春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「イスラム教モスク見学ー東京ジャーミイ・トルコ文化センター」

2020-01-07 00:00:01 | エッセイ、コラム

 代々木上原の東京ジャーミイ

20200107
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2020二十重日記新年(4)イスラム教モスク見学ー東京ジャーミイ・トルコ文化センター

 友人A子さんのお誘いがあったので、はじめて東京ジャーミィ(Tokyo Camii)を見学しました。代々木上原に有名なモスク(イスラム寺院)があることは知っていましたが、なかなか訪問の機会がありませんでした。

 東京ジャーミイは、駐日本国トルコ共和国大使館に所属している宗教施設ですが、館内には、トルコだけでなく、パキスタン、バングラディシュ、インドネシアその他の国のモスレムもお参りしていました。
 ジャーミイはアラビア語で「人の集まる場所」を意味するので、何の宗教でもどこの国籍でも人が寄り集まっていいのです。

 礼拝堂に集う人々


 見学は、宗教宗派問わずイスラム教徒じゃなくても誰でもOK。見学時間、基本的には10:00~18:00。週末には日本語ガイドツアーもあり、予約不要・入場無料。
 女性は礼拝堂に入るときは髪をスカーフなどで覆うこと、礼拝中は礼拝所内の撮影禁止、という注意点を守れば、撮影もOKですし、1階2階とも自由に見学できます。礼拝堂2階の女性礼拝所も見学でき、どうぞ上がってください、とガイドさんにおすすめされました。



 現在の東京ジャーミイは、2000年に再建されたものです。1986年に古いモスクを老朽化のため取り壊したあと、2000年に竣工しました。話題にもなり、いつか行ってみようと思っていたのですが、あっというまに20年。



 前身である東京回教学院は、1938(昭和13)年に設立されました。ガイドさんが詳しく歴史的経緯を説明してくれました。1917年のロシア革命以後、宗教を認められなかったロシア帝国出身のタタール人たちは、世界各国に移住しました。
 ロシアからリトアニア共和国を経て、アメリカに移住した両親を持つ俳優のひとりがチャールズ・ブロンソンだそう。


 
 ロシア革命後、タタール人の亡命者のうち、600人が日本に移住。そのうち200人が渋谷周辺に居住したため、モスレムの学校兼モスクとして設立されたのが、代々木上原の東京回教学院です。
 亡命カザンタタール人の子孫のひとりが、日本語上手な「外人タレント」草分けとして戦後のテレビ界で活躍したロイ・ジェームズだと、ガイドさんが言うけれど、若い世代は全然知らない人。うなずいているのは、婆さんばかり。外人タレントと言っても、台東区下谷で生まれ育ってちゃきちゃきべらんめぇ日本語の話者。日本に帰化し、結婚後は妻の姓湯浅を名乗りました。53歳でがんのため死去。

 この旧モスクが老朽化のため取り壊された後、亡命タタール人たちがトルコの国籍を取得していた縁から、トルコ共和国宗務庁の援助によってオスマン様式で再建され、2000年(平成12年)6月に開堂しました。

 ガイドさんは、壁の模様のモチーフについて、「チューリップとカーネーションはトルコ原産の花ですよ」「現代科学の基礎となっている科学的知識はほとんどがイスラム文化によって培われたもの。日本へは文明開化後に欧米を通じて西洋文明がもたらされてきたので、西欧の文化水準が高かったと思い、西欧が文明の最先端と思っている人が多いけれど、イスラム文明こそが世界文明の基本」と、日本人がイスラム文化についてほとんど知らないということを強調していました。イスラム文化のほうが、キリスト教文化より「文化度」が高かったんだ、ということを強調してお話してくださったのですが、私はロイジェームズやチャールズブロンソンの紹介より、建築物としてのモスクについて、より多くの解説が聞きたかったです。

 初代モスクの建物は、宮大工が建てたそうです。本来、宮大工が建てる木造の寺院建築は火事地震にあわなければ、数百年もつ建物なんですが、丸いドーム屋根に問題があり、雨水が屋根から壁に入りこんでしまい、100年もたたずに老朽化してしまいました。

 旧モスクの模型


 新しいモスクとトルコ文化センターとは、内部でつながっています。
 基本設計は、ハッサ建築事務所(ムハッリム・ヒルミイ・セナルプ)Hassa Architecture Engineering Construction Industry & Trade L.T.D.
Muharrem Hilmi Senalp、実施設計は、鹿島建設(株)一級建築士事務所。

 内部のアラベスク模様やチューリップ、カーネーション


 礼拝堂ドームとステンドグラス



 私には、丸いドームや尖塔などエキゾチックな建物が楽しい場所でしたが、このモスクを心のよりどころとして日本での生活をがんばっているイスラム教徒が多いんじゃないかと思います

 一般的な日本人は、明治以後キリスト教についての知識はある程度ついてきて、世界史授業で、ルターの宗教改革とか習うから、クリスチャンといっても、カトリックとプロテスタントにはちがいがある、というくらいは知っています。しかし、イスラム教徒なると、スンニ派はシーア派の教義がどう違うのかもさっぱり知らない。「コーランには、女性を差別してはならない、と書いてある」とガイドさんはお話しなさったけれど、現実には女性は差別されていて学校へも行けない国があるし、サッカー場で男性といっしょに見ることが難しいという国もある。どうして?どうして?全然わからない。

 入り口に「ご自由にお持ちください」とあったイスラム教解説の冊子をもらってきました。まだ読んでいませんけれど、きっとありがたい教えがかかれているんだろうと思います。
 40年前に訪れたことのあるケニアのソマリア人家庭には、いちばん大事なものとしてコーランがおいてありました。そのとき、私ははじめてイスラム教とユダヤ教とキリスト京は、同じ神を信じているのだと知りました。私はこの3つの宗教の神様は、別々のものだと思っていたのです。同じ神をエホバとよんだりアッラーと呼んだりしているのでした。最初のカップルがアダムとイブなのも同じ。

 トランプさんはまたまたイランイラクあたりともめごとを起こしていますね。大統領選に向けて、「強いアメリカ」を演出したいという思惑があるみたいですが、どの神さんも、仲良くしてほしいって思います。

<つづく>
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする