが、15年たった今、さらにCGの技術が
進歩しているのに改めて驚きました。
プラスチックの質感、バービー人形の塩化ビニールの質感などがリアル。
技術の進歩って凄いわ~。
3作目は、大学生になったアンディがおもちゃと「卒業」する話。
観ながら、思わず自分の小さい頃のおもちゃのことを思い出してしまいましたよ。
おもちゃの使われた後の運命を題材にするなんて、さすがピクサー。
おもちゃたちは、ちょっとした手違いで保育園のおもちゃとして寄付されて
しまうのですが、ここの保育園でいろんあトラブルが起こり、おもちゃたちは
保育園からの脱出を試みます。そこからのエンターテイメントな展開は
目が離せない展開。そして、最後にやってくるおもちゃたちの本当の行き先には
不覚にも涙がホロリ。
ウッディが、「ぼくらはアンディのおもちゃなんだ」というセリフが
最後にこんな形でやってくるとは。
アンディが選んだ選択に(というかウッディがあるしかけしたんだけど)
おもちゃ達も納得のいく「別れ」でした。
こういう暖かい「別れ」もあるんですね。
個人的にディズニー作品は、あまり好きではないがピクサー作品は別。
更に、「トイ・ストーリー」は別格。 シリーズ最終章は文句なしの出来でした。
子どもが喜ぶのはもちろんですが、大人にもぜひ観てもらいたい作品です。
夏休みいちおし!ぜひ劇場で。
そうそう、ジブリとピクサーは親交があると聞いていましたが、ここでトトロが
使われてるとは。。。スペシャルサンクスでも宮崎駿さんの名前がありましたね。
トトロもチェックしてください~。
点数:10点 (満点)
~あなたの人生史上、最高の実話~
2009年 アメリカ映画 (10.2.27公開)
配給:ワーナーブラザース映画
監督:ジョン・リー・ハンコック
脚本: 〃
音楽:カーター・バーウェル 上映時間:126分
出演:サンドラ・ブロック・・・・・・・リー・アン・テューイ
ティム・マッグロウ・・・・・・ショーン・テューイ
クィントン・アーロン・・・・・マイケル・オアー
キャシー・ベイツ・・・・・・・スー夫人
リリー・コリンズ・・・・・・・・コリンズ・テューイ
ジェイ・ヘッド・・・・・・・・・・S・J・テューイ
<見どころ>
ホームレス同然の生活からアメリカン・フットボールのプロ選手になった
少年の実話を映画化した感動的な人間ドラマ。
裕福な家族と黒人少年との、偶然の出会いと深いきずなを丁寧につづる。
魅力ある母親を好演したサンドラ・ブロックが、2009年の数々の映画賞を受賞。
さらに、カントリー歌手のティム・マッグロウや実力派のキャシー・ベイツ、
本作の少年役で本格的にデビューするクィントン・アーロンらが共演。
良心がもたらすアメリカン・ドリームに、ラストはさわやかな感動で包まれる。
<あらすじ>
家族と共に車で帰路に着くリー・アン(サンドラ・ブロック)は、雨に濡れながら
夜道を歩くマイケル・オーア(クィントン・アーロン)に目を留める。
自宅に連れ帰ったマイケルの境遇を知り、一家に迎え入れることにしたリー・アン。
アメリカン・フットボールを始めたマイケルの適性をリー・アンが見いだしたことから
マイケルの才能は一気に開花する。 (以上、シネマトゥディより)
<感想>
7月には、DVDにリリースされるこの作品。
公開は2月だったけど、NAOさんの地区の映画館には今頃来たのよね・・・。
リリース間近いんだけど、そそくさと行って来ました。
公開からすでに経過しているので、感想は手短に。
本作で、数々の映画賞を受賞したサンドラ・ブロックの演技は秀逸。
パワフルな体育会系ママを見事に演じています。
お話は、アメフト選手:マイケル・オアー選手の実話。
サンドラ演じるリー・アンがふとしたことで、マイケルと出会い、彼の才能を見出し
後見人となり、やがて家族になる・・・というお話。
これが実話だから、なんとも情の厚いお方がいるものです。
人種差別がまだまだあるアメリカで白人一家が黒人を引き取るというのは
勇気がいるもの。だからその弊害もあり、家族はいろいろ心の葛藤をしながらも
マイケルを家族の一員として温かく受け入れます。
大人は、いろんなことで悩みますが、人種とかをまったく気にせず
最初からマイケルをすんなり受け入れていたのが、末っ子のSJ。
彼の存在は、ほんと大きかったように感じます。
マイケルをビシバシしごくシーンは、思わず吹き出しちゃいました。
実の子と同じ目線で見る夫妻にも共感。
裕福な家庭だったから出来たっていうのもあるけど、やはり大きい愛には感動。
だけど一番すごいのは、彼の才能を一番最初に見出したアメフトの顧問では?
彼が必死で学校側にお願いしたから、リー・アン一家とも出会えたのだし。
アメフトのルールを全く知らないNAOさんは、ちょっと?なシーンもあったり、
あんな荒んだ環境の中で育ったのにも関わらず、なんでああいう穏やかな性格に
育ったのかの過程がいまひとつ浅かった感もあり、邦題名がいまいちとちゃう?
とまぁツッコミたくなる箇所はあったのですが、あまりとやかく言うことでもないか。
血は繋がっていなくても母の愛情をしっかり受け止めたことに子ども達に
素直に感動。改めて親の深い愛情って大切なんだな~と感じました。
ぜひ、DVDが出たらご覧ください。爽やかな作品です。
点数:9点 (10点満点)
~彼女たちと禁断の体験を~
もっと早く観にいく予定だったのに、子供の関係でこんな遅くなってしもうた・・。
2010年 アメリカ 上映時間:147分 (10.6.4公開)
配給:ワーナー・ブラザーズ
監督・脚本:マイケル・パトリック・キング
音楽:アーロン・ジグマン
衣装:パトリシア・フィールド
出演:サラ・ジェシカ・パーカー・・・・・・キャリー・ブラッドジョー
キム・キャトラル・・・・・・・・・・・・サマンサ・ジョーンズ
クリスティン・デイビス・・・・・・・シャーロット・ヨーク
シンシア・ニクソン・・・・・・・・・・ミランダ・ホップス
クリス・ノース・・・・・・・・・・・・・・ミスター・ビッグ
ライザ・ミネリ、マイリー・サイラス、ペネロペ・クルス、ハイディ・クルム
<見どころ>
ニューヨークを舞台に恋に仕事に友情に生きる4人の女性の本音を大胆に描き、
世界中の女性たちを熱狂させた『セックス・アンド・ザ・シティ』の続編。
ハッピーエンドで終わった前作から2年がたち、キャリーをはじめとする4人の
ヒロインたちの激変した生活を映し出す。
サラ・ジェシカ・パーカーらおなじみのキャストとともに、監督も前作同様シリーズに
携わってきたマイケル・パトリック・キングが務める。
カリスマ・スタイリストのパトリシア・フィールドが手掛けるファッションにも注目。
<あらすじ>
波乱の末に幸せをつかんだキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)。
あれから2年がたち、幸せなはずの彼女を揺さぶるハプニングが発生。
そして、サマンサ(キム・キャトラル)とほかの二人も、新たな局面を迎えていた。
そんな中、4人は砂漠の国へと逃避行へ出掛けるが……。
<感想>
2年前大ヒットした「SEX AND THE CITY」の続編。
彼女たちと同年代のNAOさん、やっぱり作品的には気になります。
今回は、舞台が中東のアブダビが主な舞台。
アラブっぽい衣装がふんだんに出てきて、女性にはうれしい限り。
いくつになっても「女」を忘れない姿勢は見習いたいですね。
今回は、そのアブダビでキャリーがばったり元カレのエイダンと再会!
