20170513
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記 黄金週間(5)こどもの日・川原慶賀展とサンシャイン60
こどもの日。娘は、この日も池袋東急ハンズの手作り講習会に申し込みをしていて、午後手作りを楽しむ日にすると張りきりました。今回は藍染めに挑戦。ランチバッグとハンカチを仕上げました。母の日プレゼントです。
「え、この前、柿渋初めのトートバッグをもらったよ」と言ったのですが、これまでおばあちゃんへのプレゼントと母へのプレゼントを作ってきた、今年もふたつの手作りに申し込みをしたけれど、おばあちゃんにあげる分も母にあげるから、というので両方とももらうことにしました。
前回、娘が渋谷の東急ハンズで柿渋染めバッグを作っている間、渋谷松濤美術館で「今様」展を見たのですが、今回は池袋には見たいところがなかったので、北浦和まで足を伸ばしました。埼玉県立近代美術館の川原慶賀展、見たいと思っていたのです。久しぶりの埼玉県立近代美術館。仕事で北浦和駅で乗り降りしていた頃は、仕事帰りによく立ち寄っていた好きな美術館でした。ポール・デルヴォー展を2013年に見に来て以来、4年ぶりかも。
埼玉県立近代美術館

美術館の正面で写真を撮っていたら、年配の女性に声をかけられました。「ねぇ、シャッター押して」と、12枚撮りの簡易カメラを渡されました。今時ケータイでもなく、この12枚フィルム撮りきりの紙製カメラを使っている人、なんらかの思い入れがあるのだろうなあと思います。何枚か、川原慶賀展のポスターの前でシャッターを押しました。
その年配女性「ねぇ、私、この美術館の開館のとき来たっきりで、久しぶりに来たのだけれど、黒川さんってさあ、新国立美術館のあのうねうねしたライン、この埼玉近美でも同じことやっているのね」と、いきなり話されたので、やや面食らいました。
私は、黒川紀章さんの最後の作品である2007年の新国立美術館と、1982年の作品(たぶん、若尾文子と恋愛中のころ。1983年に若尾文子と結婚)のふたつを比較してみるなんて思ったこともなかったので、いきなり言われてびっくりしました。なによりも、シャッター押すのを頼んだだけの相手に、前振りもなく建築の比較論をふっかける話題提示に驚きました。相手が建築に興味をもっている人間か、黒川紀章の作風を知っているのか、そんなことにはおかまいなしのいきなりの作風比較。もしかしたら、話題についてくる人かどうかの見極めをしたかったのかとも思いますが、自分に興味があることは必ず相手も興味を持っているはずだ、という確信に満ちたものの言いようでした。
私は、「おもしろいですねぇ。でも、この建物の黒川さんの特徴は、建物の横っ腹にいきなり飛び出させている、あの妙ちきりんなオブジェだと思いますけれど」と、一応、建物を見て歩くのが趣味の者として返事をしました。すると、女性は「あら、そうねぇ、バブル時代っぽいわね」と言って、さっさと美術館の中へ入っていきました。
なぜか角柱が横っ腹から突き出している黒川紀章建築作品

建物の中から見ると

世の中には、いろんな人がいます。私のように、毎週顔を合わせる講師室の人に、挨拶以上の会話をするのが苦痛、という者もいるし、はじめて会った見知らぬ人に、自分の興味のあることをいきなり話す人もいる。
川原慶賀を知ったのは、つい最近。去年です。2017年に、江戸東京博物館と東京科学博物館でシーボルト展を見ました。シーボルトが集めた植物標本などの展示と共に、川原慶賀の繊細な植物画が展示されていました。
江戸東京博物館で川原の『江戸時代 人物画帳』を買いました。今回は、埼玉美術館の図録『ロシア科学アカデミー図書館所蔵 川原慶賀の植物図譜』を買いました。
川原慶賀の業績について、のちほど紹介したいと思います。
ポスター前で自撮り。着ているものは全部娘のお下がり。

静かな北浦和公園

娘は手作りを終えてからオトート君と合流し、サンシャイン60の中のキャラクターショップで、買い物。
5月5日のサンシャインビル、埼玉県民こぞって押しかけてきたかと思うくらい、混んでいます。(むろん、東京の人や他県の人もいるのですが、我が家のイメージとして、サンシャインは埼玉の縄張り)
私はふたりの買い物が終わるまでマックで待っていて、その後アルタの中のパスタ屋さんで晩ご飯を食べて帰りました。
娘がディズニーキャラやジブリキャラなどの小物を買い集めているのも、子供の頃、欲しいとねだることもなく我慢していた埋め合わせと思います。友達がかわいいディズニーキャラの文房具などの小物を持っていたころ、娘は従姉たちが10年ほど前につかっていたお下がりキャンディキャンディとかピンクレディなどのキャラがついている小物やTシャツを着ていて、クラスのギャングボーイたちに「古い!」とからかわれてすごしたのです。
こどもの日。もう小さな子供ではなくなった娘と息子が、キャッキャッとはしゃいでデイジーのポーチだのチップとデールのストラップだのを買って満足しているようす、同じような小物が家にもいっぱいあるのに、と、口まで出かかって飲み込みました。自分たちのおこずかいで買っているのですから。それに、同じようなものばかり買ってなどと言おうものなら「母だって、同じ本を買ってきて、あ、これ3冊目の同じ本、とか言ってるくせに」と反撃されてしまいます。まあ、そうですけれど。私のは百円の古本だから、、、、。
川原慶賀の図録、前のは「江戸人物画帳」で、今回は「植物図譜」だから、かぶってません。あとで、ゆっくりと江戸の風俗と植物をながめたいと思います。
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記 黄金週間(5)こどもの日・川原慶賀展とサンシャイン60
こどもの日。娘は、この日も池袋東急ハンズの手作り講習会に申し込みをしていて、午後手作りを楽しむ日にすると張りきりました。今回は藍染めに挑戦。ランチバッグとハンカチを仕上げました。母の日プレゼントです。
「え、この前、柿渋初めのトートバッグをもらったよ」と言ったのですが、これまでおばあちゃんへのプレゼントと母へのプレゼントを作ってきた、今年もふたつの手作りに申し込みをしたけれど、おばあちゃんにあげる分も母にあげるから、というので両方とももらうことにしました。
前回、娘が渋谷の東急ハンズで柿渋染めバッグを作っている間、渋谷松濤美術館で「今様」展を見たのですが、今回は池袋には見たいところがなかったので、北浦和まで足を伸ばしました。埼玉県立近代美術館の川原慶賀展、見たいと思っていたのです。久しぶりの埼玉県立近代美術館。仕事で北浦和駅で乗り降りしていた頃は、仕事帰りによく立ち寄っていた好きな美術館でした。ポール・デルヴォー展を2013年に見に来て以来、4年ぶりかも。
埼玉県立近代美術館

