セントーサ島のアンダーウォーターワールドには、2回来たことがある。
1回目は、初心者ダイバーかつ、伊豆ダイバーの頃だったので、トロピカルな水槽に感激。
トンネル水槽を、動く歩道で何週もした。
2回目は、完全リゾートダイバー化していたので、クールに観察。
トンネル水槽も、お愛想ていどに2周だけで見学終了。
それなのに、なぜ今、ふたたびアンダーウォーターワールドなのかというと、前はいなかったジュゴンにピンク・ドルフィンがいるというからだ。
ジュゴンなんて、そうそう会えるものではない。
イルカも、バンドウやハシナガならチャンスはあるが、ピンクドルフィンに会うことは、まずないだろう。
ならば、もうミラクルに期待するより、水族館でお目にかかっちゃえ!
セントーサはもう3度目、知っている場所、という思い込みで、なんの不安もなく、事前にアクセスや施設のことをちゃんと調べておかなかった。買わないまでも、「るるぶ」でしっかりチェックしたカヤ・トーストとちがって、セントーサは、ぱらぱらっとページをめくっただけで、「ジュゴン」「ピンクドルフィン」以外の文字は見えちゃいなかった。セントーサは過去2回とも、「連れて行ってもらった」という事実を、すっかり忘れて。
初セントーサは、旅行会社時代、初めての添乗のときだった。添乗といっても、セントーサは、あらかじめ観光スケジュールに組み込まれていたから、ホテルから、ローカルガイドつきのバスで乗りつけるだけ。アジアのローカルガイドは、添乗員の立場がなくなるほど率先して仕事をするので、添乗員は、人数チェックと、集合時間の案内と、食事のときのお飲み物精算をする以外は、ほぼついていくだけの人だったりする。それゆえに、添乗デビューの地にされたわけだ。
2回目は、シパダンで知り合ったシンガポリアンのビジネスマンたちが、シンガポールでトランジットのとき、チャンギまでピックアップに来てくれ、車で連れていってくれた。たぶん、ダイバーだから水族館がいいだろう、って思ってくれたんだろう。でも、実際には、そのあとの、ローカルと一緒でもないと、ちょっと行きにくいゲイラン・ロードでの中華がおいしかったことばかりが印象に残ってたりする。
よって、どうやって島に行けばよいかを知らないことに気づいた私は、キリニー・コピティアムでカヤ・トーストをぱくつきながら、「セントーサ、行き方」でぐぐってみた。検索結果のトップに出てきたのは、「教えて!goo」で、ハーバーフロント駅から、シャトルバスかケーブルカーを使うということを知った。ケーブルカーは高いと書いてあったので、バスに即決。2005年に投稿されたもので、ちょっと古い情報だけど、島の場所が変わるわけじゃないと、投稿時期には無頓着だった。
ハーバーフロント駅に着くと、そこはVIVO CITYというショッピングセンターに直結していて、セントーサゆきモノレールの表示があった。このビルでモノレールに乗れるんなら、バスよりモノレールがいいな、ちょっと聞いてみよう、とインフォメーションに行くが、インフォメーションはもぬけのから。外にたまたまセントーサゆきのバスが入ってくるのがみえたので、ついつい反射的にバスに乗ってしまった。バスに乗るとすぐにロープウェーが見えてきて、そういえば、あれでマウント・フェーバーってのに行ったなあと、おぼろげに記憶が甦ってきた。かくもシンガポール観光の印象は、私の中では薄い。アンダーウォーターワールドで、トンネル水槽を何周もしていたある周に、イトヒキアジが目から流血しており、「ああ、かわいそうに…」と思っていたら、次の周にはもう、サメや他の魚に食べられているところだったとか、もともと私は大の蝶ぎらいなので、バタフライガーデンを駆け抜けたとか、第二次大戦時代の日本の侵略の過去を目の当たりにする展示室で、その史実は、日本人として、その場にいづらい雰囲気にさせるものだったとか…。ずーっと忘れていた小さなトラウマばかりが甦ってきた。
バスが島に近づくと、キャッスルが見えてきた。「なんでこんなところに浦安みたいなのが?」と思ったら、ユニバーサル・スタジオで、シュレックの城らしい。そういえば、本屋で立ち読みしたガイドブックには、2010年にユニバーサルスタジオがオープンって書いてあったな。今はテーマパークには無関心なので、そんな情報はスルーしていた。そして、バスが着いたのは、「リゾート・ワールド・セントーサ」。リゾートといっても、癒しではない、超アクティブなリゾートで、すべてが超人工的だ。なんだか島全体が、過去の記憶の中のセントーサと、すっかり様変わりしている。それもそのはず、冷静になって考えてみたら、この前セントーサに来たのは、なんと1996年。年とるわけだ。
さて、セントーサ島内では、モノレールを乗り降りして、アンダーウォーターワールドをはじめとする見学箇所にアクセスした記憶があるが、今もモノレールはあれど、4駅しかない路線図には、あったはずのアンダーウォーターワールド駅がない。聞いた方が早いので、インフォメーションにゆくが、チャイニーズのファミリーが、どのアトラクションをつけるか、家族内で意見がまとまらず、あーだこーだとやってくれたので、けっこうなタイムロス。やっとスタッフをつかまえて、「アンダーウォーターワールドだけに行きたいんだけど。」とたずねたら、「モノレールに乗ってビーチステーションまでゆけばOK!モノレールはタダ。」といわれた。昔のモノレールが一方向に向かって走っていたので、入ってきたモノレールに飛びのったら、またまたハーバーフロント駅に戻ってしまった。大間抜け。最初からモノレールを使えば早いのに、あえてバスにS$2払って、遠回りしてきた自分の愚かさ。しばしVIVO CITYのボードウォークふうの屋上で呆然。ピンク・イルカのショーが11時半からということだけはおさえてあったが、このままだと間に合わないくさい。明日からはモルディブの海で、天然のアンダーウォーターワールドが待っているし、もう人工的なアンダーウォーターワールドなんてやめちゃおうかな、と思ってみたりする。が、気をとりなおして、もう一度、モノレールに乗って(これもVIVO CITYから乗るとS$3かかる!)、ビーチステーションにゆく。
ビーチステーションで降りると、モノレール駅の近くにアンダーウォーターワールドがあったという記憶に支配されているので、周囲をきょろきょろ見まわすが、水族館らしい建物はない。駅に戻ってスタッフにたずねると、「ブルーバスに乗ってね。」と言われる。モノレールからバスに乗り換えた記憶なんて、まったくない。でも、そうなら、最初からビーチステーションからバスに乗り換えて、って説明しやがれだ。ここのスタッフは、モノレールが出るときは、愛想よく手を振るが、インフォメーション的には、言葉足らずだ。ビーチステーションからアンダーウォーターワールドまでは起伏のある道をけっこう走る。このあたりの道は、片側、ジャングルだったり、自然が残っている。こうして、やっとアンダーウォーターワールドにたどりついた。
アンダーウォーター・ワールド
バスを降りると、クジャクの親子がうろうろしていた。
ゲストが食べるスナックのおこぼれにありつくためらしい。
そして、サメのオブジェがお出迎え。
もしかして、このごろっと感と、テールは、ホオジロさん?ですね?
本物に迎えられたらこわい。
途中、なぜだかヘビを首に巻いて記念写真がとれるコーナーがあり、そしてカメの池がある。
カメの池には、タイマイ、アオウミガメ、アカウミガメ。
アオウミガメはシパダンにいっぱい、タイマイもときどき、でも、アカウミガメは見たことがない。
しばらくカメ池をのぞいていたが、なじみのアオウミガメとタイマイしか顔を出してくれなかった。
入場券はS$22.98。1500円弱。
入場券売り場に掲示されている、「Swim with Dolphin」「Swim with Dugong」というプログラムに心ひかれ、予約できれば、モルディブからの帰りにも寄ろうかな、なんて思わないでもないが、ダイバーだから、そんな水槽ぐらしではなく、いつか自然界で会えるミラクルに期待して、そんな商業的アトラクションの誘惑は断ち切る。
売り場のお姉さんに、「イルカのショーは2時半です」と言われ、やはり11時半には間に合わなかったが、それまでここで時間をつぶせないだろうな。
ふむふむ、こんなのが見られるのね。
入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、明日から普通に会うであろう、トロピカルフィッシュの水槽。
また、入り口近くには、エイにさわれる水槽があった。
サカナは体温が低いので、人間がさわると、低温ヤケドをすると主張する人がいるけれど、ここは海洋学者たちがかかわっているので、そんなことはないのかな。
ダイビングでは、水中生物にさわらないが鉄則なので、学者が携わってるのに、積極的にさわらせる、ってのも、どーなの?と思えてくる。
ボロカサゴ。
のぞきこむと、こっちを向いてくれた。
この子は、いろいろポーズをとってくれ、いちばんコミュニケーションがはかれた!?
