くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

マンタナニ・デイトリップ顛末記・2

2009-05-08 21:04:19 |  ダイビング
島に着くと、スタッフの女性が何人か出迎えに来た。
そこはパームピーチと呼ばれる場所だ。
ビーチには、このマンタナニトリップをアレンジするKKのダイブショップの、シンプルな施設がある。木陰にはハンモックがいくつかつるしてあり、あとはテーブルやベンチが点在している。
到着すると、コーヒーや紅茶をセルフサービスでいただき、しばし休憩。ドーナッツもあった。ドーナッツは、家であげて、想像してたより固くなっちゃった、って具合のやつだ。

私は水着着用でやってきたが、島で着替える場所もある。いちおう、トイレとシャワー、更衣室(?)は、それぞれ独立はしている。えー、男女別に、更衣室というよりは、着替えのスペースがそれぞれ3つ、トイレが2つずつあった。着替えのブースは、前にビニールシートをひっかけるだけで、フックの位置が低めなので、背が高い人だったら、外から上半身見えるんじゃないか、と思う。ちょっと前に良く使われた言葉、生着替えのイメージだ。トイレはすぐにフラッシュできなくなり、できるだけ入りたくないと思わせる。シャワーは、男女別なだけで、シャワー単位に仕切りはなく、かつ外からまる見え。水着をぜんぶ脱いで、というわけにはいかない。物のない島だから仕方がないが、地下からくみ上げた水を出すたびに、汚水官が臭う。

そしてマンタナニに着いても、スタッフの段取りの悪さに変わりはなく、なかなかことがすすまない。前もそうだったが、マンタナニには、体験ダイビングや、Cカードは持ってはいても、ダイビングは旅行のついで1日だけ、といった感じの、ダイビング熱低めの人が多い。だからデイトリップ代にレンタル器材込の料金体系になっている。ウェットは、へたったスプリングで、1ミリもないし、ゆるゆる。首、袖、すそ、水の出入りが超よさそうで、寒さが予想される。フィンは、クレッシーの、へにゃへにゃな、おそらくシュノーケリングやレンタルラインものとおぼしきやつ。これがまた整理が悪いので、バスケットにどっさり入ったフィンたちの中から、左右同じサイズをみつけるのに、一枚ずつチェックで時間がかかる。ダイビング器材も、一度積んだセットの半分をボートから降ろしてみたり、何やってんだろう、ってな光景が繰り広げられていた。BCDは知らないメーカー製だが、ファブリックはまだキレイだったし、レギュレータとオクトパスはマレスだった。しかし、オクトとゲージのホースが異常に長いのにクリップもないので、これが水中で邪魔になる。タンクと腰の間にはさんでも、泳いでいるうちにはずれてきて、ロックなどにひっかりがちだ。そして、不明なゲージは、MAX20mを示したが、深度をあげてもずっと9mから動かなくなった。みんなが安全停止をしている位置に並んでも9m。水面でも9m。ボートにEXITしたら突然0に戻った。

かんじんのダイビング、であるが、水中は地味だった。天候が荒れたあとなので、グリーンがかってはいたが、20mくらいは見えていたし、白砂の水底なので明るかった。ところどころ点在するロックやサンゴの根を細かく見れば、なにか見つけられるのではないかと思うが、とにかくガイドの泳ぎが早く、止まることを知らないようだ。このガイド、おっさんで、PSR、ラヤンラヤン、サンガラキ、アンクルチャンで働いた、と自慢をするわりには、腕が悪い。さらに陸上では、うざさ爆発、たいへんなKYだった。この人がみつけたのはウミウシ2体で終了。さらにひどいことに、もう一人の日本人女性に、「あなたはKKでダイビングしたことありますか?ないのなら、マンタナニじゃなくてKKにした方がずっと良かったのに。」とか言っちゃう。あんたがそれをお客に言っちゃ、ダメでしょ。(実際、そのアドバイスに、内心激しく同意な水中だったのだが)

こうして、がっかりダイブ後はランチ。このランチも、はじまりそうでなかなかはじまらなかった。ランチはBBQ系がメインだったが、冬瓜のような野菜の入ったスープがおいしかった。BBQしたコーンがなんだかまずかったが、あとは普通。もう一人の日本人女性によると、コーンはすっぱくなっていたそうだ。

