<12月の鑑賞予定映画>
~私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?~
2019年 日本映画 (2019.10.04公開)
配給:東宝 上映時間:119分
監督&脚本:石川慶
原作:恩田陸
作曲:「春と修羅」 藤倉大
ピアノ演奏:河村尚子/福間洸太朗/金子三勇士/藤田真央
オーケストラ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:松岡茉優/松阪桃李/森崎ウィン/鈴鹿央士/臼井あさみ/ブルゾンちえみ
福島リラ/眞島秀和/片桐はいり/光石研/平田満/アンジェイ・ヒラ
斉藤由貴/鹿賀丈史
劇中使用曲:ショパン 前奏曲 第15番 変ニ長調 作品28-15 「雨だれ」
J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 プレリュード
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュード
ドビュッシー ベルガマスク組曲より 「月の光」
H.アーレン IT'S ONLY A PAPER MOON
ベートーヴェン ピアノソナタ 第14番 「月光」第1楽章
リスト メフィスト・ワルツ第1番 「村の居酒屋の踊り」
ドビュッシー 夢
ブラームス 交響曲第1番 第1楽章
モーツァルト レクイエムより
「レクソイム・エテルナム」「キリエ・エレイソン」
プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番 第4楽章
バルトーク ピアノ協奏曲 第3番
プロコフィエフ ピアノ競争協第3番 第1楽章 第3楽章
藤倉大 「春と阿修羅」
<見どころ>
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の小説を実写映画化。若手ピアニストの
登竜門とされる国際ピアノコンクールを舞台に、4人のピアニストたちの葛藤と
成長を描く。キャストには『勝手にふるえてろ』などの松岡茉優、『娼年』などの
松坂桃李、『レディ・プレイヤー1』などの森崎ウィン、オーディションで
抜てきされた鈴鹿央士らが集結。『愚行録』などの石川慶がメガホンを取った。
<ストーリー>
優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される
芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。
長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、
謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。
<感想>
原作=既読
ピアノに携わっている一人として、公開前から楽しみにしていましたが
上下巻を2時間あとめるのには、やはりちょっと無理があったかなぁ・・・。
やはり実際に音楽が聴ける点は、大満足。「春と阿修羅」はオリジナル作品
なので、聴くことが出来たのは良かったです。カデンツァ部分は、4人それぞれの
個性を出していて、それも聴きごたえありましたが、ちょっとこの「春と阿修羅」
の下りで時間をかなり費やした感否めなく、4人の人物背景が浅くなった点が
残念に思いました。
4人の俳優さんたちは、それぞれイメージに合っていました。またピアノ担当された
若手ピアニストお方々もキャライメージに合わせた方々で、とても納得。
また、ヤマハ、スタインウェイ、カワイ、とピアノメーカーをまんべんなく起用。
本選では、栄伝亜夜(松岡茉優)がプロコの3番を演奏していましたが、原作では
亜夜は2番で、マサルが3番と逆になっています。3番は長調なので、映画を盛り
上げるには、こちらの方がいいのかな?という演出なんでしょうかね?
私は3番の方が好きなので、この点は満足。
風間塵を演じた鈴鹿央士くんは、本当にピュアでした。
亜夜と二人で弾いた「月の光~ペーパームーン~月光」のシーンは、今作の名場面。
この連弾、楽譜化にならないかしら?
全体的にうまくまとめていますが、それぞれの苦悩部分が浅いのが最後まで
ひっかかったのが、気になりました。
ピアノの奥深さを改めて感じる作品でしたが、これは原作を読んであらかじめ曲を
予習していった方が、より楽しめるかも?
(特にカデンツァの解釈は、原作で細かく書かれているので)
そうそう、「のだめカンタービレ」でル・マルレコンマス(トマ・シモン役)を演じていた
マンフレット・ウダーツさんが予選審査員で出演していたのには、驚きました(笑)
点数:6点 (10点中)