<1月の鑑賞予定映画>
~これは、せつなくてふしぎな、二度目の初恋の物語~
2019年 日本映画 (2019.10.11公開)
配給:東宝 上映時間:108分
監督:長井龍雪
制作:Clover Works
原作:超平和バスターズ
脚本:岡田磨里
キャラクタデザイン:田中将賀
音楽:横山克
主題歌:あいみょん 「空の青さを知る人よ」
声の出演:吉沢亮(金室慎之介/しんの)/吉岡里帆(相生あかね)
若山詩音(相生あおい)/松平健(新渡戸団吉)
落合福嗣(中村正道)/大地葉(中村正嗣)/種崎敦美(大滝千佳)
<見どころ>
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』
シリーズで知られるクリエイターチーム「超平和バスターズ」が再び結集したアニメ。
ミュージシャンを夢見る女子高生、亡き両親の代わりに彼女を育てる姉、売れない
ギタリスト、過去から時間を超えてきた男子が織り成す不思議な四角関係を描く。
声の出演には吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音がオーディションで選出され、松平健も
参加している。
<ストーリー>
ミュージシャン志望で17歳の高校生・相生あおいは、両親を亡くして以来、
恋人との上京を断念し親代わりに自分を育ててきた姉のあかねに負い目を感じて
いた。あるとき、あかねの元恋人で上京してから音信不通になっていた金室慎之介が、
音楽祭のために町へ戻ってくる。同じころ、13年前の過去から時間を超えてきた
18歳の慎之介・しんのがあおいの前に現れる。
<感想>
実のところ、個人的に「天気の子」より期待していた作品。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』に
続く、超平和バスターズによる秩父3部作のラスト映画。
姉の元カレ(しんの)が、13年前の姿で突如現れ、そして大人になった元カレが
秩父に帰ってきて、奇妙な四角関係が始まる。。という展開。
姉妹双方の気持ちが共感でき、あおいの素直になれなくて気持ちと裏腹な
言葉ばかり出てしまう心情も理解できます。この年頃にはよくありますよね。
私も高校の時、そうだったよなぁ~なんて。
前半、店舗遅く感じましたが、後半、しんのが気持ちを爆発させ、
結界を破壊して飛び出していくシーンは、ちょっと胸が熱くなりました。
印象に残ったのが、姉・あかねの卒業文集での一文。
「井の中の蛙、大海を知らず。されど、空の青さを知る」
⇒狭い世界で一つのことを突き詰めたからこそ、その世界の深いところまで
知ることができた
あおいが、この意味を理解して終わったラスト、良かったです。
あと、驚いたのが吉沢亮さんの声優としてのうまさ。
1人二役という難しい役柄でしたが、きっちり声色を変えて演じていたのは
素晴らしかったです。これだけうまければ、今後声優のお仕事も増えるかも?
そういや「キングダム」でも一人二役をしっかり演じ分けられていましたね!
俳優いても声優いても、これから益々楽しみな方です。
姉妹愛やしんののあかねに対する熱い想いに胸が熱くなりましたが
号泣まではいかず。
でも、「天気の子」よりこちらの作品の方が好みでした。
超平和バスターズ、はずれなしです。
点数:8点 (10点中)
~私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?~
2019年 日本映画 (2019.10.04公開)
配給:東宝 上映時間:119分
監督&脚本:石川慶
原作:恩田陸
作曲:「春と修羅」 藤倉大
ピアノ演奏:河村尚子/福間洸太朗/金子三勇士/藤田真央
オーケストラ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:松岡茉優/松阪桃李/森崎ウィン/鈴鹿央士/臼井あさみ/ブルゾンちえみ
福島リラ/眞島秀和/片桐はいり/光石研/平田満/アンジェイ・ヒラ
斉藤由貴/鹿賀丈史
劇中使用曲:ショパン 前奏曲 第15番 変ニ長調 作品28-15 「雨だれ」
J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 プレリュード
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュード
ドビュッシー ベルガマスク組曲より 「月の光」
H.アーレン IT'S ONLY A PAPER MOON
ベートーヴェン ピアノソナタ 第14番 「月光」第1楽章
リスト メフィスト・ワルツ第1番 「村の居酒屋の踊り」
ドビュッシー 夢
ブラームス 交響曲第1番 第1楽章
モーツァルト レクイエムより
「レクソイム・エテルナム」「キリエ・エレイソン」
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番 第4楽章
バルトーク ピアノ協奏曲 第3番
プロコフィエフ ピアノ競争協第3番 第1楽章 第3楽章
藤倉大 「春と阿修羅」
<見どころ>
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の小説を実写映画化。若手ピアニストの
登竜門とされる国際ピアノコンクールを舞台に、4人のピアニストたちの葛藤と
成長を描く。キャストには『勝手にふるえてろ』などの松岡茉優、『娼年』などの
松坂桃李、『レディ・プレイヤー1』などの森崎ウィン、オーディションで
抜てきされた鈴鹿央士らが集結。『愚行録』などの石川慶がメガホンを取った。
<ストーリー>
優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される
芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。
長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、
謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。
<感想>
原作=既読
ピアノに携わっている一人として、公開前から楽しみにしていましたが
上下巻を2時間あとめるのには、やはりちょっと無理があったかなぁ・・・。
やはり実際に音楽が聴ける点は、大満足。「春と阿修羅」はオリジナル作品
なので、聴くことが出来たのは良かったです。カデンツァ部分は、4人それぞれの
個性を出していて、それも聴きごたえありましたが、ちょっとこの「春と阿修羅」
の下りで時間をかなり費やした感否めなく、4人の人物背景が浅くなった点が
残念に思いました。
4人の俳優さんたちは、それぞれイメージに合っていました。またピアノ担当された
若手ピアニストお方々もキャライメージに合わせた方々で、とても納得。
また、ヤマハ、スタインウェイ、カワイ、とピアノメーカーをまんべんなく起用。
本選では、栄伝亜夜(松岡茉優)がプロコの3番を演奏していましたが、原作では
亜夜は2番で、マサルが3番と逆になっています。3番は長調なので、映画を盛り
上げるには、こちらの方がいいのかな?という演出なんでしょうかね?
私は3番の方が好きなので、この点は満足。
風間塵を演じた鈴鹿央士くんは、本当にピュアでした。
亜夜と二人で弾いた「月の光~ペーパームーン~月光」のシーンは、今作の名場面。
この連弾、楽譜化にならないかしら?
全体的にうまくまとめていますが、それぞれの苦悩部分が浅いのが最後まで
ひっかかったのが、気になりました。
ピアノの奥深さを改めて感じる作品でしたが、これは原作を読んであらかじめ曲を
予習していった方が、より楽しめるかも?
(特にカデンツァの解釈は、原作で細かく書かれているので)
そうそう、「のだめカンタービレ」でル・マルレコンマス(トマ・シモン役)を演じていた
マンフレット・ウダーツさんが予選審査員で出演していたのには、驚きました(笑)
点数:6点 (10点中)