昼すぎになると、風は強めだが、南国らしいいいお天気になった。キナバル山には、雲がかかってきてしまった。



午後はシュノーケリングをする、といってあったが、これまた段取り悪し。突然、今すぐにボートが出るといわれ、ボートに飛び乗った。シュノーケリングポイントは、枝サンゴの群生がとてもきれいだったが、水面がちゃぷちゃぷしていて、弱い人なら、すぐに波酔いしそうだ。それに一面のサンゴ畑なのに、魚影が薄いのだ。私以外のシュノーケラーたちは、皆救命胴衣着用のチャイニーズたちで、わずか15分ほどで撤収となった。ボートで島に戻ったときに、やっとスキューバチームが出ていくところだった。ああ、もうすることもないのに、当分島から帰れないと落胆。

スキューバチームはむこう1時間は帰ってこないだろうし、時間つぶしにマンタナニのビーチを少し歩いてみることにした。ビーチでは、ダイビングもシュノーケリングもしないチャイニーズ女子たちが、アホみたいに焼いている。みんな色白なんだから、いくらSPF値が高いサンスクリーン使ったって、絶対、今日明日寝れないって、と思う焼き加減だ。





ところで、マンタナニのビーチは、細かい白砂がとても美しい。でも、なんとなく、打ち捨てられた感のあるビーチだ。今はこわれてしまっているあずまや風のベンチがいくつかあるので、そこにすわって休んでいたら、ローカルの女の子たちがやってきた。来たな、ローカルキッズ!みんな小学生低~中学年ほどの子たちだけど、ひとりどこにでもいるおませな感じの子がいて仕切りまくり。英語も話し、なかなかやり手っぽい。マンタナニの小学校では、マレーシアの共通学力テストみたいなやつに、一人もパスできない、というニュースをローカル誌で読んだことがあるが、そうとは思えない。「あなたはナニジンなの?」とか、「あの胸のところが大きく開いていて、紐になっている黒い水着の腹の出た女の人はナニジン?」とか聞いてくる。胸のところが紐になっている黒い水着の人とは、同じバスで来た、アジア系カップルの片割れのことだ。彼女はインド系の顔立ちだが、男性は中東系だ。とにかくビーチでやたらチューしまくるし、常にお互いの体のどかに触れていないと気のすまない二人なのだ。そして子どもが言うように、その女性の腹は、妊婦ばりの大きさ。でも、腹の大きくなる位置が妊婦とは明らかに違うから、単なる脂肪層だ。こういう体系の人が、おしみなく水着一丁で歩いていると、私もダイエットしなくていいかも、と勇気づけられたりもする。欧米人も、洋梨体系で堂々としたものだし、日本人は見た目を気にしすぎなのかな。こどもたちに、「あの人たちがナニジンかは知らないよ。」と答えると、おませ少女が他の少女たちに「知らないんだって。」と伝える。人前チューや、水着で肌をさらすのはムスリムではありえないはず。インドだって、リチャード・ギアが女優にキスしたとき、あんなに非難の対象になったんだから。まったくもってナニジンか想像しがたい。こんな離島にいるムスリムキッズの目には、そんな二人の行動が奇異に映って、ナニジンかとりわけ知りたかったのだろう。

こどもたちは、「クラパ・ムダ(ヤングココナッツのこと)を探そうよ!」と言いだし、移動をはじめたので、その間にそそくさとダイビングサービスの敷地へ戻った。スワイン・フルのことがあり、会社では、「海外に行く場合は届けるように」というメールが来ていたが、見なかったことにして、黙ってきてしまった手前、目だった日焼けもできない。ダイビングボートが出て行ってだいぶたっていた。前にマンタナニに来たときは、2ndダイブのエキジット後は、さっさと島を撤収した。戻ってきた人々で混み合う前にすばやくシャワーを浴びて、帰る気まんまん。ところがボートがいっこうに帰ってこない。

