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ぽかぽか春庭「ゴールデンウイーク in 六本木ヒルズ」

2018-05-10 00:00:01 | エッセイ、コラム

毛利庭園から見上げる六本木ヒルズ

20180510
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記GW(1)ゴールデンウイーク in 六本木ヒルズ

 5月1日。労働者諸君はどのようにおすごしでしたか。
 労働組合参加率が6年連続で低下し、2割を切る17%になっています。労働運動の低下が言われて久しいけれど、そもそも労組に参加できるような正社員になれない若者が、若年層労働者の3割近い。3人にひとりは非正規労働者であるけれど、非正規労働者も入れる労働組合もあることは知られていないようです。
 ここ数年で団塊世代がこぞって退職したあと、労組参加率17%もうなずけますし、さらなる低下が予想されます。

 さて、非常勤講師は「業務請負」として契約された場合、労働者にすらなれないのです。大工の「ひとり親方」みたいな制度で、組織から見放された働き方でした。大工さんも、雇用されていれば労災も認められるけれど、ひとり親方として「業務請負」で雇われると、建築作業に携わって怪我をしても、なんの補償もないのです。
 これから先、請負制度によって仕事をさせる方法は、さらに増えていくのではないかと思います。また、労働者ではあるけれど、自由裁量性という働き方、際限なく労働者を孤立させていくのではないかしら。 

 それでも2018年5月1日の中央メーデーには主催者発表で2万8千人が代々木公園に集まったのだ、と新聞記事には出ていました。代々木公園に集まったのは全労連系、連合系の第89回中央メーデー。一方、日比谷公園には全国労働組合連絡協議会(全労協)が集まったんですって。労働組合が分裂して、労働者が分断されたことは、雇う側にとって、そして雇う側となかよしの政権にとっては好都合だったでしょうね。

 春庭は、30年も働き続けたけれど、非常勤講師は「請負契約」「準委任契約」とされ、労働者としても扱われてこなかったので、国民保険、国民年金。集まってデモなどできる労働者=被雇用者を、うらやましいと思って毎年の5月1日をすごしてきました。

 その請負契約も一校だけとなり、5月2日の出講日は休講となったので、5月1日平日火曜日に娘息子と映画を見に「都会」へ出ることにしました。

 娘が「映画館で見たくない」というのは、「わいわい家族とおしゃべりしながら見たいから、しゃべれない映画館は苦手」という理由。一方息子は「椅子が狭い。両脇からとなりの人の肘が出ていると、ぼくは気になって身の置き所がない」という。
 昨年、娘むすこといっしょに見たのは「ラ・ラ・ランド」と「美女と野獣」の2本のみ。とても混んでいたので、息子はいっそう身を縮めて見たのでした。

 娘と息子は「ディズニー&ピクサーアニメ映画」ファンなのですが、テレビ放映になるまでまつか、DVDを借りるか、ネットでダウンロードするか、思案のしどころ。「アナ雪」は2013年の公開から2017年テレビ放映まで4年待ちました。
 『リメンバーミー』も、テレビ放映になるまで待つか、というところだったのですが、息子が意を決して「スペシャルシート」の予約をとって「はやっているうちに」見ることになりました。

 毎月1日は映画の日で割引になるので、スペシャルシート代金分を加えても、通常の1800円よりちょっと高めの2100円で見ることができます。
 六本木ヒルズとなりのTOHOシネマズのプレミアボックスシート3人並びの席を予約しました。リメンバーミー、とてもおもしろかったです。感想はまたのちほど。

 息子は、ボックスシートが気に入って「椅子が広くてひじかけもひとりで使えて、荷物置き場もあって、シート代千円の価値は、僕には妥当」といいます。娘は「みなでいっしょに座れてしゃべりながら見られる席がいい」とぜいたくを言う。そういうラグジュアリーシートは3000円らしい。3人で見たらシート代だけで9000円、映画代いれたら14400円。そりゃちょっと無理。日ごろは夫の映画パスポート借りてタダで映画見ているんですから。

 息子と娘が「気に入ったからまた来る」と、夏に見るポケモン映画のボックスシートを予約している間、私は毛利庭園を眺めて待っていました。
 左端のふたり、ポケモン映画の予約に行くところ。


 30年間、労働者ですらなかった私の働き方。そういう働き方であるゆえに「能力はあると認め、経験もあることはわかるが、非常勤ゆえに実力は未知数」と言ってきた文科省のお役人さん。悔しいがどうしようもない。

 5月1日。聞け、万国の労働者あ。と叫んでも、そうだ、私はひとり親方。労働者の仲間にもいれてもらえぬ身。
 六本木ヒルズ毛利庭園の池の水は、ただ緑を映して揺れていました。

 毛利庭園にて。娘が撮影した、ひとり親方(労災も受けられない)の、わたし。
 

 
<つづく>
コメント (4)
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