美術館の正面で写真を撮っていたら、年配の女性に声をかけられました。「ねぇ、シャッター押して」と、12枚撮りの簡易カメラを渡されました。今時ケータイでもなく、この12枚フィルム撮りきりの紙製カメラを使っている人、なんらかの思い入れがあるのだろうなあと思います。何枚か、川原慶賀展のポスターの前でシャッターを押しました。
その年配女性「ねぇ、私、この美術館の開館のとき来たっきりで、久しぶりに来たのだけれど、黒川さんってさあ、新国立美術館のあのうねうねしたライン、この埼玉近美でも同じことやっているのね」と、いきなり話されたので、やや面食らいました。
私は、黒川紀章さんの最後の作品である2007年の新国立美術館と、1982年の作品(たぶん、若尾文子と恋愛中のころ。1983年に若尾文子と結婚)のふたつを比較してみるなんて思ったこともなかったので、いきなり言われてびっくりしました。なによりも、シャッター押すのを頼んだだけの相手に、前振りもなく建築の比較論をふっかける話題提示に驚きました。相手が建築に興味をもっている人間か、黒川紀章の作風を知っているのか、そんなことにはおかまいなしのいきなりの作風比較。もしかしたら、話題についてくる人かどうかの見極めをしたかったのかとも思いますが、自分に興味があることは必ず相手も興味を持っているはずだ、という確信に満ちたものの言いようでした。
私は、「おもしろいですねぇ。でも、この建物の黒川さんの特徴は、建物の横っ腹にいきなり飛び出させている、あの妙ちきりんなオブジェだと思いますけれど」と、一応、建物を見て歩くのが趣味の者として返事をしました。すると、女性は「あら、そうねぇ、バブル時代っぽいわね」と言って、さっさと美術館の中へ入っていきました。
なぜか角柱が横っ腹から突き出している黒川紀章建築作品

建物の中から見ると

世の中には、いろんな人がいます。私のように、毎週顔を合わせる講師室の人に、挨拶以上の会話をするのが苦痛、という者もいるし、はじめて会った見知らぬ人に、自分の興味のあることをいきなり話す人もいる。
川原慶賀を知ったのは、つい最近。去年です。2017年に、江戸東京博物館と東京科学博物館でシーボルト展を見ました。シーボルトが集めた植物標本などの展示と共に、川原慶賀の繊細な植物画が展示されていました。
江戸東京博物館で川原の『江戸時代 人物画帳』を買いました。今回は、埼玉美術館の図録『ロシア科学アカデミー図書館所蔵 川原慶賀の植物図譜』を買いました。
川原慶賀の業績について、のちほど紹介したいと思います。
ポスター前で自撮り。着ているものは全部娘のお下がり。

静かな北浦和公園

娘は手作りを終えてからオトート君と合流し、サンシャイン60の中のキャラクターショップで、買い物。
5月5日のサンシャインビル、埼玉県民こぞって押しかけてきたかと思うくらい、混んでいます。(むろん、東京の人や他県の人もいるのですが、我が家のイメージとして、サンシャインは埼玉の縄張り)
私はふたりの買い物が終わるまでマックで待っていて、その後アルタの中のパスタ屋さんで晩ご飯を食べて帰りました。
娘がディズニーキャラやジブリキャラなどの小物を買い集めているのも、子供の頃、欲しいとねだることもなく我慢していた埋め合わせと思います。友達がかわいいディズニーキャラの文房具などの小物を持っていたころ、娘は従姉たちが10年ほど前につかっていたお下がりキャンディキャンディとかピンクレディなどのキャラがついている小物やTシャツを着ていて、クラスのギャングボーイたちに「古い!」とからかわれてすごしたのです。
こどもの日。もう小さな子供ではなくなった娘と息子が、キャッキャッとはしゃいでデイジーのポーチだのチップとデールのストラップだのを買って満足しているようす、同じような小物が家にもいっぱいあるのに、と、口まで出かかって飲み込みました。自分たちのおこずかいで買っているのですから。それに、同じようなものばかり買ってなどと言おうものなら「母だって、同じ本を買ってきて、あ、これ3冊目の同じ本、とか言ってるくせに」と反撃されてしまいます。まあ、そうですけれど。私のは百円の古本だから、、、、。
川原慶賀の図録、前のは「江戸人物画帳」で、今回は「植物図譜」だから、かぶってません。あとで、ゆっくりと江戸の風俗と植物をながめたいと思います。
<つづく>