元カレと再会・・・は確かにビックリしちゃいますよね。それも旅先ならなおのこと。
食事でも・・・てな展開は、確かにありうる、ウンウン。
でも、右↑の衣装は、ちぃとヤバいのでは?こんなの見せられちゃあ欲情
しちゃいますって。( ̄m ̄) で、案の定だしねぇ~。
でも、わたしゃやっぱりこういう顔は苦手、今回も馬にしかみえなかった。。。
個人的にホロっと来たのが、シャーロットとミランダのママ同士の悩み話。
先輩ママであるミランダが、「悩んでることこの際パァ~とぶちまけな」
てな具合で、飲みながら話すシーンですが、実際私もこういうこと
飲みながらママ友にぶちまけることがあるので、大きくうなずきながら
観てましたね~。ただ現実と映画では背景が違いすぎる。
わたしゃ居酒屋でぶちまけてますからね~こういうところでオシャレにぶちまけたい。
こんなにお金をパァ~と使って、どハデに行きたいな~と思っていることを
全てやっちゃってくれてるのが、この作品のおもしろいところ。
それぞれの立場に立つと、なんとなく共感もてますね。
私の場合は、子供がいるせいでしょうね、シャーロットやミランダに共感持ちます。
それにしてもサマンサ相変わらずぶっ飛んでました。
女友達の中にこういう人いるとハラハラしますが面白いです。
で、今回も痛すぎる?シーンがありましたね。でもある意味羨ましいです。
おや?またも爆弾発言でしたかね?
最後、シンディ・ローパーの「True Colors」をエンディングに持ってきたのはナイス。
ただ、やっぱ今回ちょっと時間長すぎたかなぁ~。
どうでもいいエピソードも入ってたし。アブダビでの展開が妙に長く感じちゃいました。
全ての女性が見て楽しい作品には仕上がっています。
特に同世代は、うなずくこと多いのでは?
映画の冒頭シーンは、めちゃオシャレ!「SATC」の世界へ一気に飛びますよ~。
点数:7.5点 (10点満点)
~人類、立ち入り禁止~
話題作なのに近くでやっていないとは!車飛ばして遠い劇場まで行きました。
2009年 アメリカ映画 (ワーナーブラザーズ、ギャガ配給) 10・4・10公開
監督:ニール・ブロムカンプ
音楽:クリントン・ショーター 上映時間:1時間51分
出演:シャルト・コプリー・・・・・・・・・・・・・・・・ヴィカス
デヴィッド・ジェームズ・・・・・・・・・・・・・クーバス大佐
ジェイソン・コープ・・・・・・・・・・・・・・・・クリストファー・ジョンソン
ヴァネッサ・ハイウッド・・・・・・・・・・・・・タニア
PG-12指定作品
<見どころ>
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソンが製作を担当し、
アメリカでスマッシュヒットを記録したSFムービー。突然地球に難民として
降り立った正体不明の“彼ら”と共に暮らすことになる人間の困惑と、
マイノリティーとして生きる“彼ら”とのドラマをしっかりと見せる。
本作で監督と脚本を担当し、デビューを飾ったのは新人のニール・ブロンカンプ。
俳優たちも無名ながらも迫真の演技を披露する。そのオリジナリティーあふれる
物語と、摩訶(まか)不思議な“彼ら”の造形に目を奪われる。
<あらすじ>
ある日、ほかの惑星から正体不明の難民を乗せた謎の宇宙船が、突如南アフリカ
上空に姿を現す。攻撃もしてこない彼らと人間は、共同生活をすることになる。
彼らが最初に出現してから28年後、共同居住地区である第9区のスラム化により、
超国家機関MNUは難民の強制収容所移住計画を立てるのだが……。
<感想>
いやぁ~はっきり言って、「アバター」より衝撃が大きい映画でしたよん。
既成の映画と似た部分もけっこうあって、荒唐無稽な感じもしましたが
さほど気にせずに観られました。
↑なんか、「インディペンデンス・デイ」にそっくりだし。。。
ドキュメンタリー風に話が進むので、荒唐無稽な話なんだけれど、
「実際あったら案外そうなるのかも?」と思わせてくれる所が、なかなかおもしろい。
無名な俳優さんが出てるので、妙なリアリティも感じました。
これが、大物俳優ばかり起用されていたら、ただのB級映画にしか
見えなかったかも?
あと、場所を、南アフリカにしてのもポイントかな?
これが、ニューヨークとかだったら、“映画”にしか見えないけど、ヨハネスブルク
に設定しあことで、ある種のリアリティを感じました。
それにしても、今年は「南アフリカ」の名前がよく出ますよね。
(W杯もだし、先日公開された「インビクタス」もそうだし)
映画の前半は、なんかコメディぽい展開でしたが、主人公がナゾの液体を
浴びた以降は、かなり緊迫した展開になっていきます。
正直、説明不足な場面があったり、ちょい中だるみしかけの場面もありましたが
撮り方がうまいんでしょうね、特に後半グイグイ引き込まれていきました。
単なるSF映画というよりはかなりメッセージ性が高かったように感じましたね。
どこがどうというと、ネタバレになるので敢えて書きません。
要は、この作品は予告とかあまり予習しないで観にいったほうがインパクト大の
ように感じますね。少なくとも、私はそうでした。
ちなみに、昆虫型エイリアンの姿は、はっきり言ってグロテスクです。
後半だいぶ見慣れましたが、個人的には苦手です。
それと、PGー12指定の割には、かなりの暴力&グロいシーンがありました。
R15でも良かったんじゃないのかなぁ~なんて思いました。
苦手な方には、辛い作品だと思います。
あと、「アバター」の評価が低かった人は、こちらをオススメします。
ある意味、往来のSF映画とは異彩を放った映画だと思いますよ。
NAOさん、個人的には「アバター」より良かったです。(グロイけど)
点数:8.5点 (10点満点)
~最強の頭脳、最強のコンビ、最強の事件~
公開早々に行きましたが、いかんなぁ~UP遅れ気味・・・。
2009年 イギリス (ワーナー・ブラザーズ配給) 10.3.12公開
監督:ガイ・リッチー
キャラクター:アーサー・コナン・ドイル
原作・製作・原案:ライオネル・ウィグラム
音楽:ハンス・ジマー 上映時間129分
出演:ロバート・ダウニー・Jr・・・・・・シャーロック・ホームズ
ジュード・ロウ・・・・・・・・・・・・・ジョン・ワトソン
レイチェル・アクアダムズ・・・・アイリーン・アドラー
マーク・ストロング・・・・・・・・・・ヘンリー・ブラックウッッド卿
ケリー・ライリー・・・・・・・・・・・メアリー・モースタン
<見どころ>
ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウが、名探偵シャーロック・ホームズと
相棒のジョン・ワトソン博士を演じるミステリー大作。
国を揺るがす謎の敵を前に、ホームズとワトソンの強力なタッグで壮絶な闘いを
繰り広げる。共演は宿敵ブラックウッドにマーク・ストロングほか、
レイチェル・マクアダムスら。ガイ・リッチー監督が作り上げた、激しいアクションが
満載の新ホームズに期待したい。
<あらすじ>
新たな難事件に挑むことになったシャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)。
相棒のワトソン博士(ジュード・ロウ)とともに宿敵ブラックウッド(マーク・ストロング)
に立ち向かう。そんな中、国の崩壊をもくろむ巨大な陰謀を暴くための壮絶な
闘いが、ホームズとワトソンを待っていた。
<感想>
シャーロック・ホームズ⇒ロバート・ダウニー・Jr
ワトソン博士⇒ジュード・ロウ
この組み合わせを聞いただけで、過去のホームズ作品とはかなり違った作品で
あることに間違いない、と思いましたが、やっぱりそうでした。
個人的には、やっぱジュードの方がシャーロックのイメージなんじゃないの?