しかも、ウォータープルーフバッグに入れておいた50リンギット札1枚を盗まれたことに気がついた。ダイビング代は、当初、1本目のダイビングに出る前に払おうとしたら、ゆっくりでよいと言われた。でも、こうした万が一を考えて、さっさと受け取ってもらっておいた。そのときだって、余分なお金は目にふれないようにしていたのだ。ダイビングに出かける前に、持ち物はどうしたらよいかとたずねたら、ここはスタッフがいっぱいいて、いつも見ているから、そのままテーブルに置いといて大丈夫、といわれたが、大丈夫ではなかった。いちおう予備に50リンギット持ってきたのだが裏目に出てしまった。

とはいうものの、3年前、このショップに、みんなでまとめてダイビング代金を支払ったら、あとになって「ニセ札が混じってました~。」と連絡が来たことがあった。ニセ札は10リンギット札だったように思う。「パサール(ナイトマーケット)とか行きましたか?」と聞かれたが、パサールには行っていなかった。「バーには行ったけど。」と答えたら、「それならバーでニセ札をもらってしまったんだと思います。」と言われた。両替所やスーパーはちゃんとニセ札チェックをしているが、バーやパサールでは、店側には悪気がなくても薄暗くてよく見えないので、ニセ札と識別できずにそのままスルーしてしまう可能性がありそう、とのことだった。「それなら、そのニセ札分、払いますよ。」と言ったら、サービスも銀行に持って行って、「このお札は入金できません。」と言われるまで気づかず、よくチェックしなかったのも悪いので、今回は大丈夫、それより、こういうことがあるから、注意してくださいね、と言ってくれた。そんなこんなで、無理に前回分の穴埋めと考えようとしたが、やっぱり、むかむかむか。

水中はつまらない、ガイドはうざい、お金は盗まれる、トイレは不快と、マンタナニにいても何一ついいことがないので、ますます早く帰りたくてしょうがなくなった。でも、スキューバ組が帰ってきてくれないことには無理だ。あとで2本目も潜りに行った日本人女性から聞いたところ、浮上後水面で、15分くらいボートが拾いに来てくれず酔ってしまったそうだ。さらに別のシュノーケリング組も同乗していたそうで、その人たちをまだ拾いにいっていない、との話だった。彼女が紅茶でやっと落ち着いた頃に、やっとシュノーケリング組が戻ってきた。すでに時計は16時。ショップがメールでくれたスケジュールには、14時半に島出発、15時15分にコタブルのJETTY着とあったので、本来なら、もうKKにむけてバス移動開始していてよい時間なのだ。そして、ことごとく、なのだが、スタッフからは、何時にどこに集合して、という類のアナウンスがまったくないのだ。帰りも、いつになったら出るんだろう、とじりじりしながら待つが、突然スタッフから、「まもなく出発します」と言われた。そして「帰りはぬれるかもしれません」といい、それも「MAYBE YES, MAYBE NOT」というあやふやさ。そしてボートに乗り込んだときには、すでにぬれなさそうな席は、チャイニーズで埋まっていた。私は乗り物に強いので、「ここならぬれないぞ」と、前方の荷物置き場にすわっていたら、「そこは揺れるから」とスタッフに忠告され、「別に揺れて良いんですけど」と言うも、結局後方に追いやられた。そしてすぐにびしょぬれ。うがー。

ようやくボートがマンタナニを離れると、ボートは揺れまくった。島に入る時の方が、島から出るよりも楽なことが多いものだが、今回は逆だ。慣れない人々は、船酔いに苦しみ始めた。そんな中、黒い水着の、胸のところが紐になっている女性とその相方はべったり。女性は帰りもひとりボート上、水着一丁の露出ぶり。相当お気に入りの水着とみた。もしくは、相方がほめるのか。とにかく胸よりでかい腹が、見たくもないのに、いやおうなく視界に飛び込んでくる。しかも、何回も立ち上がり、お尻は砂だらけ、その砂を遠慮なく払うので、風下にすわっていた人は、砂を浴びて大迷惑。まったく、このふたりもKYきわまりない人たちだ。ボート上も、つねにさわりあいまくる二人。愛があるということはいいことだが・・・。一方、いちばん船酔いが重症だったチャイニーズ女の子は、ボートがJETTYに着いたあとも、しばらく席から動けず、JETTYにあがったあとも、すごーく気持ち悪そうに口を押さえ続けていた。その後の、彼女のカレシだがダンナに対する態度もずーっとうらめしそうだった。海況がよくない日に、海に慣れていない人たちを連れてきちゃかわいそうだ。

