小笠原邸シガールーム
20180329
ぽかぽか春庭アート散歩>春の建物散歩(4)小笠原伯爵邸その2
小笠原伯爵邸の見学メモの続きです。
1階シガールーム
シガールームは、晩餐会後に男性のみで集まり、談笑しつつパイプやシガーを楽しむための部屋でした。ヨーロッパに喫煙嗜好が入ったのは、トルコやエジプト経由だったそうで、西洋館喫煙室はイスラム風の部屋にするのが習わしだったそうです。全体はスペイン風の作りになっている小笠原邸も、喫煙室はイスラム風の装飾です。
天井
床と扉飾り
窓と照明
グランドサロン。小笠原伯爵家の正餐用食堂。この部屋のテーブルは、唯一小笠原家が実際に使用したものです。メロンレッグというテーブルの太い足が特徴。(あとの家具は当時の写真を参照して復元したものや、アンティークショップで当時の家具を購入したもの。)
1階応接間 家具カーペット照明具は写真をもとにアンティークを購入
階段
2階小部屋。
2階のこぶりの部屋は使用人の控室だったそうです。1927年竣工当時は、使用人室は和室でしたが、現在はレストランの個室として洋間になっている。
2階化粧室
2階客間からテラスを見る
2階テラス。奥に見えるパーゴラは、写真をもとにした復元ですが、2階テラスの床タイルは当時のものを、ボランティアが磨きなおして使用しているそうです。
2階テラスのへり瓦(スペイン瓦)
1階玄関装飾(鉄製ファンライト)
玄関中側クロークの飾り
この鉄製飾りも、ボランティアたちはせっせと磨いたのだそうです。ボランティアさんには、このお屋敷の「永久いつでも見学できる権」くらいあげてほしい。
照明器具のうち、唯一破損せずに残されたランプ。ランプシェードには小笠原家家紋の「三階菱」が刻まれています。(三階菱はよく見えなかったけれど)
これ以外の照明器具は、当時の写真をもとにした復元品やアンティーク購入品。
ステンドグラス作家小川三知が天空に舞う鳩をモチーフにして制作した玄関明り取り。写真をもとにイタリアで復元制作したもの。
同じく小川三知のステンドグラス。3面の窓全部がステンドグラスになっていたけれど、現在写真が残されて復元できたのは、中央一面だけ。
建て主の小笠原長幹は、彫刻家朝倉文夫に師事するなど、芸術志向が強い人だったそうです。
今はパティオの隅に置かれている女性像彫刻。かってパティオ噴水として置かれていたこの彫刻は、長幹の作品ではないかと言われています。
小笠原長幹は、芸術家の心をもっていたので、このようなスパニッシュ邸宅を建てたのだと思いますが、彫刻家として世にでるのはちと無理だったかも。
食堂(1階だったか2階だったかすでに記憶なし)
小笠原邸1階図面
小笠原邸2階図面
最後にもう一度修復後のタイル装飾と修復前のシガールーム外壁
これほどボロボロだった小笠原邸をボランティアの力も借り、よくぞここまで修復してくださった。お礼として、次に訪問するときは、ディナーウン万円は無理としても、せめてカフェタイムのコーヒー1300円はお支払いいたす心づもりにて、以後、「小笠原邸でお茶する貯金」に励みます。
見学会申し込みのご足労をいただいたyokoちゃんには何のお礼もできませんでしたので、次回お出かけには、せめてお茶の一杯くらいはおごらせてね。
1階客室小川三知ステンドグラス前で、伯爵家客人の気分で1枚。
隣のいすのひざはyokoちゃんです。写真嫌いなのに、いっしょに撮ってくださりありがとう。思い出になりました。
<おわり>