とは思いつつも、ダウニー・Jrのホームズもそんなに悪くはなかったです。
それよか、このコンビの息がすごく良い♪
お話より二人の掛け合いのほうに注目してしまいました。
敵のブラックウッド卿を演じたのは、マーク・ストロング。
なんだか、アンディ・ガルシアのように見えたのは私だけ? 似てるわ~~。
科学と黒魔術が混在する様は、19世紀のイギリスをよくあらわしていますが
うーん、なんかこれ見てると「天使と悪魔」がダブッちゃって見えます。
そうそう、ホームズの唯一の弱点である、アイリーンもご登場。
ホームズが惚れた女強盗ですが、なかなか憎めないキャラ。
ポジションが、アニメ「ルパン3世」の峰不二子的な感じです。
良かったけど、顔が好みじゃないのよね。。。。
原作のホームズのイメージから少し離れているような気がするので
本編を見たとき、正直ビックリ。何度もいいますが、個人的にはジュードの方が
ホームズに合ってるような気がします。
私は、ホームズより怪盗ルパン派なので、原作のホームズ作品を読んだ数は
少ないです。ホームズファンがこれを観たら、ちょっと賛否わかれるかも
しれませんね。
でも、ホームズ映画というのにこだわらなければ、推理性は薄れるけど
娯楽作品としては楽しめる作品だと思います。
点数:6.5点 (10点満点)
~かなわない恋だとわかってた~
2009年 韓国 (アスミック・エース配給) R15作品 10.1.23公開
監督:イ・ジェハン 製作:シム・ジェソプ、ファン・ヨンサン
原作:辻仁成 『サヨナライツカ』
音楽:ソ・ジェヒョク 上映時間:2時間14分
出演:中山美穂・・・・・・・・・・真中沓子 (ホテルのスイートで生活する謎の美女)
西島秀俊・・・・・・・・・・東垣内豊 (29歳のエリートビジネスマン)
石田ゆり子・・・・・・・・・尋末光子 (豊の婚約者)
加藤雅也・・・・・・・・・・桜田善次郎 (豊の上司)
マギー・・・・・・・・・・・・・木下恒久 (豊の同僚)
<見どころ>
私の頭の中の消しゴム』イ・ジェハン監督がメガホンを取り、監督から熱烈な
ラブコールを受けた中山美穂が、『東京日和』以来12年ぶりの映画主演作で
愛に生きる強く純真な女性を熱演。原作は中山の夫・辻仁成。
バンコクで始まった恋が東京、ニューヨークと場所を移し、25年の時を超えて
愛へと変わる過程が切ない。
<あらすじ>
1975年、バンコクの高級ホテルに暮らしている沓子(中山美穂)は、お金に
不自由なく、男性から愛される満された日々を送っていた。
ある日、沓子はバンコクに赴任してきたエリートビジネスマンの豊(西島秀俊)と
出会い、二人はたちまち惹(ひ)かれ合うが、実は豊には東京に残してきた
光子(石田ゆり子)という婚約者がいた。
<感想>
中山美穂のご主人、辻仁成の小説を映画化。
ちなみに、NAOさん原作を読んでいます。
辻さんの描写って、どことなく哲学的な要素があるので、ちぃと苦手なのですが
映画は哲学的要素を薄くした感じに仕上がっていました。
主演は、12年ぶり主演の中山美穂さん。決して好きな顔立ちではないですが
オリエンタルな雰囲気が作品にマッチ。
衣装もとっかえひっかえで出ていましたが、胸がでかかったら着てみたいわ~と
思いました。個人的には右のワンピが着てみたいです。(胸があったらね・・・)
ミポリン演じる沓子と恋に落ちる豊に、西島秀俊さん。
原作読んでる時、「豊を演じるならこの人が合うな」と思っていたので
ほんと、ハマリ役だと思いました。煮え切らん男性を演じるの巧いな~この人。
で、R15作品なので、ミポリンとけっこう激しいベッドシーンが何回かありました。
なので、上半身の西島さんを拝むことが出来たんですが・・・。
男前とわかっているんですが、ちぃと好みの顔でなくて・・・。
だから上半身を拝む事が出来ても、激しいベッドシーンを観ても、
ファンの方すいません、ちっとも萌えませんでした。
原作と映画では、けっこう内容が違っていました。
沓子と光子の対照的な女性を描いているのですが、この点は原作のほうが
より明確に出ていたように思います。
原作では、沓子と光子は1回も会うことはないのですが、本編では
光子が沓子のすむサマセット・モームスイートを訪れます。
ここでの光子演じる石田ゆり子さんの演技は光っていましたね。
キャスティング自体、沓子=ミポリン、光子=石田ゆり子は、最高でしたが
二人の対照的な姿は、見事でした。
ただ個人的には、2人が会うことで光子の純な感じが薄れた感もあり。
沓子に言うとどめのセリフは、したたかな女を感じさせ、原作を読んだ私には
どうも馴染めませんでした。
豊は結局、自分の夢のために、沓子と別れることになります。
本当は、沓子のほうを愛してたのでしょう。
最後まで、「愛してる」と言うに言えなかったのは、言ったらすべてが崩れると
思った故での行動だったのと思います。
しかし、原作でも思いましたが、男の身勝手さがずいぶん出ていますね。
沓子と光子をたして2で割った女性が、たぶん男の人は理想なんでしょうか?