ゲストの何人かは島でシャワーと着替えをすませ、黒い水着の女性のようにJETTYの生着替えスペースで着替えたりシャワーを浴びる人もいる、といった具合で、みんなの足並みがそろわないため、こんどはJETTYでスタック。すっかり日も西に傾いている。ここからKKまで軽く90分のドライブが待っている。JETTYに着いてやっと帰れると喜んだのに、またこれでいらいらしてきた。おまけに、ダイビング代は支払い済なのに、別のスタッフが「ダイビング代金をまだいただいていませんでしたね。」なんて言い出す始末で、愛想もつきた。

JETTYからバスが出たのは、ほぼ18時だった。KKで19時までに両替しないと、レートのいい店は閉まってしまうし、スパにも行っておきたいし、おいしいものも食べたいのに、もう無理だ。朝、迎えに来た薄顔スタッフに、「私はAS SOON AS POSSIBLE、KKに帰らなきゃならないの!」と、暗に早く出発するように、KKに着いたら、さっさとジェッセルトンで降ろすように伝えるが、「デートね。」で片付けられた。18時頃になって車はやっとJETTYを出発し、ほぼノンストップで走り続けるが、メルキュールに着いたのが19時10分。そこからKKまでは20分程度かかってしまう。KKの道は、ロータリーが多く、目的地をすぎて戻ってこなければならない、というパターンが多いが、町を出ても同じこと、数百メートル先まで行ってUターンしないと入れないところが非常に多い。メルキュールホテルひとつとったって、車はいったん猛スピードでホテルの前を通過したあと、先のUターンポイントで折り返し、メルキュールの道に入り、また、そこから来た道をしばらく戻って折り返してきて、メルキュール前を通過して、という構造なのだ。

そんなKKに入れば、ジェッセルトンがいちばん最初に止まるべき位置なのに、あっさり通過して走り続けてくれた。「もうここで止めて。」とミレメワスーパー前で降り、ジェッセルトンまで走って帰った。KKの町を疾走したのは初めてだ。KKでは、走っている人なんていないので、浮いた存在だ。

というわけで、文句だらけのレポートになってしまった。でも、転んでもタダでは起きない私は、KYなDMにも、ジュゴン情報についてはしっかり探りを入れてみた。KYがジュゴンを最後に見たのは1年半くらい前だそうだ。ニッキーが消えたあとも、ジュゴンはこの界隈に、まったくいないわけではないのだ。でも、遠くを泳ぐ姿を見ただけだそうだ。今年、ジュゴンの目撃例があったそうだが、やはり遠かったらしい。そんなわけで、マンタナニはジュゴンが棲息しうる場所ではあるので、将来ジュゴンがまた定着することがあれば、また行ってみる。そんな話が出なければ、もうこれが最後だ。



【備考】
マンタナニ・ディトリップ(2009年5月現在)
2ダイブ 580リンギット
1ダイブ 480リンギット
(80リンギットで追加ダイブ可。事前予約要)
最小催行人員2名。
KKのホテルから島までの送迎、島でのBBQランチ、ソフトドリンク、レンタル器材込。
キナルー、トゥアランのホテル滞在からのピックアップは50リンギット増
ちなみにシュノーケリングオンリーは400リンギット、体験ダイビングは580リンギット。

ショップからもらったモデルスケジュールによれば・・・
 7:15 ピックアップ
 9:15 コタブルのJETTY着
 9:30 コタブルJETTYからマンタナニ島にむけてスピードボートで出発
10:15 マンタナニ到着後、お茶と軽食の後、1stダイブ
12:00 BBQランチ
13:30 2ndダイブ
14:30 マンタナニよりコタブルJETTYへむけて出発
15:15 コタブルJETTY着 
18:30 ホテル着
2ndダイブ開始が13:30で、島発が、14:30ってところが、そもそも非現実的ですね。

ネガティブなコメントになってしまったので、ダイブショップのリンクは貼り付けませんが、マンタナニ取り扱いを大々的に行っているのは、私が使った、ウィスマ・サバにある1件だったような気がします。