20171205
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017年十七音日記東京紅葉(3)旧古河庭園の紅葉
11月27日月曜日、旧古河庭園の紅葉見物。
こちらも小石川後楽園に劣らず、見頃でしたが、土曜日の後楽園に比べると、集まっている人は少なめ。月曜日にも休園しないということを知っている近所の人と、日本の諸施設のほとんどは月曜日が休館休園になるということを知らない観光客(大部分は中国からの人)。
園内、まだ秋バラが咲き残っており、「バラと紅葉のツーショットなんて、珍しい」という声が聞こえてきました。
園内は、冬備えの剪定が始まっていて、バラ庭園から下の池へと降りていく通路は閉鎖中でした。通路が狭いので、観覧客は道をゆずりあって通り過ぎるのですが、私と前後して同じルートを回っていた中国人中年女性3人組。代わる代わるポーズをとりながらケータイで写真を取り合い、ひとりが何ポーズも撮るので、なかなか通路が空きません。
写真を撮っていても、通路に来た人がいればはしっこに避けて、「どうぞ」と通行者を通してあげる、という文化は中国にはないのかなあ、それとも、中国ではそうしているけれど、ここは「旅の恥はかきすて」で押し通しているのかなあと、おもしろいから、この3人組と同じコースをたどりました。
どのシーンでも、3人組は互いの写真を何ポーズもとり続け、他の人が通りかかっても、けっして通路を明け渡すということはしませんでした。私は彼女たちが撮影の気が済むまで紅葉を眺めていればよいので、3人を見ているのと紅葉を見ているのと両方を楽しみました。中国のオバハンたちこの3人だけでなく、いまや世界中で、何十年か前の「ニッポン団体海外旅行団」以上に強力パワーを持って世界を押し渡っていくんだろうなあ。
少し前まで、日本人団体旅行客は欧米の観光地などでは顰蹙者で、マナーの悪さについて盛んに批評を受けましたから、昨今の「爆買い旅行団」として評判をとっている観光客について、私には云々できませんが、おばちゃんたち3人組、他の客が紅葉を眺めるのを配慮するなんて余裕もないくらい日本の秋の光景を楽しんでいるのだろうなあ、といささかの感慨を持って同じコースを歩きました。
松の雪釣り。雪釣りが必要なほど東京には雪が降らないけれど、冬の庭の景物として必要なのかも。
私が10秒タイマーセルフで撮ろうとしていると、写真自慢らしいオジさんが、「撮ってあげましょう」と、シャッターを押してくれました。
親切にシャッター押してもらって、ブラックHALを反省。3人組がそれぞれポーズをとったり、ひとりが二人を撮っていたのですから「3人いっしょの写真、シャッター押しましょうか」と、声をかければよかったのに。3人いっしょの思い出を日本の秋光景の中に残してあげようと、どうして思わなかったのか。ニーハオとひと声かければよかったのに、私は、3人が写真撮影に夢中になっているようすを眺めていただけでした。中国に赴任している間、さまざまな見知らぬ人々に親切にしてもらったのに、日本に来ている中国の人に一声かければよかったと、後悔しました。次は声かけます。
東京のもみじ、私は銀杏が日に照り映えるのが一番好きです。
<おわり>