フリソデエビはここでも落ち着きがない…。
シーホース
り~ふぃ~すぃ~どらごんさん…。は、私にとっては、なんかきもい生き物。
うぃ~でぃ~どらごんさんたちと、三位一体。
ガーデンイールはここでもやっぱり引っ込みがち。
にしきあなごだけでなく、ちんあなごもいたが、ちんさんたちは、全員引っ込んでしまった。
シパダンでは、にしきさんの方が用心深そうだが…
ジェリーフィッシュは、ライティングでカラフル。
パラオでも、サンガラキでも、ジェリーフィッシュレイクは、にごった水に汚いオレンジ色のクラゲ達できらいだったが、こんな色だったら、楽しいかも。
でも、これは妖しすぎ…
フランス人に人気のクリオネさん。
というか、クリオネ水槽の前では、フランス語しか聞こえなかったから。
ほかには、コブシメ、オクトパス、オウムガイがいたし、タカアシガニなど、カニさんコーナー、淡水魚の間があった。
そして、アンダーウォーターワールド名物のトンネル。
前は、クリアなイメージだったが、アクリルがちょっと汚れたかな?
トンネル水槽には大きなグルーパー、ホワイトチップ、ナースシャーク、トラフザメ、ギンガメアジ、クロヒラアジ、マルコバン、イトヒキアジなど各種アジ、各種スティングレイなどなど。たまにパウダーブルーサージョンフィッシュも混じっているが、全体の印象ではカラフルな感じはあまりしない。前はマンタがいた記憶があるが、マンタはみえなかった。
大きなエイが頭上を通るたびに、「みら!」、また別のが来ると、「おーとろ!」と繰り返し聞こえてくる。
!Mira!は、「見て!」、otroは、もうひとつの、の意味で、スペイン語。
彼らは、ずっと私の近くにいたが、エイの時以外は感嘆符は聞こえてこなかったから、スペイン人はエイがお好き!?
そして、一周83メートルというトンネルのおしまいが、ジュゴンの家。
ジュゴンの表示と、写真と、説明が書いてはあるが、ご本人様おらず。
二周めも、かわらずご不在。
水族館で定住のはずの生き物にあえないなんて、相当ツキがない?
明日からのクルーズでの運が心配になってくる。
ジュゴンは時間的にいないだけで、粘れば出てくるのかわからないが、マイクを持ったインド系の説明係は、なぜかジュゴン水槽の前までは来ないので、たずねることができなかった。あともう1周する気にはなれず、ジュゴン不在に落胆しつつも、あっさりあきらめて、ドルフィンラグーンへ移動。
ここには、肌がピンクがかった、ピンクドルフィンがいる。
ピンクドルフィンは、「粉紅海豚」と書くらしい。
一度めのショーが終わったばかりの彼ら、ギーギー言いながらお食事中だった。
やがて調教師さんが去り、残された彼ら、縦横無尽に泳ぎはじめた。
ときにじゃれながら…。
だんだんプールのへりに近づいてきて、水面すれすれに泳ぐので、目もあう。
ショーでのパフォーマンスは見逃したが、勝手に遊んでいる彼らをながめるのもいいもんである。
ほとんど人のいないドルフィン・ラグーンでイルカを20分ほどながめた。
次のショーを14時半まで、約2時間、とてもここで待つ気にはなれないのでラグーンを出た。
さ、もう町へ帰ろう。
止まっていた島内シャトルに飛び乗って、インビアなるモノレール駅まで戻る。
降りると、左手に、ときどき目からビームを放つらしいマーライオンタワー。
三大がっかりの本家同様、こちらもなんだか魅力のない建造物だ。
そしてまた、本日3度目のVIVO CITYに戻ってきた。
疲れた!
教訓:個人旅行では、必ず最新情報を調べましょう。
(帰ってきてチェックしたら「セントーサ・モノレール」は、2005年に廃止されており、今のモノレールは「セントーサ・エキスプレス」でルートも違うことが判明。)
*** つづく ***
1回目は、初心者ダイバーかつ、伊豆ダイバーの頃だったので、トロピカルな水槽に感激。
トンネル水槽を、動く歩道で何週もした。
2回目は、完全リゾートダイバー化していたので、クールに観察。
トンネル水槽も、お愛想ていどに2周だけで見学終了。
それなのに、なぜ今、ふたたびアンダーウォーターワールドなのかというと、前はいなかったジュゴンにピンク・ドルフィンがいるというからだ。
ジュゴンなんて、そうそう会えるものではない。
イルカも、バンドウやハシナガならチャンスはあるが、ピンクドルフィンに会うことは、まずないだろう。
ならば、もうミラクルに期待するより、水族館でお目にかかっちゃえ!
セントーサはもう3度目、知っている場所、という思い込みで、なんの不安もなく、事前にアクセスや施設のことをちゃんと調べておかなかった。買わないまでも、「るるぶ」でしっかりチェックしたカヤ・トーストとちがって、セントーサは、ぱらぱらっとページをめくっただけで、「ジュゴン」「ピンクドルフィン」以外の文字は見えちゃいなかった。セントーサは過去2回とも、「連れて行ってもらった」という事実を、すっかり忘れて。
初セントーサは、旅行会社時代、初めての添乗のときだった。添乗といっても、セントーサは、あらかじめ観光スケジュールに組み込まれていたから、ホテルから、ローカルガイドつきのバスで乗りつけるだけ。アジアのローカルガイドは、添乗員の立場がなくなるほど率先して仕事をするので、添乗員は、人数チェックと、集合時間の案内と、食事のときのお飲み物精算をする以外は、ほぼついていくだけの人だったりする。それゆえに、添乗デビューの地にされたわけだ。
2回目は、シパダンで知り合ったシンガポリアンのビジネスマンたちが、シンガポールでトランジットのとき、チャンギまでピックアップに来てくれ、車で連れていってくれた。たぶん、ダイバーだから水族館がいいだろう、って思ってくれたんだろう。でも、実際には、そのあとの、ローカルと一緒でもないと、ちょっと行きにくいゲイラン・ロードでの中華がおいしかったことばかりが印象に残ってたりする。
よって、どうやって島に行けばよいかを知らないことに気づいた私は、キリニー・コピティアムでカヤ・トーストをぱくつきながら、「セントーサ、行き方」でぐぐってみた。検索結果のトップに出てきたのは、「教えて!goo」で、ハーバーフロント駅から、シャトルバスかケーブルカーを使うということを知った。ケーブルカーは高いと書いてあったので、バスに即決。2005年に投稿されたもので、ちょっと古い情報だけど、島の場所が変わるわけじゃないと、投稿時期には無頓着だった。
ハーバーフロント駅に着くと、そこはVIVO CITYというショッピングセンターに直結していて、セントーサゆきモノレールの表示があった。このビルでモノレールに乗れるんなら、バスよりモノレールがいいな、ちょっと聞いてみよう、とインフォメーションに行くが、インフォメーションはもぬけのから。外にたまたまセントーサゆきのバスが入ってくるのがみえたので、ついつい反射的にバスに乗ってしまった。バスに乗るとすぐにロープウェーが見えてきて、そういえば、あれでマウント・フェーバーってのに行ったなあと、おぼろげに記憶が甦ってきた。かくもシンガポール観光の印象は、私の中では薄い。アンダーウォーターワールドで、トンネル水槽を何周もしていたある周に、イトヒキアジが目から流血しており、「ああ、かわいそうに…」と思っていたら、次の周にはもう、サメや他の魚に食べられているところだったとか、もともと私は大の蝶ぎらいなので、バタフライガーデンを駆け抜けたとか、第二次大戦時代の日本の侵略の過去を目の当たりにする展示室で、その史実は、日本人として、その場にいづらい雰囲気にさせるものだったとか…。ずーっと忘れていた小さなトラウマばかりが甦ってきた。
バスが島に近づくと、キャッスルが見えてきた。「なんでこんなところに浦安みたいなのが?」と思ったら、ユニバーサル・スタジオで、シュレックの城らしい。そういえば、本屋で立ち読みしたガイドブックには、2010年にユニバーサルスタジオがオープンって書いてあったな。今はテーマパークには無関心なので、そんな情報はスルーしていた。そして、バスが着いたのは、「リゾート・ワールド・セントーサ」。リゾートといっても、癒しではない、超アクティブなリゾートで、すべてが超人工的だ。なんだか島全体が、過去の記憶の中のセントーサと、すっかり様変わりしている。それもそのはず、冷静になって考えてみたら、この前セントーサに来たのは、なんと1996年。年とるわけだ。
