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ぽかぽか春庭「ゴッホとゴーギャン展in東京都美術館」

2017-05-21 00:00:01 | エッセイ、コラム

ゴッホが描いたゴーギャンの椅子と、ゴーギャンの椅子ゴッホの椅子複製。

20170521 
ぽかぽか春庭アート散歩>調和と崇高(2)ゴッホとゴーギャン展in東京都美術館

 東京都の施設は、第3水曜日65歳以上無料公開日。木場の現代美術館が修理閉館中なので、東京都美術館、庭園美術館、写真美術館を訪れることが多いです。
 好きな展覧会は、2度訪れることもあります。たとえば、東京都美術館のゴッホとゴーギャン展は、2016年11月12日土曜日に、ミサイルママと「大人のえんそく」で訪れ、11月16日水曜日は同じ展覧会にひとりで出かけました。土曜日はもらった招待券2枚を活用。水曜日は無料日です。
 
 ふたりで見るときも、見て回るのはそれぞれ自分のペースで、終わった後、公園のベンチで飲み物を飲みながら、感想を語り合ったりします。ひとりで見るのもじっくりひとつの絵の前で長居をして、好きなだけ見ていたりして、楽しい時間です。2度目に出かけたのは、12日に行ったとき買いそびれた図録を買うためでした。高くて重い図録、できるだけ増やさないようにしていますが、ゴッホとゴーギャンの友情をうまくキュレーションしている絵の並べ方が気に入ったので買いました。

ゴッホとゴーギャン、自画像のポスター


 ゴッホとゴーギャン、ふたりの友情につき、ゴーギャンがタヒチに移住して終わりになってしまった、という印象を持っていました。実は、タヒチとフランスの間にも往復書簡が残され、友情が続いていたのだ、とわかりました。
 ゴッホ(1853-1890)とゴーギャン(1848-1903)の共同生活は、ゴーギャンとの暮らしが破綻してしまうことを思い詰めたゴッホが、自らの耳を切り落とすという事件となってたった2ヶ月で幕を下ろしました。
 画業について激しく口論したことも含めて、短い共同生活の上ではあっても、互いの芸術を高め合ったことがわかります。

 ゴーギャンが描いた、ゴッホの思い出のひまわり


 ゴッホ展も日本で開催されるたびに見てきたし、ゴーギャンも何度も見てきました。しかし、今回はふたりの友情や影響関係を中心に絵を並べて、キュレーションの妙を感じました。
互いの芸術を認め合いながらも、いっしょには暮らせなかったゴッホとゴーギャン。それは仕方のないこと。

ゴーギャンのタヒチ時代の作品ポスター


 ゴッホとゴーギャンの間に交わされた往復書簡。ゴッホは弟テオに宛てた手紙に比べると言葉遣いが丁寧で、テオに心のうちすべてを打ち明けるような調子とは異なるけれど、ゴーギャンの芸術に対して最後まで深い尊敬の念を持っていたことがよくわかる内容だそうです。

 天才ふたりが互いを尊敬しながらも日常生活では火花を散らしてしまい、2ヶ月しか共同生活を過ごせなかったこと、友情は最後まで続いていたこと、なによりも、展示されていた60点ほどの絵、どれも傑作でした。

ゴッホ2点(画像借り物)



ゴッホとゴーギャンの椅子レプリカが展示されていました。ミサイルママ撮影の春庭


<つづく>

コメント (4)
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