で、25年後のシーンが出てくるのですが・・・・・これ、長すぎ。
メイクで老け顔してるんですが、なんかしっくりこない。
老けてからのシーンが短ければ、なんてことないのですが、無駄に長い。
というか、盛り上がったと思ったら、まただらだらしてまた盛り上がる・・・
なんていうのが何回もあるから、じれったいのなんの。
ここは、もう少しコンパクトにまとめてほしかったです。
おかげで盛り下がった気分になって、余韻に浸れませんでした。
前半がよかっただけに、もったいないです。
さて、劇中のほとんどは、タイ・バンコクのシーンでした。
目をひくのが、舞台となったザ・オリエンタルホテルバンコク。
世界的に有名なホテルです。ここのスイートルームがためいきものでした。
イギリスの作家ウィリアム・サマセット・モームがこよなく愛した一室が
映画の舞台でしたが、ほんと素敵でした。映画を観ていると、タイに行きたいな~
なんて思うほど、素晴らしかったです。
しかし、原作でも男の都合のよい女性の描き方が目につきましたが
映像化すると、さらに際立ちますね。豊、沓子、光子それぞれの立場からみると
わからなくもないんですが、どの立場をとっても共感は持てませんでした。
後半、映像がところどころチグハグな所があったのが気になりましたが
あのあたりをもう少しつなげば、唐突に感じた部分も減ったように思うのですが。
“わかっちゃいるけど、ついそうなってしまい、苦悩する人間の様”が
原作では細かく描写されていますが、残念ながらこれがなかった。
日本人監督なら、心理的描写をうまく描いてくれたかもしれません。
重ね重ね、もったいないし、残念です。
でも、「サヨナライツカ」の詩は、ジ~ンときますね。心に響くというか・・・。
好きな人には、ちゃんと「愛してる」って伝えなきゃね。
いなくなってからでは遅いんだよね。なんだかんだで、そう思っちゃいました。
点数:5点 (10点満点)
~鏡の中は、わがままな願望でいっぱい
この迷宮から、大切な人を救えるのか―――?~
ヒースの遺作に、ジョニーやジュードが出る、となりゃあ行くっきゃないでしょう♪
2009年 イギリス・カナダ合作 (ショウゲート配給) 10.1.23公開
監督:テリー・ギリアム
美術:アナスタシア・マサロ 音楽:マイケル・ダナ、ジェフ・ダナ
上映時間:2時間4分
出演:ヒース・レジャー・・・・・・・・・・・・トニー (記憶を失った謎の青年)
ジョニー・デップ・・・・・・・・・・・・鏡の中で永遠の美の世界のトニー
コリン・ファレル・・・・・・・・・・・・鏡の中で平和で自由な世界のトニー
ジュード・ロウ・・・・・・・・・・・・・・鏡の中で才能と名声の世界のトニー
クリストファー・プラマー・・・・・・パルナサス博士
リリー・コール・・・・・・・・・・・・・・ヴァレンティナ (博士の一人娘)
アンドリュー・ガーフィールド・・・アントン (ヴァレンティナに想いを寄せる)
ヴァーン・トロイヤー・・・・・・・・・パーシー (博士の片腕)
トム・ウェイツ・・・・・・・・・・・・・・ニック (賭け好きでお人よしの悪魔)
<見どころ>
鬼才、テリー・ギリアム監督による幻想的なファンタジー。
悪魔との契約で不死身を望んだ男を取り巻く人々の皮肉な運命を豪華キャストで
描く。謎めいた青年役に、これが遺作となった『ダークナイト』のヒース・レジャー。