さて、セントーサ島内では、モノレールを乗り降りして、アンダーウォーターワールドをはじめとする見学箇所にアクセスした記憶があるが、今もモノレールはあれど、4駅しかない路線図には、あったはずのアンダーウォーターワールド駅がない。聞いた方が早いので、インフォメーションにゆくが、チャイニーズのファミリーが、どのアトラクションをつけるか、家族内で意見がまとまらず、あーだこーだとやってくれたので、けっこうなタイムロス。やっとスタッフをつかまえて、「アンダーウォーターワールドだけに行きたいんだけど。」とたずねたら、「モノレールに乗ってビーチステーションまでゆけばOK!モノレールはタダ。」といわれた。昔のモノレールが一方向に向かって走っていたので、入ってきたモノレールに飛びのったら、またまたハーバーフロント駅に戻ってしまった。大間抜け。最初からモノレールを使えば早いのに、あえてバスにS$2払って、遠回りしてきた自分の愚かさ。しばしVIVO CITYのボードウォークふうの屋上で呆然。ピンク・イルカのショーが11時半からということだけはおさえてあったが、このままだと間に合わないくさい。明日からはモルディブの海で、天然のアンダーウォーターワールドが待っているし、もう人工的なアンダーウォーターワールドなんてやめちゃおうかな、と思ってみたりする。が、気をとりなおして、もう一度、モノレールに乗って(これもVIVO CITYから乗るとS$3かかる!)、ビーチステーションにゆく。
ビーチステーションで降りると、モノレール駅の近くにアンダーウォーターワールドがあったという記憶に支配されているので、周囲をきょろきょろ見まわすが、水族館らしい建物はない。駅に戻ってスタッフにたずねると、「ブルーバスに乗ってね。」と言われる。モノレールからバスに乗り換えた記憶なんて、まったくない。でも、そうなら、最初からビーチステーションからバスに乗り換えて、って説明しやがれだ。ここのスタッフは、モノレールが出るときは、愛想よく手を振るが、インフォメーション的には、言葉足らずだ。ビーチステーションからアンダーウォーターワールドまでは起伏のある道をけっこう走る。このあたりの道は、片側、ジャングルだったり、自然が残っている。こうして、やっとアンダーウォーターワールドにたどりついた。
アンダーウォーター・ワールド
バスを降りると、クジャクの親子がうろうろしていた。
ゲストが食べるスナックのおこぼれにありつくためらしい。
そして、サメのオブジェがお出迎え。
もしかして、このごろっと感と、テールは、ホオジロさん?ですね?
本物に迎えられたらこわい。
途中、なぜだかヘビを首に巻いて記念写真がとれるコーナーがあり、そしてカメの池がある。
カメの池には、タイマイ、アオウミガメ、アカウミガメ。
アオウミガメはシパダンにいっぱい、タイマイもときどき、でも、アカウミガメは見たことがない。
しばらくカメ池をのぞいていたが、なじみのアオウミガメとタイマイしか顔を出してくれなかった。
入場券はS$22.98。1500円弱。
入場券売り場に掲示されている、「Swim with Dolphin」「Swim with Dugong」というプログラムに心ひかれ、予約できれば、モルディブからの帰りにも寄ろうかな、なんて思わないでもないが、ダイバーだから、そんな水槽ぐらしではなく、いつか自然界で会えるミラクルに期待して、そんな商業的アトラクションの誘惑は断ち切る。
売り場のお姉さんに、「イルカのショーは2時半です」と言われ、やはり11時半には間に合わなかったが、それまでここで時間をつぶせないだろうな。
ふむふむ、こんなのが見られるのね。
入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、明日から普通に会うであろう、トロピカルフィッシュの水槽。
また、入り口近くには、エイにさわれる水槽があった。
サカナは体温が低いので、人間がさわると、低温ヤケドをすると主張する人がいるけれど、ここは海洋学者たちがかかわっているので、そんなことはないのかな。
ダイビングでは、水中生物にさわらないが鉄則なので、学者が携わってるのに、積極的にさわらせる、ってのも、どーなの?と思えてくる。
ボロカサゴ。
のぞきこむと、こっちを向いてくれた。
この子は、いろいろポーズをとってくれ、いちばんコミュニケーションがはかれた!?
