冬のお楽しみは、乾期のモルディブ。
長かった今年の冬にも、ようやく終わりが見えてきた今ごろになって、やっとモルディブへ行く日が来た。
ひとり紆余曲折をへて、なんとか手にしたモルクル旅。
心はシパダンなのに、モルディブへゆく矛盾。
なぜならモルディブには、ガーフ環礁があるから。
去年の南下クルーズ転じて赤道越えクルーズで、絶対また潜りたいと思ったガーフ。
クルーズでガーフに行くのは、乾期のスペシャルコースだけなので、ある意味、嫌いな冬を待っていた。
ガーフ環礁では、王道コースのように、お約束でマンタやジンベイに会えるわけではない。
でも、チャネルダイブの強い流れが爽快だし、何が出るかわからない期待感がある。
アイランド・サファリ・ロイヤル
今の私には、モルディブにホームとするリゾートもサファリボートもない。
おととしはブルーシャーク2、去年はイクエーター、そして今年はアイランド・サファリ・ロイヤル。
どこにも定着しない感じ…。
ブルージャーク2は、今年は赤道系の企画がない。
去年に引き続き、イクエーター号に乗りたい気もしたが、赤道超えたアッドゥももれなくついてくる。
アッドゥのサンゴはとてもきれいだけれど、シパダンのサンゴで十分満足しているので、モルディブでは、サメ、サメ、サメなチャネルダイブをキボンヌ。
おまけに、私は赤道に近づくほど快調になるのに、赤道越えると体調不良になる傾向が…。
去年も赤道超えたアッドゥでリバースブロック起こしたし、ボルネオだって赤道超えたカリマンタンサイドや、まして南半球のランギロアに行ったら、おなかが痛くなる。
ま、ダイビングできる程度のぷち体調不良ですんでいるが。
こんなことで、いつの日かガラパゴスやココ、南アに行けるのだろーか?
そんなこんなでイクエーターに決めかねていたところに、アイランド・サファリ・ロイヤルには、「ひたすらガーフでダイビングコース」があるのを知り、迷わずエントリー。
しかーし。
いまの職場で新人の私は、年休争奪戦にあっさり敗退。
1週ずらせば休みがとれるが、「マーレへ向かって北上コース」になるので、ガーフでのダイビングは激減する。
でも、マーレからガーフへの南下途中にはおもしろいポイント満載なので、北上で妥協すっか、と翌週に変更をお願いしたら、すでに満席、キャンセル待ち多数で見込薄とのこと。
申込金も払ってあったので、ダメ元で空きが出たら入れてくださいとキャンセル待ち。
イクエーター号にはまだ空きがあるという話で、しばらく様子見をすることにした。
そして、金曜下船のみのアイランド・サファリ・ロイヤルと土曜下船のみのイクエーターのどちらに転んでもよいように、SQでマーレまで7万という、変更可能な航空券だけ先にGETし、旅行会社にはクルーズだけの手配にしてもらうことにした。
その後、出発1か月前が近づきいても、音沙汰なかったので、「キャンセル待ちは断念します」と連絡したら、なんとかお部屋の調整ができそうですとの話で、アイランド・サファリ・ロイヤルに乗ることになった。
SQ11 成田2050 シンガポール0340
さて、私が買ったチケットは、安いだけに、利用可能な便が限られていて、こんな便。
羽田発深夜便には使えない。
羽田発朝便は使えるが、午前6:35発。
どうやって羽田にゆける?
公共の交通機関を使ってたどりつけるのか?
タクシーの割増料金払ったら、安いチケット買った意味がない。
早朝羽田への到達にはかなりの苦難が予想されるので、あえて遠い成田発にした。
でも、18:00に会社を出て、20:50発に間に合うんだろうか?
