くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

さんごパワー

2008-02-01 22:37:59 |  ダイビング

Sipadan Corals Recover
これは、きょうのデイリー・エクスプレスの見出し。
サバ・パークスが、おととし5月の座礁事件でダメージを受けたシパダンの珊瑚礁は、ほぼ再生した
との見解を発表した。12月にドロップ・オフに潜ったとき、サンゴがびっくりするほど元気になってい
たので、ちょうど安心していたところだ。

私は、座礁現場のあとを目の当たりにすることはずっとないままだった。その爪痕を見たくない、と
いうのもあったし、ドロップ・オフでダイビングするといっても、島にリゾートがあった頃のビーチ・エン
トリーとは違い、ボートだと、エントリー後すぐに深場へと潜降してしまうので、ビーチのように浅瀬を
移動する時間がないというのもあった。それに今では、早朝のカンムリブダイや、ギンガメの大群狙
いで、少し先のタートル・トムのところからエントリーすることが多い。こうして、ずっと気にはなってい
ても、実際のところどうなのか、この目で確かめないまま月日はたった。事件発生直後の報道では、
タートル・カバーンからバラクーダ・ポイントにかけての浅瀬は壊滅的なダメージといわんばかりだっ
たが、その後、調査がすすむと、第一報は誇張されたものだった、という楽観的なものへと変わって
はいた。

先々月、ドロップ・オフに潜るときに、「たまにはJettyからエントリーしようよ。」とダイブマスターにお
願いして、jettyの前からエントリーさせてもらった。ボルネオ・ダイバーズや、シパダン・ダイブ・セン
ターがあった位置のまん前のビーチが今、どうなっているのかを見たくて、みんながどんどん沈んで
いくのをよそに、いつまでもリーフエッジをうろうろしてみたら、さまざまなサンゴが林立していた。


                  

一時はカバーンの天井が崩落するんじゃないか、なんて話もあったが、リーフエッジのサンゴは、
事件発生前よりも、元気に見えたくらいだ。自然のサイクルの力なのか、それとも、リゾート撤収や
入島制限が功を奏しているのか!?私は人数よりも、サンゴに乗っていることに気づかず、写真
をとるダイバーが後を絶たないことや、中性浮力のとれないダイバーを制限する方が効果的だと
思うのだけれど・・・。アタマカズは目安にはなると思うが、各ダイバーのレベルというか、ダイビング
の質を(500本潜っても、サンゴへの配慮の足りない人はたくさんいるので)、各ダイブ・オペレータ
ーがオリエンテーションで、もっとちゃんと評価して、サンゴに触れがちな人には、ダイブマスターが
わかるまで注意をするとか、ちゃんと中性浮力のとれるダイバーになるまでは、マブールやカパライ
のビーチから出さない、モルディブ方式にしてほしいくらい。サバ・パークスに、提案するレターを書
こうかと真剣に思ったくらいだ。(噂が正しければ、サバ・パークスには期待はできないらしいので、
実行には移していない・・・。)

デイリー・エクスプレスは、見出しのわりにはシパダンについては数行で、大部分はサバ州の他の
エリアでのサンゴの保護の必要性や現状について書いていた。センポルナ界隈の、ダイナマイト
フィッシングの被害はひどいらしい。今も、バラクーダ・ポイントで潜っていると、ときどき、遠くから
爆音が聞こえてくる。

人為的な被害がなくても、水温上昇がなくても、時にはストームで、見事にひっくり返されてしまった
サンゴたちもある。


                   


せっかく大きくなったサンゴに、残念なことではあるが、自然によるダメージからの回復は、人為的
なものよりも、はるかに早いという。ダイナマイトによる違法なフィッシングは、ガンガン取り締まり、
自然環境保護を強化してほしいと、サバ州の開発に際して思う今日この頃。いつまでも、美しい
リーフで、私たちをリラックスさせてほしいものだ。