<1月の鑑賞予定映画>
~彼は帰ってきた。心は戦場においたままで~
2014年 アメリカ映画 R15+指定 (2015.02.21公開)
本年度アカデミー賞音響編集賞受賞作品
(作品・主演男優・脚色・録音・編集賞ノミネート)
配給:ワーナー・ブラザース映画 上映時間:2時間12分
監督・製作:クリント・イーストウッド
製作:ロバート・ロレンツ/アンドリュー・ラザー/ピーター・モーガン/ブラッドリー・クーパー
原作:クリス・カイル/スコット・マキューアン/ジム・デフェリス
脚本・製作総指揮:ジェイソン・ホール
美術:ジェームズ・J・ムラカミ/シャリーズ・カーデナス
衣装:デボラ・ホッパー
出演:ブラッドリー・クーパー/シエナ・ミラー/ルーク・グライムス/ジェイク・マクドーマン
ケヴィン・レイスズ/コリー・ハードリクト/ナヴィド・ネガーバン/キーア・オドネル
<見どころ>
アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼が、イラク戦争で
数々の戦果を挙げながらも心に傷を負っていくさまを見つめる。メガホンを取るのは、
『ミリオンダラー・ベイビー』などのクリント・イーストウッド。
『世界にひとつのプレイブック』などのブラッドリー・クーパーが主演を務め、プロデューサー
としても名を連ねている。戦争とは何かを問うテーマに加え、壮絶な戦闘描写も見もの。
<ストーリー>
イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル
(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズ
のモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度から
レジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。
故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。
4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。
<感想>
イーストウッド監督作品なので、期待はしていましたが、確かに見ごたえある作品でした。
と同時に、現在の中東での戦場が、いかに混沌としているかが垣間見える作品でもあり
最後まで緊張感を持って鑑賞。
主役を務めたブラッドリー・クーパーの演技は素晴らしかった。
冒頭の撃つかどうか究極の判断を選択するシーンは、彼でしか出来ないなぁ~と感じました。
間違いなく、彼の代表作の一つになったと思います。
国を守るためには、時として敵国の人々を殺さなければいけないことも生じてきます。
彼らにも愛する人や家族がいる。だが、戦争という特殊な環境の中では、私情は無意味。
任務を遂行しなくてはならない。任務とはいえ、遂行していくうちに、彼の精神までもが蝕まれていく
様子は、本当に怖かったです。戦争の怖さは、私達には到底計り知れないことでしょう。
それにしても、「祖国や家族を守るため」から、やがて「戦死した仲間の報復」に変わっていく
主人公の気持ちの変化がなんとも不気味。そこが戦争の闇と言うべきなのかな?
こういう連鎖がある限り、戦争はなくならないんでしょうね・・・・・。
最後、病んだ帰還兵の相談に乗ってやって、その者に殺されるとはなんと皮肉な・・。
戦場での過酷な体験が、いかに大きな影響を兵士に与えるのか?
政治家の方々には、もっと認識してほしいですね。
そういう意味でも、観てもらいたい作品です。
あと、なんだかんだでやっぱアメリカ視点の映画かなと。
それと、あれだけ戦場シーンはリアルなのに、赤ちゃんがどこからどう見ても
人形を抱いてるのまるわかりなんですけどぉ~(笑)
点数:9点 (10点中)