SQのチェックインクローズは、ホームページによれば40分前。
18:33の東京発N'exに乗れれば、じゅうぶん間に合う計算だ。
万が一乗り遅れたら、翌朝羽田の便に空きがあることを祈るしかない。
私が東京駅にたどり着くには、新橋までメトロで出て、JRに乗り換える。
ラッシュだし、総武快速のホーム深めだし、ちょっと仕事ではまったら命とり。
Google地図で、会社の所在地から東京駅までの徒歩移動を調べたら33分。
へー、ところどころ走れば、歩きでも間に合うんだ、とちょっと安心。
幸い、18時にさっさと会社からの脱出に成功し、ジョギングすることなく、ぎゅうぎゅうのメトロで新橋へたどりついた。
総武快速の千葉方面ゆきホームなんて、学生のとき、北谷津の乗馬クラブに通っていた頃以来でテンパるが、ホームに降り立ったのが18:21。
総武快速は、とばすし揺れるので、何度もよろめいた。
ふだんの通勤で慣れてるらしいまわりの人はよろめかないので、気まずい。
東京駅でN'exにのりかえ、ほっ。
車掌さんが来て、通路をはさんで隣に座っていた男性の「キップを拝見」してるので、私もキップを手にスタンバるが、車掌さん、きょろきょろしてて来ない。
寝たいし早く検札してー、と思うが、なぜか私はスルーされる。
まわりの人は、車内販売のビールなんか買って飲んでる。
私はSQでTiger Beerもらうまでがまんしよーっと。
日も暮れているので、わずか1時間の乗車時間をとても長く感じる。
成田についたら、猛ダッシュする男子が2名。
あんなにあわてて気の毒に、私はまだまだ大丈夫と余裕で4階にあがったら、「SQ11便の搭乗手続きは間も無く終了します」とアナウンス。
まぢですか?
空港宅配カウンターへ荷物をとりにゆき、アナウンスにもかかわらず、悠長に靴を履き替え、ブーツとコートをバッグにおしこむ。
空腹は極限に達するが、機内食までがまん。
しかし、ゲートで搭乗まちの行列に並ぶ手前で、ショートブレッドが目に飛び込み、買ってしまった。
ひさびさのA380、ひさびさの二階席。
離陸しイヤホンが配られたら、さっそく見たかった「Life of Pi」を観賞。
映像的には、映画館の大スクリーンで観るべき作品だ。
宗教観だとか、死生観だとか、哲学要素に満ち満ちていると同時に荒唐無稽で考え始めるときりなく難解なおとぎ話。
ダイバー視点だと、海の生き物のCG(3Dで見たら見事だろうと思うけど)にはツッコミどころがけっこうある。
パイを見ているうちに、隣のインド系ビジネスマンに出てきたベジタリアン・ミールがスパイシーな香りを放ち、ちょっとうらやましい。
ふつうのミールは、きょうはビーフとチキンのチョイスで、ビーフにしたら、ビーフシチュー的なミールは、おいしくなかった。
こんなことなら私もベジタリアンにしとけば良かった、と悔やむが、なんかとっても臭うミールであることが判明。
さて、???な気持ちで見ていた「Life of Pi」が終わった。
あんまり後味もよくないし、好きになれない映画だった。
続いて、「Kingdom of the Oceans」というドキュメンタリーを観た。
これ、すごい。
パイのCG映像のエアさかなとちがって、やはりリアルさかなはすごい!
どこの海とは詳細に特定していないが、大物ばかりが目白押しの映像に羨望。
冒頭は、南アメリカで、魚の群れを狙って来るハシナガイルカの大群や、正面から迫ってくるキハダマグロの群れ、devil rayの群れ。
また、どこかの海のカジキの群れ、マンボウ、ジンベイ、シイラ…
南アフリカのサーディンランで、イルカとサメと海鳥が入り乱れ…
そして、太平洋のどこかでハンマーヘッドの群れ。
シロナガスクジラや、最後は川を遡上するシャケ…。
すべてが大迫力。
う~ん、たまには水中イルカ見たい…と思っているうちに睡魔には勝てず、途中で落ちてしまった。
ここまでは望めないけど、ガーフやアッドゥのツアーでは、イタチザメやカジキなど大物レポートがブログにUPされているから、私もなんか大きいもの見たいなあ。
モルディブのハンマーは期待薄だけど、去年1年はハンマー1本も見てないし。
だけど、みたいみたいって、ギラギラしてゆくと見られないんだよなーと思っているうちに、さすがに日本の真夜中なので、これ以上、映画を見る気にはなれず、眠ることにした。