春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「ピカソとクレーとエルンスト新潟美術館展in目黒美術館」

2015-06-04 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150604
ぽかぽか春庭アート散歩>つゆどきアート(3)ピカソとクレーとエルンスト新潟美術館展in目黒美術館

 東京には美術館が集中していて、毎月なにかしらの美術展を楽しむことができます。しかし、地方の美術館は、旅先でたまたま時間がとれた、というときか、その美術館目当てで旅行するかのどちらか。昨年は、山梨県立美術館所蔵のミレーを見るために、甲府へ出向きましたが、新潟に旅したときは時間がなくて、美術館まで足を伸ばせませんでした。
 次に新潟に行くときはいつになるのやら、と思っていたのですが、美術館のほうから東京へ出向いてくれました。

 新潟出身者や新潟在住の画家作品を中心に収集をしてきた新潟美術館。開館30周年を迎えます。目黒美術館は今年28年目。目黒区在住やゆかりの画家の作品を収集しています。互いに所蔵作品を交換しての展覧会が企画されたのだろうと思います。
 新潟美術館では「ひろしま美術館展」が開催中。ひろしま美術館の次回展示は、東郷青児美術館で見た「ユトリロとヴァラドン展」、いくつかの美術館がぐるぐると展示を交換しながら地方の人にもさまざまな絵が見られるようにしていて、いいんじゃないでしょうか。

 目黒美術館で見ることができた新潟美術館所蔵作品。目玉はピカソとクレー。
パブロ・ピカソ「ギターとオレンジの果物鉢」1925年


パウル・クレー「プルンのモザイク」1931年、チラシやチケットの図案、ポスターにもなっていました。



 そのほかの「有名画家」出品では、マックス・エルンストの「ニンフエコー」1935。木霊の精を描いた作品、近代美術館所蔵のエルンストとはまた違う感じで、とてもよかったです。この絵はがきを買いました。実際の絵は、もう少し緑色が鮮やかです。
 


 目黒美術館と新潟美術館が共通して収集していた画家を並べて展示するなど、キュレーターの工夫がよくわかる展示でした。はじめて見た日本人画家も数多かったですが、やはりエルンスト、クレー、ピカソが一番印象に残りました。

 今回の展示で見た画家、次に見たとき「あ、この画家、記憶に残っている」と思える絵にまた会えたらいいな。

 バブルまっさかりのころ、地方でも競ってコンサートホールだの美術館が建てられました。しかし、今のところ、赤字経営になっている施設が多いようです。コンサートホールも美術館も維持費に税金がかかります。企業のように、儲からなくなったら支店縮小、人減らし、ということはできないでしょうし、税金をつぎ込むことの制限もあるでしょうが、ふんばってほしいです。
 「大阪は赤字財政だから、文楽はいらない、美術館も中止」というような方針で支持を集めようとした市長が破れて、次はどうなるのでしょう。大阪の文楽、世界に誇れる宝だと思うのだけれど。
 もうけ主義万能で赤字は少々解消するでしょうが、「文化果つる県」「心の栄養がひからびる県」になるのではないかしら。

<つづく>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする