
2017年2月中華街のレストラン飾り
20180303
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記春盛り上がる(2)Metooひな祭り
2月28日未明から3月1日、全国的に春の嵐だったようです。
1日の出勤時、地下鉄の電車情報では「東西線、強風のため~」と、関東にも春一番が吹いたのだと示されていました。
夜のテレビでは、強風で屋根瓦が飛んだ、畑のビニールハウスが壊れたなどの被害がニュースになっていました。
私も、帰宅時に強風被害にあいました。
駅ホームから自宅ドアまで歩いても5分の道のりを、「荷物が重いので」と、自転車を使ってラクチン決め込んでいたバチがあたったのか、突風にバランスを崩して、自転車ごと横倒しになりました。人も自転車もたいした被害はありませんでしたが、面倒がって荷台に入れたままにしておいた区の広報紙やら郵便受けから出して自転車にいれたままにしておいたチラシやらが、3月1日の空高く舞い上がっていきました。あわてて追いかけたものの、木にひっかかっていたチラシを回収しただけで、あとは風任せに散っていきました。すみません。散らかしたままで。
この帰宅時の強風にはまいりましたが、明け方の雨上がりの空はきれいでしたし、日中は気温があがって、さすが3月と感じる日になりました。3月3日はひな祭り、3月8日は世界女性デーです。
フェミニスト春庭、久しぶりのフェミニズムの盛り上がりに、春じゃ春じゃと思っております。ほんとうは、男女が完全に平等になって、フェミニズムなど盛り上がる必要がないというほうがよいのでしょうけれど。
でも、人種差別反対運動の盛り上がりがあってようやく、黒人と白人の人権は平等だ、という考え方が普遍となったのですし。(現実にはアメリカ社会にも根強い差別感情がありますが)
それにしても、男女共同参画なんてのもまだまだかけ声だけの日本。
ひな祭りの日に、Metooムーブメントの話と、男女格差世界ランキングの話題について。
世界的な「Me too 私も」の声の盛り上がり。望まない性的関係を強要された女性たちが2017年にようやく声を上げ始めたムーブメントです。
2017年10月15日、ハーヴェイ・ワインスタイン(ハリウッドの映画プロデューサー)によるセクハラ疑惑が報じられたことが発端となり、女優のアリッサ・ミラノが同様の被害を受けたことのある女性たちに向けて'me too'と声を上げるようTwitterで呼びかけ、世界的なセクハラ告発運動が盛り上がりました。
女優や企業トップなどの著名人や一般女性がMetooの声を上げると、これに反発する人々の声も大きくなり、声をあげた女性へのバッシングも起こりました。
カトリーヌ・ドヌーヴら、Metoo女性への反発を表明した著名人もいましたが、次はMetoo反対派への反発も沸き起こり、セクハラというのが実に複雑なものだと考えさせられました。
日本では。
「セクシィな露出の多い服を着て電車の中に乗り込んで、触られた、痴漢だと騒ぐ女の気がしれない」というような批判の声。集団強姦事件の加害者について「集団レイプをする人は、まだ元気があっていいんじゃないですかね」と発言した与党議員さえいました。
レイプ事件の話になると、「有力スポンサーの幹部やテレビ局のプロデューサーやディレクター相手に枕営業をする女性タレントもたくさんいるし、『女性力』を発揮して保険勧誘社内一になった外交営業女性もいるし、、、、」などと、女性側の非を持ち出す物言いはなくなりません。私は、枕営業をしたい人はすればいいと思います。その人の生き方ですから、批判はしません。私は、そういう生き方はしたくないと思っているだけ。
そういう性がらみの話といっしょくたにしてほしくない、と思っているのです。女性は、自分が望んだときに望んだ人とだけ性行為をしたらいいのであって、どんな状況であれ望まない行為を強要されるのはいやだ、と発言すると、どうしてバッシングを受けなければならないのか。
女性ジャーナリスト伊藤詩織が、年配男性ジャーナリストを告発した事件がありました。
仕事関連の頼み事すべくその男性と飲食をした際、飲み物に薬品を入れられホテルで準強姦にあったと、伊藤は告発しています。さまざまな証言やホテルのカメラ映像などがあったにもかかわらず、官邸に強い人脈があるという男性は、事件のもみ消しを図り、逮捕を免れ、さらに女性をおとしめる発言を繰り返しました。