フリソデエビはここでも落ち着きがない…。
シーホース
り~ふぃ~すぃ~どらごんさん…。は、私にとっては、なんかきもい生き物。
うぃ~でぃ~どらごんさんたちと、三位一体。
ガーデンイールはここでもやっぱり引っ込みがち。
にしきあなごだけでなく、ちんあなごもいたが、ちんさんたちは、全員引っ込んでしまった。
シパダンでは、にしきさんの方が用心深そうだが…
ジェリーフィッシュは、ライティングでカラフル。
パラオでも、サンガラキでも、ジェリーフィッシュレイクは、にごった水に汚いオレンジ色のクラゲ達できらいだったが、こんな色だったら、楽しいかも。
でも、これは妖しすぎ…
フランス人に人気のクリオネさん。
というか、クリオネ水槽の前では、フランス語しか聞こえなかったから。
ほかには、コブシメ、オクトパス、オウムガイがいたし、タカアシガニなど、カニさんコーナー、淡水魚の間があった。
そして、アンダーウォーターワールド名物のトンネル。
前は、クリアなイメージだったが、アクリルがちょっと汚れたかな?
トンネル水槽には大きなグルーパー、ホワイトチップ、ナースシャーク、トラフザメ、ギンガメアジ、クロヒラアジ、マルコバン、イトヒキアジなど各種アジ、各種スティングレイなどなど。たまにパウダーブルーサージョンフィッシュも混じっているが、全体の印象ではカラフルな感じはあまりしない。前はマンタがいた記憶があるが、マンタはみえなかった。
大きなエイが頭上を通るたびに、「みら!」、また別のが来ると、「おーとろ!」と繰り返し聞こえてくる。
!Mira!は、「見て!」、otroは、もうひとつの、の意味で、スペイン語。
彼らは、ずっと私の近くにいたが、エイの時以外は感嘆符は聞こえてこなかったから、スペイン人はエイがお好き!?
そして、一周83メートルというトンネルのおしまいが、ジュゴンの家。
ジュゴンの表示と、写真と、説明が書いてはあるが、ご本人様おらず。
二周めも、かわらずご不在。
水族館で定住のはずの生き物にあえないなんて、相当ツキがない?
明日からのクルーズでの運が心配になってくる。
ジュゴンは時間的にいないだけで、粘れば出てくるのかわからないが、マイクを持ったインド系の説明係は、なぜかジュゴン水槽の前までは来ないので、たずねることができなかった。あともう1周する気にはなれず、ジュゴン不在に落胆しつつも、あっさりあきらめて、ドルフィンラグーンへ移動。
ここには、肌がピンクがかった、ピンクドルフィンがいる。
ピンクドルフィンは、「粉紅海豚」と書くらしい。
一度めのショーが終わったばかりの彼ら、ギーギー言いながらお食事中だった。
やがて調教師さんが去り、残された彼ら、縦横無尽に泳ぎはじめた。
ときにじゃれながら…。
だんだんプールのへりに近づいてきて、水面すれすれに泳ぐので、目もあう。
ショーでのパフォーマンスは見逃したが、勝手に遊んでいる彼らをながめるのもいいもんである。
ほとんど人のいないドルフィン・ラグーンでイルカを20分ほどながめた。
次のショーを14時半まで、約2時間、とてもここで待つ気にはなれないのでラグーンを出た。
さ、もう町へ帰ろう。
止まっていた島内シャトルに飛び乗って、インビアなるモノレール駅まで戻る。
降りると、左手に、ときどき目からビームを放つらしいマーライオンタワー。
三大がっかりの本家同様、こちらもなんだか魅力のない建造物だ。
そしてまた、本日3度目のVIVO CITYに戻ってきた。
疲れた!
教訓:個人旅行では、必ず最新情報を調べましょう。
(帰ってきてチェックしたら「セントーサ・モノレール」は、2005年に廃止されており、今のモノレールは「セントーサ・エキスプレス」でルートも違うことが判明。)
*** つづく ***