彼の急逝により危機に陥った本作を救ったのは、ジョニー・デップに
コリン・ファレル、ジュード・ロウという名優たち。
撮影途中の役を彼ら3人が演じ分けた、奇想天外な物語に息をのむ。
<あらすじ>
鏡で人々を別世界に誘う見せものが売りの、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)
の移動式劇場はロンドンで大盛況だった。
観客は博士の不思議な力で自分が思い描く、めくるめく世界を体験できるのだが、
そこにはある秘密があった。トニー(ヒース・レジャー)はそのアシスタントとして
観客を鏡の世界へと導く役目を担っていたが……。
<感想>
2008年に28歳の若さで急逝したヒース・レジャーの遺作。
この撮影中に亡くなったので、完成が危ぶまれていたけれど、友人であった
ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの3人がその意志を継ぎ、
監督が内容を変えて完成させたと言うことでも話題になった作品。
現実世界を撮り終えた時点で、キースが急逝。
鏡の中の空想世界に入ると容姿が変わるという設定に変更して
3人の俳優が引き継いでくれました。
てっきり、半分は3人が演じてるのかしら?と思ったら、かなり撮ってたんですね。
思ってた以上にヒースが出ていたので驚きましたが、ちゃんと主演映画として
成り立っていたので良かったです。
鏡の中の世界は、中に入った人の願望や欲望を表した世界になっています。
この鏡の中の世界が実にキレイ、そして欲望の映像は毒気に満ち溢れています。
なんとも不思議な空間や色彩で、ちょっと画家のダリを思い出します。
鏡の中では、ヒースの友人だったジョニー、ジュード、コリンが演じてくれました。
ジョニー
ジュード
コリン
登場時間は3人とも10分ほどでしたが、やっぱりイパクトありましたね。
個人的には、ジョニーとジュードが目当てだったので、二人のシーンは
目を細めてしまいました。おいしい?役は、コリン・ファレルでしたけどね。
でも、コリンとリリー・コールって確か熱愛の噂あったような。。。。
今でも続いているのかしらん?
で、本作のヒロイン的存在が、イギリスのスーパーモデル:リリー・コール。
「ドール顔」として注目のモデルさんです。いろんなブランドにひっぱりだこですが
180㎝の身長にこのあどけない顔のアンバランスさ。
このキュートさが、本作にマッチしていたように思います。
あどけない顔に、豊満な胸にもくぎ付けでした。いいなぁ・・・・。
作品は、“欲望” と“願望” は紙一重ということを表現しています。
その“二者択一の選択” が、なかなか難しい。
本作は、そのあたりをブラックユーモアで攻めています。
人間、迷った時は、本能の赴くままに動くよりも、まず理性が先に働かないと
いけないのかな?と思っちゃいました。
ストーリー的には、そうたいしたことないんですが、なかなか奥は深かったです。
ただ、ブラックユーモアが、ティム・バートンほど一般ウケではないので
好き嫌いがはっきり分かれる映画だと思います。
ともあれ、鏡の中で人物が変わる、というアィディアはすごくいい発想だったと
思います。さすが、ギリアム監督。
あと、友情出演してくれた3人のギャラは、ヒースの遺児・マチルダちゃんに
全額渡された、とのこと。
改めて、彼のご冥福をお祈りします。
点数:7.5点 (10点満点)