現首相の伝記執筆者というこの男性ジャーナリストのように、権力に近ければ逮捕も免れた上に「女性が悪い」と開き直る。女性は著書『Black Box』による告発をしましたが、バッシングも強く受けています。
レイプにあったことを告発した女性は、それだけで大きな人生のリスクを背負います。それでもなお沈黙せずに真実を明らかにしたいと立ち上がる女性も出てきました。
私はどちらの側に立つか。権力をもたない弱い側に決まっています。
このような事件を見聞きすると、泣き寝入りしている多くの女性たちに、「あなたは少しも悪くないのだから、望まないセクハラを受けたことを告発しなさい。私たち女性はあなたの側にいます」と言ってあげたい。
たとえ刑事訴追を免れたとしても、件の元政治部記者が、現在の肩書「政治団体・日本シンギュラリティ党」代表として発言するとき、彼の言動をきちんとチェックしていくことを忘れないでいたい。
しかしながら、女性の中にも、女性の味方はしたくない、という人たちも大勢います。男性側に寄り添ったほうが、自分の世渡りがうまくいくという人もいるし、名誉男性として男性社会の中で生き、上昇志向を重ねた人のなかには、男性の力を利用したほうが得という哲学を持っている人もいます。
私はこれまで、「自分はセクハラを受けたことがない」という発言をすることに、ためらいがありました。Metooと言えることが何もなかったので。
立っている姿を見るだけでもこわい」と男性から評されてきて、「性的対象として見る気も起きない存在だった私」という表明することによって、性的被害にあった人に対して「私のように女性としての魅力のない人間なら被害にあわない」と言っているように聞こえると困ると懸念していました。
セクハラはなかったけれど、男女差別解消を主張したりする生意気な勤務態度だったので、上司からパワーハラスメントは受けてきました。
「自分が生意気な女だったからパワハラを受けた」と泣き寝入りしたのは、レイプを受けても声を上げることができなかった多くの女性と同じことだったなあ、と気づきました。
Metooと声をあげた女性に寄り添わず、痴漢被害を受けた女性に無関心でいるのは、結局女性として人生をすごしてきた時間を否定することになるのかもしれない、と、Metooムーブメントを観察して感じました。
さまざまな意見があるだろうし、それを表明するのは、それぞれの人の自由です。しかし、「双方が合意しての性行為」以外のセックスに対しては、幼児性愛であれレイプであれ、私はそれを拒否し、そのような男性を「人間のクズ」と思います。男性が男を誇りたいのであれば、「力ずく」や「権力ずく」ではなく、自分自身の人間としての魅力で女性の心を得てほしい。
レスリング界でも、パワハラ騒動がおきています。伊調馨選手は直接関与を否定しているそうですが、伊調選手の元コーチで、現在はコーチをはずされている男性指導者が告発に関与しているのだとか。(ワイドショウ情報を未確認で伝えているので、こういうの、いけないなあと思いますが、人の騒動は相撲のときも、みな面白がるって、テレビのあるある)
告発された栄氏もレスリング協会も、告発内容を否定しているし、この先どうなるかはわかりませんが、しっかり調査して、選手が安心して練習できる環境を作ってほしいです。
「強い女性」の代表として、あこがれの伊調選手、東京オリンピックをめざしている選手が、この先も盛り上がっていけるよう、願っています。
ひな祭り雑感。
ぼんぼりに明かりをつけてほしい、シロザケも飲んでほしい。でも、一番ひな祭りにお祝いをしたいのは、女性が生き生きと自分の人生を生きて行ってほしい、ということ。
2016年2月バガンの人形たち

私が女性の生き方のお手本と思って仰ぎ見てきたひとり、石牟礼道子さんが2月10日、90歳でなくなりました。なくなってしまったのは残念でならないけれど、私の心の中の女雛のひとりとして、鑚仰していきます。生きているときから仏さまのように感じていましたけれど、もうほんとうに仏様になりました。
・潮満ちて椿を荘厳する涅槃 春庭(涅槃と椿の季重ねです)
<つづく>